令和6年度 チャレンジングステージ
7月28日(日)、五十嵐キャンパス理学部棟を会場に、「リテラシー講座『数学』」を実施しました。
N-Step新潟のチャレンジングステージでは、受講生の自然、人間、科学、社会と、多岐にわたる分野の「課題発見力」を養うため、STEAM教育の各要素を含む「リテラシー講座」を開設しています。令和6年度の「リテラシー講座」では、数学、生物、情報、物理、化学、英語の各分野を設け、チャレンジングステージの第1回目の講義となる「リテラシー講座『数学』」では、「万華鏡について、数学を通して考えてみよう」をテーマに、新潟大学理学部数学プログラムの大井志穂先生が講義を行いました。
講座の前半は、大井先生が講義を始める前に、「万華鏡の組み立て」を行いました。本講座では、株式会社サンワ製の「クラフテリオNo.27-130・まんげきょうづくり」を採用し、受講生の手で、筒、反射板、模様紙、反射板を貼るシール、透明板、スパンコール、クリアプラスチックキャップ(上下)の各パーツを確認しながら、組立説明書を見て、長さ19センチ×直径4センチの万華鏡を組み立てました。
講座の後半は、万華鏡の中に広がる三角形の図形を手掛かりに、対称移動、平行移動、回転移動による捉え方、さらには、「等距離写像」、「ユークリッド距離」、「双曲距離」などの「大学数学の世界」の考え方を紹介しながら、万華鏡の仕組みを数学的に捉える講義をしました。
約2時間に及んだ講義時間の最後に、大井先生から受講生へ「数学の本質はその自由性にあり(ゲオルク・カントール※)」の言葉に続き、そのためには、「自分で考えること」が大切とのメッセージを送って、講座全体を締め括りました。
※ゲオルク・カントール(1845.3.3~1918.1.6)
ドイツの数学者。ベルリン大学でクンマーの下で学び、博士号取得後、ハレ大学で教鞭を執る。「カントール集合の定義」で有名。