略歴

【略歴】
1988年(昭和63年)3月東京都立大学理学部生物学科卒業
1990年(平成2年)3月東京都立大学大学院理学研究科修士課程生物学専攻修了
1990年(平成2年)4月広島大学大学院理学研究科博士課程後期動物学専攻入学
 平成2年4月から、指導教官の広島大学転出に伴い研究室ごと移籍
 在学中、平成2年5月から平成3年1月まで、英国ケンブリッジ大学医学部へ研究留学
1993年(平成5年)3月広島大学大学院理学研究科博士課程後期
動物学専攻修了・博士(理学)の学位取得
 
【職歴】
1994年(平成6年)4月日本学術振興会 特別研究員(PD)・北海道大学理学部
1998年(平成10年)4月北海道大学 助手・免疫科学研究所
1999年(平成11年)10月新潟大学 助手・大学院自然科学研究科
2004年(平成16年)4月新潟大学 助手(助教)・自然科学系(理学部)
2012年(平成24年)4月新潟大学 准教授・自然科学系(理学部)
現在、教授


 私は都立大の理学部生物学科の発生学研究室の出身です。発生学研究室は、私が研究室に入るずっと前に退官された、ウニの発生の研究で知られている団勝磨(だん かつま)先生がいらしたところです。その研究は、引き続き行われていましたので、ウニの発生に囲まれて育ちました。私自身は、カエルの変態をテーマとし、吉里勝利(よしざと かつとし)先生のもとで卒業研究をしました。3年後、指導教官の転勤のため、都立大から広島大に多くの学生と共にラボごと移りました。ですが、私は先生の薦めで、ラボの引っ越しを終えてすぐ、免疫学の勉強をしにイギリスに研究留学することにしました。

 イギリスはUniversity of Cambridge(ケンブリッジ大学)の Department of Surgeryというところで、Professor Sir Roy Calne (ロイ・カーン)によって、肝臓移植が盛んなところで免疫学を学びました。肝臓は極めて複雑な臓器であるため、当時の医学では、肝不全の患者を治すには移植しか方法がありませんでした。そのため、肝臓をモデルとした「移植免疫」は最も進んでいました。講義はもちろん英語で、ほとんど聞き取れませんでした。思い切って一度だけ先生に質問したことを覚えています。湾岸戦争勃発と共に帰国。貴重な体験となりました。

 北海道大学は、学生時代から提供していただいていた実験動物のアフリカツメガエル J系統 (J strain) が純系化された大学です。J系統は、北海道大学理学部の片桐千明・栃内新(かたぎり ちあき・とちない しん)両博士らにより純系化された遺伝的背景が同一の唯一の両生類です。J系統がそこにしか居ないので、迷わず移動しました。

 北海道大学では、もうひとつのラボに移籍しました。それは免疫科学研究所(現在は、遺伝子病制御研究所)といって、通称、免研(めんけん)と呼ばれているところです。小野江和則(おのえ かずのり)先生はマウスの免疫細胞の専門家で、当時の所長でした。ここで多くのヒントとサポートが得られなかったら、今の仕事はなかったと思います。

 新潟大学理学部には、北海道大学で樹立された貴重な純系Jストレインと共に移動しました。J系統アフリカツメカエルは、今でも新潟大学で最も多い数を系統維持しています。

スタッフ&学生紹介へ