研究紹介

劉研究室

教員

研究分野

数値解析,有限要素法

研究テーマ

  1. 偏微分方程式の数値計算
  2. 微分作用素の固有値評価

研究概要

 有限要素法は様々な分野に現れる微分方程式を解くための強力な道具である。有限要素法は数学の変分法等豊かな数学の理論があって,数学的な理論研究と工学への応用,両側で発展している。有限要素法の高い汎用性によって,熱伝導や,電磁場,車の衝撃,洪水・津波のシミュレーションなど幅広い分野に使用されている。

 様々な数学の問題は固有値問題に繋がっている。以下では有限要素法による太鼓の音に関する固有値問題の計算例を説明する。太鼓の音はラプラス微分作用素の固有値問題に密接する。太鼓のヘッド(膜)を弾性膜として,それの振動によって音が発生する。数学の変数分離法によって,ヘッドの振動は基本振動モードに分解できる。 $$ u = \sum_{n=1}^{\infty} T_n(t) \phi_n(x,y), \quad T_n(t) =a_n \cos( c\lambda_n t ) + b_n \sin(c \lambda_n t) . $$ 上記の分解で,$\phi_n$, $\lambda_n$それぞれはラプラス微分作用素($\Delta$)の固有関数と固有値に対応する。 即ち, $$ \mbox{(固有値問題)}\quad -\Delta \phi_n = \lambda_n \phi_n\mbox{ in } \Omega, \quad \phi_n = 0 \mbox{ on } \partial \Omega \quad\quad\quad $$ ただし,$\Omega$はヘッドの領域,$\partial \Omega$は領域の境界である。有限要素法は領域$\Omega$のメッシュ分割を用い,上記の固有値問題を解くことができる。以下の図で,有限要素法による計算した太鼓のヘッドの基本振動モード(一部のみ)を描画している。

 有限要素法は上記の固有値問題の近似解しかを求められないことがあって,得られた近似解の誤差評価は重要な研究課題である。

 本研究室は以下のテーマをメインにして,有限要素法の計算理論と応用を検討している。

  1. 様々な偏微分方程式の近似計算手法と誤差評価
  2. 微分作用素の高精度な固有値計算法と誤差評価方法
  3. 半導体の抵抗率の測定や3Dプリント分野への応用

理学を目指すあなたへ

 理学部で数学を学ぶことによって,様々な数値計算手法を学び,それぞれの手法の強みと限界を深く理解することができます。また,数学理論はどのように数値計算手法の信頼性を確保しているかということも学習できます。これは,現実の問題に対して,適切な方法を使用して問題を解く能力の養成に繋がっていくと思います。