血管新生制御機構の研究


 血管は中胚葉起源で血管内皮細胞,平滑筋,結合組織等から構成され,高等動物では発生初期に将来の血管網が形成されます。動脈も静脈も内皮細胞と基底膜からできた細い血管から発生します。この血管新生に関与する因子には様々なものが報告されていますが,中心的役割を果たすのは,血管内皮増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor;VEGF) です。
 血管新生についてはまだよくわかっていない部分も多く残っていますが,これらの制御メカニズムが明らかになり,デザインしたとおりにin vitroin vivoで血管新生を制御できる技術が確立されれば,iPS細胞を用いた再生医学に役立つ事でしょう。この研究では,腫瘍における血管新生をモデルとして,その血管新生メカニズム解明を目指して研究しています。
さらに詳しく(血管新生)



遺伝子導入細胞の作製

 遺伝子の機能を調べる方法には,幾つか方法があります。1つの方法として動物細胞で目的の遺伝子を発現させて,その遺伝子を発現している細胞の生理機能を調べたり,遺伝子産物(タンパク質)を細胞から精製して生化学的な性質を調べたりする方法があります。例えば,分子生物学的方法によって,動物細胞で発現するように目的の遺伝子をプラスミドベクターに繋げて,このプラスミドベクターを培養細胞に導入します。最近のプラスミドベクターには蛍光タンパク質の遺伝子が導入されているものがあり,目的遺伝子を発現している細胞は蛍光を発する仕組みになっています。写真の様に,緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現している細胞では,この組み込んだ遺伝子の産物(タンパク質)に対する蛍光体を用いて免疫染色すると,赤色の蛍光を発している事を確認出来ます(青色は細胞核)。同一の細胞で,緑色と赤色の蛍光を発していることがわかりますか? (この画像は,共焦点レーザー顕微鏡で撮影しました)

造血制御機構の研究へ ジャンプLinkIcon

血管新生の研究

両生類の血液細胞の研究へ ジャンプLinkIcon

概日リズムの研究へ ジャンプLinkIcon

ミジンコ走光性の研究へ ジャンプLinkIcon

研究内容TOPへ ジャンプLinkIcon