学生の受賞・表彰

伊藤 岳(自然科学研究科 博士前期課程) ― ポスター賞・優秀賞

2018年3月

 平成30年3月14日から18日に札幌コンベンションセンターにて開催された第65回日本生態学会大会において、自然科学研究科・生命食料科学専攻・基礎生命科学コース博士前期課程2年の伊藤岳さんの研究発表がポスター賞・優秀賞を受賞しました。
 精子は動物によって非常に多様な大きさや形をしています。その要因として、交尾行動や、卵への受精を巡って精子同士が競い合う精子競争などが関わっていると考えられていますが、詳細は分かっていませんでした。海産カジカ科魚類は、一般的な魚のように交尾行わない種に加え、交尾を行う種が進化した非常に珍しいグループです。本研究では、海産カジカ科魚類の精子を調べることで、交尾行動や精子競争が精子に与える影響の解明に迫りました。日本、北米の37種のカジカ科の精子の形態や運動性を比較したところ、交尾の進化に伴い、精子頭部の形態や運動環境が変化したことがわかりました。また、精子競争レベルの増加に伴い、精子全長が長く、遊泳速度が速くなることが明らかになりました。これらの形質は、北米と日本で平行進化したことを世界で初めて示しました。

発表者:
○伊藤岳 (新潟大学大学院自然科学研究科博士前期課程)・守田昌哉 (琉球大学)・柴小菊・稲葉一男 (筑波大学)・宗原弘幸・山崎彩 (北海道大学)・ 古屋泰則 (岐阜大学)・武島弘彦 (総合地球環境学研究所)・安房田智司 (大阪市立大学)
名称:
第65回日本生態学会大会 ポスター賞優秀賞
演題名:
多様な繁殖様式を持つカジカ科魚類における交尾行動と精子競争に関係した精子の平行進化
一覧に戻る