2002 日本地質学会 新潟大会

見学旅行案内書 残部販売

見学旅行係


見学旅行案内書
A4版170ページ


値下げ!
 
(2003.8.22より)

残部販売特価 1000円 在庫あります

購入希望の方は、
必要冊数×1000円を添えて下記へお申し込みください。
送料着払いの宅配便でお送りいたします。

<申込先> 〒950-2181 新潟市五十嵐2の町8050
新潟大学理学部地質科学科 事務室
Tel: 025-262-6197  Fax 025-262-6194


<内容その他についての問い合わせ先(編集委員長)>
新潟大学理学部地質科学科 志村俊昭
Tel: 025-262-7494


なお、他に
日本地質学会事務局
・新潟大学あさひ町展示館
でも販売しています.


見学旅行の内容(参加者募集時の宣伝を転載)

1班 韓国 「韓半島中南部の地質」

案内者: 李鉉具*(忠南大)・尹銑(釜山大)・孫炳國(韓国資源研究所)・立石雅昭(新潟大)

韓半島南部の地質を対象とし、沃川帯(プレカンブリア紀)、慶尚盆地白亜系、浦項盆地第三系、慶州の世界遺産.

2班 青海 「青海石灰岩と周辺の中・古生界」

案内者: 田沢純一*・新川 公(新潟大)・茨木洋介(青海町自然史博)・長谷川美行

青海町自然史博物館,青海石灰岩,親不知火山岩類,手取層群,虫川・姫川コンプレックス,小滝ヒスイ峡,明星山南壁,フォッサマグナミュージアム.

3班 上越帯 「上越帯・足尾帯西帯の岩石構成と構造」

案内者: 竹之内耕*(フォッサマグナ博)・滝沢文教(応用地質)・宮下純夫(新潟大)・木村公志・大河内誠(アイドール)

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」 上越線,清水トンネルが貫く上越(上州・越後)国境地域は,今でも日本列島の地質の秘境(辺境ともいう)であることに変わりなく,従来,日本列島のテクトニクスが語られた時,そのコンパイルマップには,?印がつけられていた.しかし,地質学会見学旅行最初の上越帯ジオトラバースが計画され,ついに覆っているベールを少しずつはがしていくときが来た.?印に目を向けていただけたなら,案内者一同,望外の喜びである.(文責:竹之内耕)


越後駒ヶ岳(2002m)を水無川笹花沢より望む.八海山,中ノ岳とともに越後三山と呼ばれ,
日本百名山の一つに数えられる.低変成度片状岩より構成.

4班 羽越 「羽越地域の花崗岩質地殻の形成と変形」

案内者: 志村俊昭*・加々島慎一(新潟大)・高橋浩(産総研)
 棚倉構造線の北方延長問題と共に,羽越地域の先新第三系基盤岩類の所属問題は未だに未解決の問題として議論の渦中にある.本見学旅行では,スピネル+石英共生を伴う超高温変成岩の産地を訪れる.また,シュリーレンに見られる地殻上部への花崗岩マグマの上昇貫入プロセスの証拠や,その後の花崗岩固結後の変形場を観察し,下部地殻の変成作用・部分融解・マグマ上昇〜貫入・地殻変形の証拠を巡る.様々な地域の研究者に見て頂き,ここが何帯なのか大いに議論したい.
 徒歩区間は殆どありません.学割料金あり(宿の学割料金の反映).
(文責:志村俊昭)

 超高温変成作用の証拠を残す,スピネル+石英グラニュライトゼノリス(赤色部はザクロ石,黒色部はスピネルとイルメナイト).同位体比などから,この地域の花崗岩マグマを生み出した下部地殻のレスタイトであると考えられる.


第1露頭の花崗岩と日本海に沈む夕日.


最近の道路工事により,絶好の場所に日本国マイロナイトの新露頭が出現した.風化する前に一見の価値あり.

5班 関東 「関東山地の跡倉・金勝山ナップと中央構造線」

案内者: 小林健太*(新潟大)・新井宏嘉(早稲田大)
 

日本でも有数の露出規模を誇る跡倉ナップ基底断層.
三波川帯御荷鉾ユニットに重なる二重ナップ(跡倉・金勝山ナップ)と,中央構造 線および領家帯の変形を見学する.ナップを構成する地質体の帰属(層序と岩石学) のみならず,ナップ間とナップ内部の変形構造(運動論)を重視することに,この巡 検の特徴がある.隣接する構造場(中央構造線・領家帯)の変形と併せ,ナップを移 動させた駆動力(造構論)や構造発達史について,参加者をまきこんだ活発な討論を 行いたい. 具体的な見学対象は以下の通り.領家帯古期花崗岩類の変形とそれに包有される砂 泥質片岩,1.3万年前以降の段丘礫層を変位させる中央構造線,跡倉・金勝山ナップ 各々の基底断層,金勝山ナップを構成するペルム紀石英閃緑岩・ホルンフェルス,跡 倉ナップを構成する浅海性上部白亜系跡倉層の岩相(花崗岩類の礫を多く含む跡倉礫 岩・フリッシュ相)と堆積構造・地層の逆転構造(マップスケールの押被せ褶曲の逆 転翼)・露頭スケールの変形構造(押被せ褶曲を切断する断層,断層による地層の引 きずり,小褶曲,劈開,共役雁行石英脈)など.

6班 信濃川 「信濃川中流域の活構造運動と段丘形成,旧期巨大地すべり」

案内者: 高浜信行*(新潟大)・信濃川ネオテクトニクス団研グループ

小千谷市山本山山頂(山本山の測地学的変動,信濃川・魚野川合流部地形の遠望),同真人原旧石器遺跡(AT降灰(直)前の断層活動と液状化),川西町千手観音(ほぼAT降灰時離水面の変位と液状化),津南町マウントパーク(旧期巨大地すべりと津南の段丘面群の遠望).

7班 出雲崎 「中央・西山油帯の鮮新世〜更新世前期の広域テフラ」

案内者: 黒川勝己*・坂井 一・樋口裕也(新潟大)

中央・西山油帯の西山層・灰爪層の広域テフラ(Ya、Ylg〔Znp〕、Ysc、Ojw、Arg‐2〔MT2〕、Ka、SK085、JA、Og〔大阪ピンク〕など).

8班 北蒲原 「新潟県北部の新第三系と古生物相」

案内者: 栗田裕司*(新潟大)・天野和孝(上越教育大)・河内一男(新潟県西新発田高)・鴨井幸彦((株)興和)

北蒲原地域の中新統〜鮮新統堆積岩類と大型化石・浮遊性微化石産地,基盤の岩船花崗岩類.釜杭層:浅海堆積物と貝・ウニ・大型有孔虫化石,内須川層:珪藻質堆積物と微化石産地,鍬江層:貝・微化石産地.

9班 石油 「新潟堆積盆地の油・ガス田−椎谷層の含油砂岩と南長岡/片貝ガス田−」

案内者: 加藤 進*(石油資源開発・探鉱本部)・保柳康一(信州大学理学部)・荒戸裕之(帝国石油・探鉱部)

 当班では,有名な「新津油田」の油層相当層である金津層の地表露頭と,南長岡ガス田の生産施設・坑井掘削現場を見学します.金津層の露頭(写真1)では,種々の堆積構造が観察され,貯留層砂岩の堆積場を議論することができます.実際に,油が染み出している露頭も観察できます(写真2).帝国石油(株)南長岡ガス田では,巨大ガス田の最新鋭の地表生産設備を概観するとともに,近傍で進められている試掘井の掘削現場を見学する予定です(写真3は石油公団基礎試錐「新津」試掘場)。
 南長岡ガス田への移動経路で石油資源開発(株)長岡鉱業所に立ち寄り,砂岩貯留岩や火山岩貯留岩のコア試料も観察する計画です.ODPや今後本格的に始動するIODPなどの「科学掘削」に興味をお持ちの方にも,当班の見学地はお勧めです。

写真1:金津層の塊状砂岩層露頭

写真2:金津層の含油砂岩層露頭

写真3:基礎試錐「新津」(石油公団)の試掘場全景

10班 佐渡 「小佐渡の中新世海底火山噴火と最近の地すべり災害」

案内者: 山岸宏光*・藤林紀枝(新潟大)・菅野孝美(川崎地質・北陸支店)

(1)佐渡島小佐渡地域を中心とした新第三紀火山岩地帯の規模の大きな地すべりと地すべり対策工施設など,特に椎泊谷平地すべりにおける地すべり末端部の河床隆起部は迫力大。(2)マシブ溶岩-枕状溶岩漸移部,ピクライト質ドレライト岩床,水中溶岩噴泉堆積物(スパターコーン,スコリア質集塊岩),ピローローブを含むハイアロクラスタイト,安山岩質シルと炭酸塩岩脈など小木半島の玄武岩質浅海底火山噴出物.


見学旅行一覧表(pdfファイル)

新潟大学理学部地質科学科