実験室はこんなところ


実験室
 生化学実験や分子生物学実験を行う実験室です。実験室には,吸光光度計や,遠心機,震盪培養装置,PCR装置,タンパク質精製装置,実験で使う酵素やプラスミドDNAを保存する冷凍庫があります。


細胞培養室
 細胞を培養する部屋は,生化学実験を行う部屋とは別の部屋です。この部屋には,無菌操作をするためのクリーンベンチ,顕微鏡,インキュベーター,冷却遠心機,凍結細胞保存タンク等があります。


位相差顕微鏡
 培養容器に増殖している細胞は,倒立顕微鏡を使って観察します(写真は位相差倒立顕微鏡)。培養細胞を扱う実験では,細胞を毎日観察して,細胞の状態を常に把握しておくことが大切です。


FACS
 自動細胞解析捕集装置(FACS)も実験によっては使用します。FACSの装置は,大きく分けて,特殊なレーザー光を発する装置,細胞懸濁液から液滴の流れ(stream)を生み出す装置,蛍光を感知するセンサー装置部分から構成されます。蛍光抗体を組み合わせて使用する事により,多数の細胞集団の1つ1つの細胞の蛍光を捉え,これを瞬時に解析することが可能で,多数の細胞を正確に蛍光強度によって短時間で解析し,分離する事が可能になりました。


FACS (2)
  FACSの機能の1つにソーティング機能があります。液滴の流れ(stream)は写真の2つの金属部分(電極)の間を(上から下へと)通り抜けますが,このとき電極間に高い電圧を掛けることによって,電荷を帯びた液滴(この中に細胞が入っています)をソートすることが可能です。この為,例えば骨髄細胞中の造血幹細胞のみをソートして分取する事ができます。また,遺伝子を導入して蛍光を発する細胞のみを分けることも出来ます。


PCR装置
 PCR( polymerase chain reaction)は短時間のうちに耐熱性のDNA合成酵素を使ってDNAを増幅する技術です。このPCR法は分子生物学の研究を飛躍的に発展させるのに大きな貢献をしました。このPCR装置の原理はとても簡単で,温度と時間を制御するのみです。筆者の担当する生物学科2年生の実習では,この原理に基づく「手動PCR」を行っていますが,研究ではこのような装置や,定量的なデータを取るためのReal-time PCR装置を使います。