新潟大学理学部

  • 研究者リスト
  • 交通案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ
受験生の方へ
在学生の方へ
後援会・保護者の方へ
一般の方へ
教職員の方へ
ホームへ

研究紹介

家富研究室

教員
研究分野

経済物理,多変量解析,ネットワーク科学

研究テーマ

経済・社会現象への数理的アプローチ

研究概要

 私の研究室では経済や社会の複雑現象を統計物理学の概念と手法を用いて数理的に解明しています(「経済物理」と呼ばれています)。具体的な研究対象は,景気循環,物価変動の連関,株式市場の相関構造,経済ネットワーク(企業間取引関係,銀行-企業間融資関係,株持ち合い,貿易)などです。統計物理学の極意は,原子・分子の個別運動を統計処理によって捨象し,それらのミクロの情報を確率分布に置き換えてしまうことです。このような粗視化法は,自然現象に対してのみならず社会・経済現象についても有効です。その可能性を最初に見抜いたのは,寺田寅彦(「物質群として見た動物群」,1933年)です。

 私が用いている数理解析手法の1つであるランダム行列理論は,原子核のエネルギー準位を理解するために,物理学者の Eugene Wigner によって創始されました。ランダム行列は,その係数がまったくデタラメに振る舞うのですが,行列サイズが大きくなると,Wigner の半円定理をはじめとして非常に美しい数学を示します。そのようなランダム行列理論の数理的性質を利用すると,多変量データに含まれている真の相関情報と単なるノイズとを峻別することができます。

 また,私は大規模経済・社会系の構造やダイナミクスをネットワーク科学の視点から調べています。経済・社会の本質は個々の主体のつながりと言っても過言ではないでしょう。世界の金融市場の規模からするとほんの小さなショックが、瞬く間に世界中に広がり、世界同時株安などの暴落を引き起こすことも珍しくありません。まさに最近の金融危機は地球規模での経済主体間のつながりの仕業です。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な自分の視界を超えたつながりが,大問題となってきました。

 付け加えて,サッカーの戦略分析にも興味をもっています。サッカーは個人(ミクロ)とシステム(マクロ)の両側面が同時に重要なスポーツで,学問的にも興味深い研究対象です。各選手およびボールのトラッキング・データ(時々刻々の位置情報)を利用し,詳細な数理分析を行っています。

理学を目指すあなたへ

 経済学者が社会を観察して法則性を見つけ,数式で表すようになったのは,ニュートン以降の力学の研究スタイルを取り入れたからです。高校ですでに文系と理系と分かれますが,かつては自然科学と経済学の垣根は今よりずっと低かったのです。新しい文理融合型研究が始まっています!

[ 研究紹介 一覧 に戻る ]

 
新潟大学
(新潟大学理学部 広報委員会)