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マスタープログラム 2023年度(第5期生)

「自然と人講座『漢方薬の科学』」

9月17日(日)、「新潟ジュニアドクター育成塾コンソーシアム」に参画する新潟薬科大学(新潟市秋葉区)において、「自然と人講座『漢方薬の科学』」を実施しました。

新潟ジュニアドクター育成塾の「自然と人講座」は、新潟の多彩な自然と人に関する最先端研究での体験学習を通して、地域の自然と人に関する興味を高めると共に、自然共生や科学と社会の関わりについて学ぶことを目的としている講座です。今年度は、薬学、建築環境工学、生物学、地学、食品化学、医学の6分野の講座を開講し、新潟薬科大学の杉原多公通先生、本澤忍先生、城田起郎先生を講師に招いた『漢方薬の科学』は、6分野のうちの「薬学分野」をカバーする講座になります。
この日は、新潟薬科大学を舞台に研究活動が行われている「漢方薬」をテーマに、講義と実験の2部構成で講座を開講しました。

前半の講義では、杉原先生を講師に、①医療の歴史、②中国伝統医学とその歩み、③「薬」の語源(漢字の成り立ちや英語(medicine,drug,pharmaceutical)の由来)、④キャベツの芯を原料とする市販胃腸薬の製法、④自然に生えている草木を乾燥させた「生薬」を混合したものが「漢方薬」であることなど、漢方薬にまつわる様々な知識について、私たちに身近な例を用いて紹介しました。
特に、ショウガをそのまま乾燥させた生姜(ショウキョウ)は熱を下げる効果、ショウガを蒸したあと乾燥させた乾姜(カンキョウ)は体を温める効果があり、受講生は漢方薬の世界の奥深さを改めて認識していました。

後半の実験では、本澤先生・城田先生を講師に、受講生が自宅から持参した野菜・果実などの食材を、次のいずれかの方法で前処理および乾燥させる実験を行いました。

〔前処理の方法〕
①キッチンペーパーで水分を取る
②紙コップに食材を入れ、お湯を注ぎ、3分後に取り出して、キッチンペーパーで水分を取る
③容器に入れ、電子レンジで3分間加熱した後、キッチンペーパーで水分を取る

〔乾燥の方法〕
①フードドライヤーを用いて70℃で加熱乾燥する
②クッキングシートとキッチンペーパーを重ね、その上に食材を置き、電子レンジで加熱乾燥する
③アルミホイルの上に食材を置いて、オーブントースターで加熱乾燥する

受講生は、前処理や乾燥方法の違いによって、食材の見た目や味、匂いの変化が起きることを体験し、併せて、新潟薬科大学が事前準備した乾燥ブドウ、乾燥キウイフルーツ、乾燥ショウガを試食することで、午前中の講義で学んだショウガの効能変化について、あらためて認識する機会を持つことができました。

ギャラリーⅠ 講義「漢方薬の科学」

ギャラリーⅡ 実験「生薬の製造体験」

ギャラリーⅢ 新潟薬科大学

講座概要

日時:
令和5年9月17日(日曜日)
会場:
新潟薬科大学新津キャンパスB棟B204教室、H棟(薬学部実習棟)H302実習室
講師:
杉原 多公通(新潟薬科大学薬学部薬学科 教授)
本澤 忍(新潟薬科大学薬学部薬学科 教授)
城田 起郎(新潟薬科大学薬学部薬学科 助教)
次第:
10時30分
講座開始、講義「漢方薬の科学」
11時10分
実験「生薬の製造体験」(午前の部)
11時50分
昼食(C棟カフェテリアで「薬科大ランチ」を無料提供)
12時30分
新津キャンパス見学ツアー
12時50分
実験「生薬の製造体験」(午後の部)
14時00分
講座終了

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