自然環境科学プログラムの授業科目の例

環境気象学

風が吹く、雨が降るなど我々にとっても気象ほど身近な自然現象はないでしょう。また地球環境の仕組みを総合的に理解する上でも気象学は必要不可欠です。地球環境とその変化を解釈する上で、重要な鍵となる大気のさまざまな現象を物理の法則にも基づいて理解し、その理論的な側面を通じて定量的に評価することを学びます。

新潟上空の降水粒子の動きを観測する気象ドップラーレーダー

新潟上空の降水粒子の動きを観測する気象ドップラーレーダー

古環境学

過去は未来への鍵である。過去の地球史イベントの発生機構や過程を調べることで現在の地球の成り立ちを理解し、未来におこる現象を予測することができます。本講義では、氷期・間氷期サイクル、とくに最終氷期~現在の期間に焦点をあて、気候学、海洋学、地形・地質学のそれぞれの立場から最新のデータを用いて解説し、現在の環境がつくられた過程と仕組みを学びます。

古環境学の授業の様子

古環境学の授業の様子

環境分析化学

より良い生活環境実現のためには、大気や水などの環境試料に含まれる有害化学物質の分析が重要です。しかし不適切な化学分析を行えば、実際には含まれていない化学物質が検出されたりして、環境について誤った評価を下してしまいます。本講義では、正確な分析値を得るためだけでなく、得られた分析値の妥当性を検証できる能力の獲得を目的に、分析化学に関する基礎的知識を身につけます。

地形学

私たちが普段目にする地表面の起伏形態である地形は、形成過程から地形を階層的に細分類することで、その地形場と人々の暮らしの関係がみえてきます。講義では、低地、段丘、山地の3つに分類された地形を、さらに階層ごとに微地形を区分してその形成過程や地形的特徴を解説します。微地形と人々の暮らし(土地利用)や自然災害の関係、地形図の読み方を学びます。

新潟砂丘の地形観察

新潟砂丘の地形観察

多様性生物学 A、B、C

地球上には様々な生物が生息しています。それらの生物の類縁関係は、遺伝子の比較解析が進められた結果、現在、新たな見直しがなされています。多様性生物学Aでは植物を、Bでは動物を中心に、またCでは生物の大系統群について学習し、それぞれの系統群に見られる形態的、生態的特徴を理解し、生物界に見られる多様性と普遍性を学びます。

魚の透明骨格標本を観察し、形態の多様性を学ぶ

魚の透明骨格標本を観察し、形態の多様性を学ぶ

適応生物学

生物は、様々な環境下に適応しながら進化を続けています。この講義では、水中生活を捨てて地上に進出し、多様に進化してきた動物と植物が、乾燥や強い光、他の生物からの食害や病原菌などの環境から受ける様々なストレスに対して、どのように情報伝達し、どのように順応し、適応する能力を身につけているのかを学びます。

自然環境科学実験 C1、C2

実験C1,C2では、水中のイオン成分の定量実験やγ線の測定実験を行います。これらは湖沼・河川水の化学分析、環境放射能測定など、さまざまな環境測定の公定分析に用いられる測定法です。超微量分析や農薬分析に用いられる、原子吸光光度法、蛍光光度法、フーリエ変換赤外分光法、質量分析などの最先端の装置を用いた実験も行います。

イオンクロマトグラフィーによる酸性雨の分析

イオンクロマトグラフィーによる酸性雨の分析