1,研究室紹介

Laboratory


教員・院生研究室 - Office
生命環境棟 3F 303-1号室
学内内線(7789)
e-mail : izutsu@gs.niigata-u.ac.jp(@を半角にして下さい。)
TEL: 025-262-7789(留守電あり)
FAX: 025-262-7789
アクセスマップ【PDF】【pptx】
OfficeとTissue Culture Roomにしか電話が置いてありません。
緊急に連絡がとりたい場合は生物事務にアクセスしてください。

TEL:025-262-6267(生物事務室)


研究室は前野研と共同で使ってます。
廊下には研究内容のポスターを随時展示しています。いつでもご覧下さい。


発生学実験室1(培養) - Tissue Culture Room
生命環境棟 3F 303-2号室
学内内線(7789)
いわゆる培養室です。器官培養やセルラインを使った細胞培養、カエルの卵へのインジェクション、トランスジェニックツメガエルを用いた実験をしています。発生初期における胸腺摘出の手術や、皮膚移植手術も行っています。 なまもの中心に扱っているので部屋の中は温度コントロールは抜群です。


発生学実験室2(分子) - Molecular room
生命環境棟 3F 304-1号室
通称Mol部屋です。PCRだの、WISHだの、電気泳動だの、大腸菌をシャコル(=増やす)だの、分子生物学の手法を用いた実験を行っています。だから実験テーブルの上はピッカピカ・・・のはずなんだけどな。。。。。


発生学実験室3(カエル部屋)- Frog room
生命環境棟 3F 304-2号室
Jストレインとは?

当研究室で系統維持しているアフリカツメガエルJストレインは、世界で唯一の近交系アフリカツメガエル (complete inbred strain of Xenopus)です。J系統は、JapanのJをとってその名が付けられています。北海道大学の片桐千明博士、栃内新博士によって樹立されました (参考文献1,2)。

Jストレイン誕生の秘話

Jストレインは1948年にチバ研究所(のちのバーゼル研究所のことで、利根川進をはじめ多くの研究者を輩出したことで知られています)の4ペアの親ガエルから40年以上の月日を経てかけ合わされて、互いの交換移植において拒絶反応が見られない遺伝的背景が均一な系統として樹立されました (参考文献3、詳しくはJstrain系譜を参照のこと)。北海道大学の片桐千明先生が若い頃に、これからの両生類の研究には純系が是非必要であると考え、系統化途中のツメガエルを育てたことから始まりました (参考文献4)。完全な純系ですので、成体では互いの交換移植に対する拒絶は起こりません。ところが、我々の研究によって、同じ系統であるにもかかわらず、成体は幼生の皮膚を拒絶することが見いだされました (参考文献3)。

Jストレインのここがすごい

日米の共同研究により、Jストレインの全ゲノム配列の解読が完了しました(参考文献5)。JストレインのBACライブラリーも作られており、世界で唯一の組織適合性が同一な両生類のモデル生物として活躍が期待されています。

当研究室のその他のツメガエル系統

Jストレインは、北海道大学と新潟大学にしかいませんでしたが、近年他大学等に分与し、絶やさないよう対策を取りました。その他には、Xenopus laevisのワイルドタイプ(野生型)と、Xenopus laevisとは別種のXenopus borealis のB系統(近交系, partial inbred)がいます。ゼノパスボレアリスはキナクリンによる核の染色性がレービスと違うので、トレース実験に用いることが出来ます。キナクリンで染めると、ボレアリスの核は金平糖のように染まり、かわいいです。その他、Xenopus laevisのalbino(アルバイノ)の近交系(A系統と呼んでいますが、partial inbredです)がいます。

拡大版は画像をクリック

● 参考文献
1 Tochinai, S., and Katagiri, C. (1975). Complete abrogation of immune response to skin allografts and rabbit erythrocytes in the early thymectomized Xenopus. Dev. Growth Diff. 17, 383-394.
2 Nakamura, T., Kawahara, H., and Katagiri, C. (1985). Rapid production of a histocompatible colony of Xenopus laevis by gynogenetic procedure. Zool. Sci. 2, 71-79.
3 Izutsu, Y., and Yoshizato, K. (1993). Metamorphosis-dependent recognition of larval skin as non-self by inbred adult frogs (Xenopus laevis). J. Exp. Zool. 266, 163-167.
4 片桐千明 (1996). ツメガエル(19実験生物ものがたり)遺伝 1996年10月号〔50巻10号〕pp. 101-103.
5 Session AM, et al., (2016). Genome evolution in the allotetraploid frog Xenopus laevis. Nature 538 (7625) :336-343.

【History of J-strain】

[PDF]              [jpg]