研究紹介

植物発生学研究室(池内研究室)

教員

研究分野

植物発生学、分子遺伝学、器官再生、エピジェネティクス

研究テーマ

  1. 器官再生を制御するメカニズムの分子遺伝学的な解析
  2. 1細胞RNA-seqを用いた器官再生過程の細胞動態の解析
  3. 再生しやすさに関する進化発生学的な解析

研究概要

 われわれのような哺乳動物には体の一部分から個体全体を再構築することはできませんが、植物はいとも簡単に個体を再生することができます。植物発生学研究室では、「植物はなぜ再生しやすいのか?」「再生しやすい種としづらい種があるのはなぜか?」といった大きな謎に、分子遺伝学的なアプローチで取り組んでいます。器官再生系は細胞が潜在的に持つ可塑性を引き出す実験系であり、器官再生の実験系を通して、植物が持つ柔軟な生き方の本質に迫れるところが一番の魅力だと思っています。

 また、人類は植物の器官再生系をバイオテクノロジーに利用しているため、植物の器官再生に関する基礎研究は応用の観点からも注目を集めています。地球規模で環境変動が起こっている今、安定した食糧供給のためには耕作地に適さない環境でも生育できる農作物の創出といったイノベーションが不可欠です。ゲノム編集技術により作物の形質を改変するアプローチが育種に応用され始めていますが、ゲノムが編集された体細胞から個体を再生できなければ目的の個体を得ることはできません。個体再生のしやすさは植物種や品種によって大きく異なり、イネやコムギなど重要な作物品種の多くで器官再生効率が悪いことが技術上のボトルネックとなっています。したがって、器官再生能を規定する遺伝子制御機構の解明は、植物科学に課せられた喫緊の課題となっています。

理学を目指すあなたへ

 理学の研究は、まだ世界で誰も知らない自然界の理を明らかにしようとする壮大なチャレンジです。自然現象を真摯に観察する曇りのない目を持ち、知力を総動員してぜひ挑戦して欲しいと思います。