実験所ブログ(2016~2018年度)

公開臨海実習 生理/発生学コース(2019/3/4-8)

まだ寒い春休みに実施されるこの公開臨海実習は、シュノーケリングでの磯採集を行わない数少ない実習の一つです。手網を使った海での生物採集も行いますが、メインはウニを使った初期発生の仕組みを調べる実験や魚の体色調節機構について調べる実験です。発生学実験では、バフンウニから採卵採精してそれらを人工受精させ、受精から始まる一連の初期発生を観察しました。その上で、薬剤処理によって正常な初期発生が阻害される様子を観察し、動物の体が作られていく過程で必要な情報伝達などについて学びました。生理学実験では、周囲の光環境によって魚が体色を変化させる様子を確かめ、ウロコ表皮を詳しく観察して体色が作られる仕組みを学びました。その後に、ウロコを使った実験を行い、ホルモンや神経伝達物質がどのように色素胞、ひいては魚の体色を調節しているかについて調べました。また、この実習には特別講師として北里大学海洋生命科学部の阿見彌典子博士をお招きし、洞窟に住む魚ブラインドケープカラシンと夏眠する魚イカナゴの生態や生理についての非常に興味深いお話を聞かせてもらいました。最後の締めは実験グループごとでの発表会。なかなか的確なポイントをついた質問が出たりして、いい発表会でした。今回の実習には他大学から10人、新潟大学から2人が参加し、文系の学生や海外からの留学生もいていつもの実習とは少し雰囲気が違いましたが、皆楽しく学んでくれたことと思います。ぜひまた夏の実習や他大学の臨海実習にも参加して、いろいろな経験をしてください。(文責:北橋)

AmiyaMicroscope

(左)阿見彌先生の講義。面白かったですね。(写真:大森紹仁)(右)外はいい天気ですが、ウニの発生実験は顕微鏡が友達です。(写真:飯田碧)

Handnet samplingNighttime

(左)定番の岸壁での生物採集もやりました。(写真:大森紹仁)(右)肝試しじゃありません。蛍光を発する生物を探しています。(写真:大森紹仁)

PresentationHasegawa

(左)最後はグループ発表会。(写真:飯田碧)(右)同じ魚が、環境によってずいぶん違う色になってしまいました。

(updated on 2019.04.04)

テングダイ(2019/3/1)

今年はやはり暖冬のようですね。達者の海表面水温は9度くらいです。珍しい魚が刺し網にかかったそうで漁師さんにいただきました。テングダイです。よく見ると吻にひげのようなものがあったり、なかなかユニークな形です。新潟県沿岸も分布域には入っていますが、なかなかお目にかかりません。近くの揚島水族館へ貰われていき、しばらくの間、展示されました。(文責:飯田)

tengudai

テングダイ

(updated on 2019.03.11)

新センター開所目前シンポジウム 佐渡自然共生科学センター 島で広がる研究教育最前線!(2019/2/22)

例年より雪が少ない佐渡です。過ごしやすいのですが、夏に渇水にならないか、生き物たちは大丈夫なのか、少々気になっています。理学部附属臨海実験所は、同じ佐渡にある新潟大学の他の2施設(農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)、研究推進機構 朱鷺・自然再生学研究センター)と2019年4月に統合し、佐渡自然共生科学センター臨海実験所となります。それに先立ち、先日、新潟大学五十嵐キャンパスで「新センター開所目前シンポジウム 佐渡自然共生科学センター 島で広がる研究教育最前線!」を開催しました。自然共生科学を軸とした研究・教育を展開されているお二方をお招きして基調講演を行ってもらうとともに、佐渡の3施設の若手教員が取り組んでいる共同研究について報告を行いました。立教大学の阿部治先生からは持続可能な地域づくりに向けた取り組みや仕組み作りについて、東邦大学の長谷川雅美先生からは爬虫類をはじめとした島嶼生物学の研究について、ご講演いただきました。どちらも新センターの研究、教育、地域貢献に大変参考になる内容でした。続いての3施設の共同研究では、私たちが行っている、佐渡を舞台とした島の生物史の研究と、魚類を中心とした森川海のつながりに関する研究、社会科学に関する取り組みについて報告しました。シンポジウムには学内から学生さんも含めて多くの方にご参加いただきました。講演を行ってくださった先生方、参加者そしてスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。統合後も協同した研究、教育を推進していこうと考えています。(文責:飯田)

AbeHasegawa

(左)阿部先生の講演の様子。(右)長谷川先生の講演の様子。

Kishimoto

朱鷺・自然再生学研究センター岸本先生による研究報告の様子。

(updated on 2019.03.11)

新潟大学佐渡三施設合同学生研究発表会(2019/2/16)

毎年恒例となった新潟大学の佐渡三施設(農学部附属佐渡ステーション(演習林)、朱鷺・自然再生学研究センター、臨海実験所)に所属する学生の合同研究発表会が、2月16日にトキ交流会館にて行われました。今年は臨海実験所から5名、演習林から12名の学生が参加し、日ごろの研究の成果を発表しました。臨海実験所と演習林それぞれの特色を生かした海や森の生き物の研究の他、里山の窒素循環や、川と海を行き来する回遊魚の生態に関する発表もあり、森里川海が近接する佐渡らしい発表会になったのではないかと思います。発表者の皆さん、お疲れさまでした。(文責:大森)

student presentation

発表会の様子。三施設の教職員と学生だけでなく、一般市民の方も参加してくださいました。(写真:北橋隆史)

(updated on 2019.03.11)

新潟大学佐渡3施設合同学生発表会

新潟大学佐渡3施設合同学生発表会ですが、プログラムが確定しましたので、以下からダウンロードしてご確認ください。
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平成30年度 新潟大学佐渡3施設合同学生発表会 
ー森、里、川、海に暮らす生き物や環境について研究した成果を発表します!ー
日時:2月16日(土)10:30?17:10
場所:トキ交流会館(佐渡市新穂潟上1101-1) 2階会議室
Google Map リンク
佐渡島内、島外の森、里、川、海で研究している学生の発表です。
発表プログラム (PDF:158KB)
◎事前申し込み不要です。
◎どなたでも参加していただけます。
◎途中参加・退出もOKです。
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当日、トキ交流会館にてお待ちしております。
(文責:北橋)

(updated on 2019.02.14)

新潟大学佐渡3施設合同学生発表会を開催します

久しぶりの更新です。ようやく雪も積もって、佐渡も冬らしい景色になってきましたね。
さて、今年も、佐渡にある新潟大学の3施設(当臨海実験所、演習林、朱鷺・自然再生学研究センター)に所属する学生たちが、日頃の研究活動の成果を佐渡市民の皆さんに発表させていただきます。どうぞ皆様、お誘い合わせの上、学生たちの発表を聞きに来てください。
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平成30年度 新潟大学佐渡3施設合同学生発表会 
ー森、里、川、海に暮らす生き物や環境について研究した成果を発表します!ー
日時:2月16日(土)10:30?17:10
場所:トキ交流会館(佐渡市新穂潟上1101-1) 2階会議室
Google Map リンク
佐渡島内、島外の森、里、川、海で研究している学生の発表です。

◎事前申し込み不要です。
◎どなたでも参加していただけます。
◎途中参加・退出もOKです。
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詳細なプログラムは、後日、本ブログや各施設のHPに掲載します。
(文責:北橋)

(updated on 2019.01.27)

佐渡市立内海府中学校 海洋生物学教室「海府の魚」(2018/11/9)

今年は海水温が高かったせいか秋に佐渡へやってくるブリが遅れているようでしたが、今月になり大漁の便りも聞かれるようになりました。先日、中学校へ出前授業に行ってきました。内海府中学校の生徒のみなさんは、来月2日に鷲崎で行われる寒ブリ大漁祭りのガイドに向けて、準備に余念がない様子でした。ガイドで役立つようにと、ブリを始め、マグロ類やイカ類など佐渡で採れる海産物のお話をしてきました。今年も生徒さん、先生方とも熱心で、たくさんの質問が出ました。(文責:飯田)

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内海府はちょうど紅葉がきれいでした。

(updated on 2018.11.26)

大阪産業大学 生態学特別演習2(2018/9/17?19)

9月に入ってから曇り空の日が多くなり、朝晩はかなり肌寒くなってきましたが、そんな天候にも負けずに大阪産業大学の皆さんが実習に訪れました。海水温も下がり海中での採集は寒かったと思いますが、今年から温水化した屋外シャワーが役立ったのではないでしょうか。岸壁採集、灯火採集、プランクトン採集、磯採集と、4種類の採集を1日半でこなす盛りだくさんな実習になりましたが、大きなヤドカリやきれいなヒラムシなど、普段の実習ではあまり見かけない動物も観察することが出来ました。参加してくれた皆さん、お疲れさまでした。(文責:大森)

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(左)姫津港での灯火採集。漁港の街灯を頼りに、岸壁に潜む動物を網で採集します。(右)きれいなヒラムシも採れました。

(updated on 2018.10.5)

国際臨海実習 International Marine Biology Course (IMBC) 2018(2018/7/28-8/1)

ずいぶんと遅くなってしまいましたが、7月終わりから8月頭にかけて開催した、国際臨海実習について報告します。3年前から行っている英語による国際臨海実習ですが、今年はJSTのさくらサイエンスプランによる経費支援を受けたおかげで、米国とアジア圏の計10大学から学生20名と教員5名を招聘することができました。当臨海実験所の大学院生も参加して、かなりの大人数になりました。直前に台風の到来が予想されたのでずいぶん気を揉みましたが、幸い迷走した台風は佐渡には向かって来ず、実習を通して好天に恵まれました。実習内容としては定番のものばかりですが、すべて英語で行うとなると、生き物の名前などはやはりなかなか大変です。とはいえ、基本的に参加者は英語が母国語でないので、お互い多少拙いところも織り込み済み。みな積極的にコミュニケーションを取りながら、協力して実習を進めることができました。海洋生態学を自分の大学で学んでいる学生から実際の研究分野はちょっと異なる学生まで、バックグラウンドは様々でしたが、みな佐渡のきれいな海とそこに生きている多様な生物に感動していました。実際に手を動かす作業以外にも、招聘したバングラデシュ・バングラデシュ農業大学のShahjahan Md教授、インド・コーチン科学技術大学のAmmanamveetil Hatha教授、ベトナム・ハノイ国立教育大学のTran Duc Hau講師、アメリカ・イーストカロライナ大学のYong Zhu教授、それに東京大学の竹井祥郎名誉教授にそれぞれの専門分野の講義をしていただくことができ、参加者には実技以外の面でも良い刺激になったはずです。来年は、公開臨海実習として日本内の大学生にもぜひ参加してもらいたいと思っています。応募をお待ちしています。Report (English:PDF 1.5MB)(文責:北橋)

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(左)はるばる海を渡って実験所へ到着。(右)安東教授による講義。まずは、佐渡の海と生物について皆に知ってもらいます。 (写真:飯田碧)

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(左)初日の夜は、まずお互いに仲良くなるためのお好み焼きパーティー。(写真:大森紹仁)(右)東京大学の竹井祥郎名誉教授による講義で、生理学(体液調節)と生態学とがつながることを再認識。(写真:飯田碧)

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(左)ウニの人工受精と発生実験です。(右)ベトナム、ハノイ国立教育大学のHau先生による海洋生物学についての講義。(写真:大森紹仁)

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(左)何が採れたでしょうか?(右)採集した動物を手分けして分類します。(写真:安東宏徳)

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(左)発表会に向けて、班の皆でディスカッション。(右)実習船でのプランクトン採集。気持ちのいい青空です。(写真:飯田碧)

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(左)実習の締めは、個人/グループ発表会。(写真:安東宏徳)(右)実験所での最後の夜には、BBQを楽しみながら、より親交を深めました。(写真:Yong Zhu)

(updated on 2018.9.26)

新潟大学理学部 海洋生物学実験(2018/9/1-3)

9月に入って最初の実習は、新潟大学理学部が実施する海洋生物学実験でした。学生たちは、初日は佐渡の中で地層の露出している場所を巡って地層観察や化石採集を行ってから臨海実験所にやってきました。真野湾で見られる地層は、およそ80万年前の”新しい”地層なのだそうで、そこで採れる貝の化石は、素人目にはただの貝殻ですがちゃんと化石なのだそうです。2日目は真っ青な好天の下、穏やかな海で磯採集。採集場所には小アジの群れが入り込んでいて、なかなか壮観でした。今年はかっこいいカニのメガロパ幼生も何匹か採集されていて、みんなの人気者です。最終日には無事実習船でのプランクトン採集と観察も行い、海の生物の多様性についてしっかりと学んでもらえたと思います。松岡先生、栗原先生、お疲れ様でした。また来年もお待ちしています。(文責:北橋)

snorkelinghorse mackerel

(左)穏やかな磯でのシュノーケリング採集。(写真:飯田碧)(右)小アジの群れが入っていました。

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(左)カニのメガロパ幼生。かっこいい!甲羅の幅は5ミリ位で、5対目の脚は折り畳まれています。種名が分かる方、教えてください!(右)実習船でのプランクトン採集

(updated on 2018.9.23)

ラーマンさん送別会(2018/9/20)

大学院自然科学研究科博士課程のダブルディグリープログラムで1年間臨海実験所に在籍したラーマンさんが、新潟大学での研究期間を終えて母国のバングラディシュに帰国します。臨海実習のすきまをぬって、送別会を行いました。1年前の歓迎会では使えなかった箸もお手の物。刺身も好物になりました。帰国後も博士課程は続きます。がんばってくださいね。(文責:飯田)

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(左)おいしい魚づくしです。(右)学生さんたちからプレゼントも。日本らしい扇子とお箸でした。

(updated on 2018.9.21)

長野大学環境ツーリズム学部「水環境学ゼミナール」 / 公開臨海実習「森里海をつなぐ野外生態学実習」 / 新潟大学個性化科目「森・里・海フィールド実習」(2018/9/9-13)

暑かった夏もあっという間に過ぎ去り、少し肌寒くなってきた今日この頃です。全国各地から17名の学生さんが参加して「森里海実習」を実施しました。この実習は、臨海実験所だけでなく、佐渡にある新潟大学の3施設(農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)、朱鷺・自然再生学研究センター、臨海実験所)が協同して行っています。森里川海の多様性や生態系とそれらのつながりについて学んでもらうことを目的としています。9月になると途端に雨模様の日が増える佐渡。今年も数日前から天気予報をにらんでいましたが、果たしてスタートは雨。最初は里のパートです。まずは実習の基礎となる森里海のつながりと里山の多様性について、外部講師の廣瀬光子先生に講義をしていただきました。雨だと朱鷺は見られないのかなと気にしていましたが、そんなことはなく今年も美しい姿を見せてくれました。翌日も雨。この夏は雨が降らず川はどこも渇水だったので、いいことにして、佐渡の里山について学んでからビオトープで生き物調査をしました。畦を手網ですくうだけで沢山の生物が採れました。午後は、水田脇の水路や、朱鷺の餌を周年確保できるように配慮された水田を見学して、臨海実験所へ移動しました。海のパートでは、定番の灯火採集と磯採集を行いました。班に分かれて採集された全ての種を同定します。種同定に苦戦しつつ、海の生物の多様性を感じてもらえたと思います。実験所横の川へも調査へ行きました。海パートの途中から、予報以上に天気は好転。最後は森のパートです。ここ数年、霧や雨の中のトレッキングだったのですが、今年は絶好の散策日和。見晴らしのいい草原での休憩も気持ちが良かったです。5日間盛りだくさんの内容でしたが、学生のみなさんは生き物やフィールド好きで疲れも見せずに取り組んでいました。佐渡ならではの生態系間のつながりから、自身の生活している地域での生態系への理解が深まってくれたらと思います。髙橋先生、鶴ヶ谷先生、3施設のスタッフのみなさん、お疲れさまでした。また来年もよろしくお願いします。(文責:飯田)

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(左)廣瀬先生の講義。絶滅危惧種って意外とイメージと違うかも?(右)美しいビオトープ。管理されている方の努力の賜物です。 (写真:浦和大学・鶴ヶ谷先生)

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(左)採集をして、岸本先生・満尾先生に生物について解説してもらいました。在来のものに混ざって外来種も…。(写真:北橋隆史)(右)永田先生・中津先生による講義・解説を聞き、朱鷺の生息する水田へ連れて行ってもらいました。まだまだ「普通の鳥」とはいかないですが、年々生息数が増えてきているのを実感しました。(写真:大森紹仁)

snorkelinganimal classification

(左)磯採集。前日までの雨が嘘のようないい天気になりました。(右)分担して、海で採れた生物を全て同定します。この中に何種混ざっているのでしょう?

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(左)川での調査の様子。今回採れた種は、ほぼすべてが海と川を行き来するものでした。島で川の流程の短い佐渡ならではです。(写真:鶴ヶ谷先生)(右)散策し、草原に来ました。草原のできかたについて阿部先生の解説を聞き、しばし自由時間。散策したり寝そべったり、青空の下よい時間でした。(写真:大森紹仁)

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(左)特徴的な形の天然杉が立ち並ぶ林内を散策しました。雪の力はすごいです。(写真:大森紹仁)(右)風衝地。冬季の風があまりにも強いため、木が大きくなれないそうです。(写真:北橋隆史)

(updated on 2018.9.22)

佐渡市立理科教育センター「子どものための科学まつり」(2018/9/16)

アミューズメント佐渡で行われた佐渡市立理科教育センターが主催する「子どものための科学祭り」において、臨海実験所は例年通り科学体験教室にブースを出して、海藻のしおり作りと海の生き物に関するパネルや映像の展示を実施しました。今年も多くの参加者が会場を訪れ、どのブースでも子どもたちが楽しそうに科学を体験していました。我々のブースにも多くの子どもが訪れ、保護者の方も一緒に海藻のしおり作りを楽しんでいました。たくさん海藻を使う子がいる一方で少しだけ使う子がいたり、また海藻の名前に興味を持つ子もいたりと様々な反応を見せてくれました。特産物として海藻が有名な佐渡の子どもたちだけあって、用意されている海藻が食べられるものかどうかという質問も何度か受けました。食べられる海藻は数種類あったのですが、私自身食べられることを知らない海藻もあったため勉強になりました。また、海の生き物の映像も人気でした。これは佐渡の海にすむ様々な魚やウミウシなどの様子を捉えたもので、子どもも保護者の方もモニターの前で足を止めて映像を見ていました。当イベントの参加者は佐渡在住の方がほとんどであったと思いますが、佐渡の海の生き物のことをあらためて知る良い機会になったのではないかと思います。今回の参加を機に、一人でも多くの子どもに海の生き物に興味を持ってもらえれば幸いです。(文責:佐藤)

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海藻のしおりを作製する子どもたち。(写真:飯田碧、大森紹仁)

(updated on 2018.9.21)

早稲田大学高等学院中学理科部佐渡合宿(2018/8/27)

早稲田大学高等学院中学理科部の生徒29名、引率教員4名の皆さんが参加して、臨海実習を行いました。今年は佐渡合宿2年目です。2年生を中心に半分以上の生徒が2年続けて参加して、シュノーケリング採集と海の生物の観察を楽しみました。磯は少し波があったものの、透明度の高い海でゆったりと採集できました。ヒラミルミドリガイやアオウミウシなどいろいろな種類の磯生物を採集し、それらを手に取ったり、写真を撮ったりして、海の生物の多様性を実感していました。来年もまた佐渡合宿に参加して、海洋生物の多様性と佐渡の自然のすばらしさを体感してほしいと思います。(文責:安東)

snorkeling

ゆったりと浅瀬の生物をじっくり観察、採集できました。

(updated on 2018.9.18)

東京慈恵会医科大学ユニット教養ゼミ「海の生物の探索:臨海実習@佐渡島」(2018/8/19-21)

慈恵医科大学の臨海実習を3年ぶりに実施しました。昨年は希望者が少なく、今年は実施しない予定でしたが、ウミウシ好きの学生の声掛けもあり参加者が増えて10名になりました。初日の夜の灯火採集では、イカの子供が獲れました。2日目のシュノーケリング採集は、波がまったくなく絶好のコンディションで生物採集を楽しみました。メジナやイシダイ、フグなどの魚の子供が群れをなして、ゆっくり餌を食べたり、遊泳したりして、平穏な海中での魚の行動をじっくり観察することができました。また、ウニの卵割の様子など、これまで本や写真でしか見たことのない現象を実際に見て、生命現象の神秘さを実感できました。この実習で見たさまざまな生物のつながりを基に“ヒト”を考えてみて、その知識と経験をこれからの勉強に生かしていってほしいと思います。(文責:安東)

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(左)灯火採集で獲れたイカの子供(右)絶好のコンディションでのシュノーケル採集

(updated on 2018.9.18)

東京医科歯科大学「ウニの発生と海産生物の観察実習」(2018/8/16-18)

東京医科歯科大学の臨海実習を4年ぶりに実施しました。前回H28年は台風で中止となり、後日、磯の生物を東京医科歯科大学市川キャンパスまで運んで生物観察を実施しました。今年も低気圧の影響で波が少し高かったため多少プログラムを変更しましたが、ウニの初期発生の観察、灯火採集、プランクトン採集、シュノーケリングによる磯採集と予定していた内容を行いました。磯採集は波に揺られながらという状況でしたが、逆に“波の出るプール”という感じでシュノーケリングを楽しんでいました。複数の学科の学生が交じり合って、にぎやかな実習になりました。(文責:安東)

snorkeling

シュノーケリングによる磯採集

(updated on 2018.9.18)

平成30年度公開臨海実習「海洋生物多様性実習」・新潟大学理学部生物学科「臨海実習Ⅰ」(2018/8/27-9/1)

8月最後の実習は海洋生物の多様性を学ぶ公開臨海実習です。この実習では、他の多くの実習でも行っている磯採集やプランクトン採集に加えて、砂泥底に潜む動物群を採集したり、水深とともに生物相がどのように変わるかを定量的に調べる方形枠調査を行ったりすることで、海の生物の生態と多様性をより深く学びます。また、今年は特別講師として東京大学大気海洋研究所の三宅陽一助教をお招きし、海洋生物のプランクトン幼生の分散に対する海流などの海洋環境の影響について講義をしていただきました。秋雨前線の影響で期間中はすっきりしない天気でしたが、参加した学生さん達は熱心に採集・観察をしていました。期間中に生物スケッチと方形枠調査の両方をまとめて発表するので大変だったと思いますが、実習を通して佐渡の海の豊かさを実感してもらえたのではないでしょうか。(文責:大森)

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(左)三宅先生による講義風景。(写真:飯田碧)(右)いつも以上に透明度の高い海でシュノーケリング採集ができました。

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(左)磯採集で採れた生物を分類群ごとに分けます。上手く分けられたかな?(写真:飯田碧)(右)砂泥海岸での採集。砂泥をザルで篩って生物を選り分けます。

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(左)方形枠調査では枠内の生物数を記録します。見落としが無いよう頑張って!(右)発表の後には恒例の釣り大会です。雨が強まってきたけど釣れるかな?

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結果は大漁!この後のBBQでおいしくいただきました。

(updated on 2018.9.18)

新潟大学理学部 環境生物学野外実習B  (2018/8/22-26)

自然環境プログラムが行っているこの実習は、定番の灯火採集や磯採集に加えて我々が普段はあまり気にしていない海藻の分類も行うので、我々にとっても勉強になります。今年は参加者数が少な目でしたが、一生懸命実習に励んでくれました。今回2日目に青空の下行ったプランクトン採集では、海の透明度が31mという今年の最高値を記録し、午後には磯採集だったので、皆、佐渡のきれいな海を満喫しながらいろいろな動物植物を採集していました。中日は海が荒れたので、終日屋内で押し葉標本作製。海藻の同定もなかなか大変そうです。4日目は、まだ海が荒れて磯に入れないので、方形枠調査の予定を変更して真野湾へドレッジサンプリングに行きました。そちらでもかなり波は入っていましたが、磯での採集とはまた違った生き物が見られることが体験してもらえたと思います。上井先生、宮﨑先生、そしてTAの学生さんたちも、お疲れ様でした。また来年もお待ちしています。(文責:北橋)

plankton samplingsnorkeling

(左)こんなに陸地に近いのに、透明度は31m!(右)磯もとってもきれいでした。

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(左)海藻の押し葉標本づくり。(右)少々波がありましたが、砂浜でのドレッジサンプリングもできました。

(updated on 2018.9.14)

新潟大学オープンキャンパス  (2018/8/9-10)

今年も新潟大学のオープンキャンパスに参加してきました。2日間にわたり臨海実験所の紹介のブースを開き、主に高校生からなんと小学生まで(!)が訪れてくれました。やはり佐渡にある施設で、あまり知られていなかったですが、興味を持ってくれた人がたくさんで個人的にはとても嬉しかったです。将来の臨海実験所メンバーが今回のオープンキャンパスで出会った人の中から出てくれるといいですね!(文責:木戸)

plankton sampling

説明の様子。真剣に聞いてくれて嬉しかったです。(写真:上村佳正)

(updated on 2018.8.24)

大妻女子大学 生物環境保全学ゼミ 臨海実習  (2018/8/8-11)

臨海実習シーズンも半ばに近づいてきました。今年も大妻女子大学の小関先生とゼミ生12名が佐渡へ来てくれました。今年の学生さんたちは例年以上に生物好きのようで、変わった生き物たちを、きもい!でもかわいい!と愛でていました。台風の影響が心配されましたが、予定通り、磯採集と船でのプランクトン採集を行うことができました。最後の釣りでは一人で6匹も釣る名人?もいました。自由時間にも海へ泳ぎに行くなど活動的でしたね。佐渡の海の美しさを満喫してくれたようでよかったです。来年もお待ちしています。(文責:飯田)

nocturnal animal samplingsnorkeling

(左)灯火採集では沢山のクロヘリアメフラシがとれて、みんなの人気者になっていました。(右)マスクとシュノーケルの使い方をならっていざ採集です。

snorkeling samplingplankton sampling

(左)台風の影響もどこへやら。快晴でした。(右)少々波がありましたが、近場でプランクトン採集もできました。

(updated on 2018.8.11)

新潟大学公開講座「高校生対象公開臨海実習」 (2018/8/4-7)

例年8月上旬に開催される高校生対象公開臨海実習を、8月4日~7日に行いました。今年は新潟県内の7つの高校から22名の生徒さんが参加してくれました。実習が始まる前は久しぶりの荒天予報に気をもみましたが、幸い日中に天気が大きく崩れることはなく、2回の磯採集、船を出してのプランクトン採集、灯火採集、ウニの受精と発生の観察、ウミホタルの観察、海藻に潜む生き物の洗い出しと、盛りだくさんの内容をすべてこなすことが出来ました。今年から日程を一日延ばして時間に余裕を持たせたので、採集した生き物やウニの発生をじっくり観察出来たのではないかと思います。生徒の皆さんが海の生き物の多様性を実感し、海産動物の世界に少しでも興味を持ってくれたならうれしいです。実習にご協力いただいた引率の先生方とマリンピア日本海および尖閣湾揚島水族館のスタッフの方々、ありがとうございました。(文責:大森)

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(左)昨年は荒天で出来なかった船からのプランクトン採集も行いました。(右)灯火採集。定番の魚やアメフラシの他にタコも採れていました。(写真:北橋隆史)

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(左)新潟明訓高校・田中先生によるウニの説明。画面に映るウニ殻のピンセットで指している位置に生殖孔があります。(写真:安東宏徳)(右)青く光るウミホタル。貝形虫という節足動物の仲間です。(写真:北橋隆史)

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(左)3日目は良く晴れた磯採集日和になりました。(右)網を持って海藻採集に出発!(写真:北橋隆史)

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採れた海藻から小さな生き物を探してスポイトで吸い取ります。手前には発生が進んだウニの幼生も。

(updated on 2018.8.11)

佐渡市立理科教育センター 磯の生物の生態研修会 (2018/8/3)

こども達の次は、大人達です。今日は佐渡市理科教育センターの佐渡学研修会として、島内の中学校の教員の方々が臨海実験所を訪れました。諸般の事情で欠席者がでて人数的には少なくなりましたが、その分は参加者の熱意でカバーです。例年通りのメニューながら、講義の後のプランクトン採集ではやはり見たことのないものも多数見つかり、海の生き物の多様性を改めて認識させられました。また、好天の下での磯採集では各々がウニや様々な貝、アメフラシなど、いろいろな生き物を捕まえて持ち帰り、実習室で動きや体の作りについて詳しく調べていました。ぜひ、生徒さんたちにもここで学んだ海の生き物とその多様性について伝えていただければと思います。参加者の皆様、理科教育センターの方々、お疲れ様でした。また来年もお待ちしています。(文責:北橋)

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(左)波があるので、船を出すのは諦めて達者湾内でのプランクトン採集となりました。(写真:飯田碧)(右)それでも、最近雨が降らないせいか、湾内にもプランクトンがいっぱい!

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(左)今日も良い天気。波も穏やかでした。(右)こんな動物も採れました。これでもゴカイの仲間です。(写真:飯田碧)

(updated on 2018.8.9)

佐渡市環境対策課 こども環境学習会 磯の生きもの調査 (2018/8/2)

今年は本当に晴れが続きますね。IMBCの翌日は、佐渡市主催のこども環境学習会を行いました。夏休みの小学生たちに海の生き物に親しんでもらう企画です。佐渡の海についての話を聞いて、シュノーケリングでの生き物採集に行きました。澄んだ水の中、カニや巻き貝、ウミウシなどたくさんの動物を採りました。午後は今年初企画の海藻にいる生き物探しをしました。海藻をよく食べる佐渡の子どもたちも生き物がたくさんいるのは予想外だったようで、熱心に探していました。最後は生き物のスケッチをして、みんなの前で発表しました。毎回、子どもさんの観察力に驚かされます。また来年もぜひ参加してくださいね。(文責:飯田)

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(左)穏やかな磯で観察を行いました。水もあたたかく、観察にぴったりの日でした。(右)みんな真剣な表情で海藻についている生き物を探しています。たくさんの小さな巻き貝やゴカイなどが採れました。(写真:大森紹仁)

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最後はみんなの前で観察した生き物と特徴を発表しました。(写真:大森紹仁)

(updated on 2018.8.9)

高崎経済大学附属高校 臨海実習 (2018/7/25-27)

群馬県から高校2年生30名と先生2名がはるばる佐渡まで来てくれました。校外活動を行ってきている生徒さんたちだけあって、終始活動的に実習に取り組んでいました。灯火採集では今期初のハナタツ(タツノオトシゴ)も採れました。磯採集も大盛り上がりで、カニやアメフラシなどを採っていましたね。海の生物って面白いなと思ってもらえたならうれしいです。(文責:飯田)

sea haresea urchin

(左)採集した生物の解説中にアメフラシが紫汁をはきました!歓声が上がってました。(右)一人一人ムラサキウニから精子・卵子を取り出して、顕微鏡で発生過程を観察しました。

snorkeling samplingclassification

(左)磯採集。芋洗い状態ですね。ここのところの暑さで水温も高めだったようです。(右)磯採集で採れた生き物を分類してもらいました。巻き貝とヤドカリは別の動物門ですよ。(写真:大森紹仁)

(updated on 2018.8.9)

シーサンパンナ熱帯植物園 さくらサイエンスプログラム実習「日本海地域の多様な生態系とその保全について学ぶ」
SAKURA Exchange Program in Science “Learning about the biodiversity and the conservation of the Sea of Japan area” (2018/7/24)

新潟大学理学部附属臨海実験所では、国内だけでなく海外からの実習の受け入れも行っています。本日は中国シーサンパンナ熱帯植物園より10名の学生さんと引率の先生が実習に訪れました。何名かはトラブルで日本到着が遅れたために、早朝に佐渡入りしてすぐの実習となってしまいましたが、皆さん長旅の疲れも見せず、同行した農学部佐渡ステーション(演習林)の教員、TAの皆様とともに、元気いっぱいにシュノーケリングによる磯採集を楽しんでいました。きれいなウミウシや変わった動きのホシムシ、クモヒトデなど、内陸のシーサンパンナでは見られない海の生き物を間近で観察することで、海の生き物の多様性を感じ取ってもらえたのではないかと思います。
SMBS accepts practical courses not only for Japanese but for foreign participants. Today, students and a teacher from Xishuangbanna Tropical Botanical Garden, Chinese Academy of Science, joined a practical marine biology course at SMBS. Although some participants had just arrived Sado Island early in the morning, they were all in high spirits, and enjoyed animal collection by snorkeling. We believe that the participants realized the diversity of marine life by observing a large variety of marine animals, such as beautiful sea slugs, curious peanut worms, and brittle stars with interesting movements.
(文責:大森)

snorkelinganimal observation

(左)天気も良く波も穏やかで、絶好のシュノーケリング日よりでした。(右)採集された変わった海の生き物に皆さん興味津々でした。

(updated on 2018.8.9)

新潟大学理学部理学科 総合力アクティブ・ラーニング (フィールド系) 佐渡海洋生物観察実習 (2018/7/21?22)

放送大学の翌々日から、理学科1年生向けの実習を行いました。この実習では、臨海実習の定番の生物観察も行いますが、フィールド科学に興味のある1年生に、海での調査法や生物の特徴の調べ方を学んでもらうことを目的としています。実習船アイビス2000に乗船して、まるで湖の様に静かな海を進み、透明度の測定とプランクトン採集を行いました。透明度は19 mでした。夜には灯火採集も行いました。簡単な採集で多様な生物が採集できることを実感してもらえたようでした。最後は結果をまとめて考察し発表を行いました。学生さんたちはとても目がよく、生物の特徴をとらえた観察をしてくれました。大学に入学して3ヵ月、今回の実習をこれからの学習に活かしてもらえればと思います。(文責:飯田)

visibility checkplankton sampling

(左)透明度を観測しています。まったく波がありませんね。(右)プランクトン採集。

nocturnal animal samplingpresentation

(左)灯火採集。小さな生物も見逃さずに採集していました。(写真:大森紹仁)(右)発表会ではたくさん質問も出ました。(写真:大森紹仁)

(updated on 2018.7.24)

放送大学 面接授業 (2018/7/17?19)

暑い日が続きますが、今回は放送大学さんが佐渡にやってきました。これは、放送大学で行っている面接授業で、本臨海実験所での開催は平成25年度以来となります。幅広い年齢層の皆さんですが、すぐに打ち解けて、和気あいあいでウニの発生観察やプランクトン採集、シュノーケリングでの磯採集など短い実習期間に詰め込まれたメニューをこなしていきます。さすが全国各地からやってくるだけあって受講生の皆さんはとても熱心で、講義でも実習中でもすぐに質問が飛んできました。連日の好天のおかげで予定していた内容はすべて実施できましたし、佐渡の海での生き物とのふれあいから、多くを学んでいただけたものと思います。来年以降もよろしくお願いいたします。(文責:北橋)

sea urchinlecture

(左)ウニの人工授精を各人で行います。まずは採卵・採精の方法説明から。(写真:大森紹仁)(右)座学の講義もしっかりと。(写真:飯田碧)

plankton samplingobservation

(左)快晴の空の下、実習船でのプランクトン採集です。(右)顕微鏡を使って、ウニ胚やプランクトンを観察します。(写真:大森紹仁)

plancton samplingclassification

(左)磯採集。いいものが見つかったでしょうか?(右)初日に受精させたウニ胚の姿が、短い間にずいぶんと変化するのは驚きです。(写真:大森紹仁)

(updated on 2018.7.19)

新潟大学理学部理学科 系統動物学 (2018/7/9?12)

今年の佐渡は例年より2, 3週間も早く梅雨明けしました。この時期には珍しい快晴のなか、理学部理学科2年生向けに系統動物学の集中講義を行いました。カイメンから始まり魚などの脊索動物までの約30門を4日間で勉強するので受講するのも大変だと思いますが、まとめて話を聞くと動物門のつながりを理解しやすかったのではと思っています。生き物にくわしい学生さんも多かったですね。ほとんど座学で物足りないと思った方は、ぜひ臨海実習にも参加してください。(文責:飯田)

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(左)大森先生による講義の様子。珍しい動物の衝撃映像に歓声が上がっていましたね。(右)私は主に脱皮動物を担当しました。(写真:大森紹仁)

plancton samplingclassification

(左)とてもいい天気でプランクトン採集日和でした。大雨のあとのせいか、珍しいプランクトンも採れました。(右)自分たちで磯で採集してきた動物を使って系統樹をつくります。それはこっちと同じ門だよ、違うんじゃない、とみんなで相談しながらにぎやかに取り組んでくれました。(写真:大森紹仁)

(updated on 2018.7.14)

東邦大学理学部 野外生態学実習I (2018/7/2?6)

急に暑くなってきたこの頃ですが、ついに今年度の臨海実習シーズンの幕開けです。実は、春からずっと、本臨海実験所は全館の給排水設備の改修工事を行っていました。それにともなって浴室がシャワーブースに変わり、屋外シャワーが全部温水になったりと、実習生にとっての実験所の使い勝手もいろいろと良くなりました。特にシャワーの温水化は、まだ水温の上がりきっていないこの時期には嬉しいですね。さて、いかにも夏らしい鏡のように穏やかな日本海を渡り、東邦大学理学部2年生のみなさんがやってきました。引率教員は、ちょうど一月前にも佐渡の演習林に実習にやってきた長谷川雅美教授です。この実習では、生物多様性と環境多様性とのつながりを実感してもらうことを念頭に、定番のシュノーケリングや灯火採集などに加えて、波打ち際付近での生物の帯状分布を調べたり、実験所そばの達者川を河口から歩いて遡りながら河川や周辺の環境を観察したりといった活動を行いました。例年そうなのですが、魚好き、虫好き、ハ虫類好き、とにかく生き物好きが多いのが東邦大学実習の特徴です。実習期間中に台風の通過が予想されたため天候を眺めつつ一部プログラム内容や順番を変更しながらの実施でしたが、佐渡の生き物と自然から沢山の学びを得てくれたものと思います。みなさま、お疲れ様でした。(文責:北橋)

zonationfish

(左)港内のスロープでの、帯状分布調査。(右)そのうち魚捕りが始まって…。

sea hareidentification

(左)大物ゲット!この時期はアメフラシがそこかしこで見つかります。(右)採集した生物の同定作業。

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(左)ミズムシの一種。フナムシやダンゴムシの仲間になります。(右)達者川での環境観察。

(updated on 2018.7.7)

東邦大学理学部 野外生態学実習II (2018/5/28?6/1)

寒い季節が終わり、トビシマカンゾウも咲き誇っています。今年度最初の実習として、農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)主催の東邦大学の実習に、協力教員とオブザーバーとして参加してきました。この実習は、新潟大学の演習林内を流れる川の上中下流で調査を行い、水生昆虫の分布に関わる要因を明らかにしながら、佐渡島の生物や生態系の特徴を理解してもらうことを目的としています。まずは河川の上流へ行き、実習生のみなさんに班ごとに調査定点を決めてもらいました。水温、流速、藻類などの環境項目を測定し、水生昆虫を採集します。これまでは上中下流の間の移動は車だったのですが、今回は、流域の変化や植物観察のため、上流から下流まで歩いて降りてきました。植物の観察にもちょうどよい時期でした。丸1日の野外での調査後は、採集してきた水生昆虫の同定です。朱鷺・自然再生学研究センターの岸本先生の講義の後、黙々と作業していましたが、例年通り生き物好きの学生さんたちばかりで、同定も早かったですね。翌日は、食物網における水生昆虫の位置を確認してもらうべく、河川の下流で魚類の採集を行い、一部の胃内容物を観察しました。予想よりも昆虫の姿が分かる状態で胃の中から出てきました。3つの河川に行ったところ、採集された魚類の種類や個体数に違いがありました。河川環境と生物の分布の関係性について理解してもらえたのではと思います。この実習の特徴は、実習班ごとに、水生昆虫の分布に影響する要因について仮説を立てて、統計解析、考察して発表してもらうことです。学生さんたちは野外での観察で気づいたことや図鑑の情報などを基にがんばって仮説を考えていました。仮説とはなにか?という長谷川先生の講義も勉強になったのではないでしょうか。最終日には班ごとに成果を発表をして、無事に5日間の日程を終了しました。長谷川先生、TAさん、新潟大のスタッフのみなさん、お疲れさまでした。(文責:飯田)

measurementnice weather

(左)上流での調査の様子。河床の石の大きさを計測中。(右)いい天気で調査日和でした。

plant watchingdown stream

(左)川沿いを歩きながら植物観察。同じ杉でも本州と佐渡では形態に差があるそうです。(右)下流での調査風景。上流とはうって変わって開けています。

group discussionpresentation

(左)考察を班員で相談。データとにらめっこです。(右)最後は発表です。

(updated on 2018.6.7)

歓送迎会(2018/3/20)

春の実習が終わると、いよいよ今年度も終わりです。臨海実験所で卒論、修論をまとめた伊藤くんの送別会と、来年度から実験所へ来る浅田くんの歓迎会を行いました。伊藤くん、新天地での研究、がんばってくださいね。(文責:飯田)

group picturepresent

(左)みんなで鍋を囲みました。(右)学生さんたちからプレゼントもありました。

(updated on 2018.3.22)

新潟大学 佐渡3施設合同学生発表会 (2018/2/24)

公開臨海実習があったりして報告が遅くなりましたが、先月末には、佐渡にある新潟大学3施設(臨海実験所、農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション 演習林、朱鷺・自然再生学研究センター)が合同で佐渡3施設合同学生発表会を行いました。それぞれの施設に所属する学生たちがこの1年もしくは2年の間に頑張った研究の結果を発表するこの会ですが、今年はトキ交流会館大ホールを会場に大勢の市民の方々に参加いただき、とても盛況の会となりました。参加者からの質問もたくさん出て、一般市民の方々に我々の活動をより知ってもらういい機会になったと思います。今後とも新潟大の佐渡3施設を応援よろしくお願いします。(文責:北橋)

presentation

会場からの鋭い質問にも、しっかり返答

(updated on 2018.3.22)

公開臨海実習 生理生態学コース(2018/3/5-9)

長かった冬ももう終わり次第に春めいた日も増えてくるこの時期恒例の、春佐渡公開臨海実習。ですが、実習初日には例年よりも厳しかった冬を思い出したかのように強風が吹き、実習開始前からカーフェリーがなかなか両津港に着岸できないというトラブルに見舞われました。そんなこんなでスケジュールが多少変更になったりはしましたが、首都圏や関西圏からはるばるやってきた学生たちはモチベーションも高く、新潟大学の学生と一緒に、予定の実験や観察をしっかりこなしてくれました。今年の実習ではウニの初期発生と魚の光環境適応についての実験を行ったので、それに関連して、真鶴町立遠藤貝類博物館から小渕正美博士に、棘皮動物、特にウミシダの分類と生活史についての特別講演もしてもらいました。いつもとは少し方向性が違い、磯で泳がないでホルモンや化学物質を扱ったりする本実習ですが、これはこれで楽しんでもらえたかと思います。これをきっかけに、生理学や発生学についてもっと興味を持ってくれるといいですね。(文責:北橋)

embryo collectionsea urchin embryos

(左)顕微鏡で観察するために、ウニの胚をそっと集めます(写真:飯田碧)(右)ちゃんと元気に育ってますね!

akamebaruakamebaru

(左)さて、どの魚のウロコだったでしょうか?(右)拡大してみると、実にカラフルですね

feather star talkstudent presentation

(左)ウミシダには、種の中に体色のバリエーションがあるそうです(写真:飯田碧)(右)最後の発表会も、皆さん堂々としてました

(updated on 2018.3.13)

内海府中学校「海府の魚」研修会(11/13)

すっかり寒くなりました。おけさ柿や鰤など美味しいものの多い時季です。寒ブリシーズンも到来ですね。毎年12月には寒ブリがたくさんあがる鷲崎漁港で「寒ぶり大漁まつり」が開催されています。佐渡市立内海府中学校の生徒さんたちはそこでボランティアガイドとしてブリや魚の紹介をしています。その際の参考になればと「海府の魚」研修会として、佐渡の魚の紹介をしてきました。毎年安房田先生が講師をつとめていたもので、今年から私が引き継ぎました。ブリの生態や、マグロなど佐渡で見られる魚について紹介して、今年は大学紹介も行いました。生徒さんからも先生方からもたくさんの質問が出て、みなさんの関心の高さがうかがえました。海にも魚にもくわしいみなさんでしたが、何かの参考になればうれしいです。(文責:飯田)

Uchikaihu junior high school

すてきな校舎です。

(updated on 2017.11.15)

新潟大学佐渡3施設合同フォーラム(11/11)

佐渡島には3つの新潟大学の研究施設があります(農学部附属フィールド科学教育研究センター、研究推進機構朱鷺・自然再生学研究センター、そして当臨海実験所)。先週末の土曜日、これらの3施設で行っている研究内容を佐渡島民に広く知ってもらうため、潟上温泉そばにあるトキ交流会館にて「森里海を探求しよう」と銘打った合同フォーラムを開催しました(チラシPDF)。また、佐渡中等教育学校と佐渡総合高等学校の生徒さん達も、彼らが佐渡を盛り上げるために頑張っている環境保全や地域づくりの活動について発表してくれました。どれも新鮮で面白かったのですが、特にそれぞれの企画がどのように作成されたのかについての話が興味深かったです。さらに沖縄科学技術大学院大学からアリ研究者の吉村正志さんをお招きして、現在進めている美ら海プロジェクトについて話していただきました。非常に大きなプロジェクトで、特に地域の方々といかに一体になってプロジェクトを進めているかというポイントをとりわけ興味深く聞かせていただきました。今すぐ佐渡で同じようにできるわけではないと思いますが、将来に向けて参考になりました。フォーラムにはたくさんの島民の方々が参加され、交流セッションも含めて様々な質問、ご意見をいただきました。いつものことながら、島の皆さんの熱意には頭が下がります。今後とも新潟大学の佐渡3施設をよろしくお願いいたします。(文責:北橋)

Exhibition

交流セッションの様子。それぞれの施設のブースに、研究に関するサンプルや調査器具も展示して見てもらいました。(写真:大森紹仁)

(updated on 2017.11.15)

佐渡市環境フェア2017(11/5)

11月5日にアミューズメント佐渡にて開催された佐渡市環境フェア2017において、臨海実験所と佐渡の海の生き物を紹介する展示ブースを出展しました。ブースには、実験所の活動紹介ポスターや佐渡の海で撮影した生物の映像のほかに、臨海実験所周辺で採集した魚やエビなどと私が研究で使っている佐渡産ニッポンウミシダを入れた飼育水槽を展示しました。魚やエビは見慣れていてもウミシダを見たことのある方はほとんどいなかったようで、来場してくれた方の多くがその変わった形と予想外によく動くことに驚いていました。佐渡の海にはウミシダ以外にも面白い無脊椎動物がたくさんいますので、今回のフェアをきっかけに、少しでも多くの方が佐渡の海の生き物に目を向けてくれればと思います。(文責:大森)

Exhibition

展示ブースでの解説の様子。普段見慣れない海の動物に長時間見入る方もいらっしゃいました。(写真:飯田碧)

(updated on 2017.11.7)

新人歓迎会(10/24)

この秋から、臨海実験所にはバングラデシュから新しい仲間が2人加わりました。Double Degree Programで1年間研究を行う博士課程2年のラーマンさんと、来年度の博士課程入学を予定している修士研究生のルーハンさんです。安東研究室で学ぶ2人を歓迎して、昨日は近くの料理屋さんで昼食会を開きました。今までにも増して、実験所に活気が出てきましたね。佐渡臨海実験所にようこそ。これからよろしく!(文責:北橋)

Lunch party

刺し身はあまり経験がないと言っていましたが、何事もトライです!

(updated on 2017.10.25)

早稲田大学高等学院中学理科部佐渡合宿(8/28)

早稲田大学高等学院中学理科部の生徒18名、引率教員3名の皆さんが参加して、臨海実習を行いました。この佐渡合宿は今回初めての企画です。半日の実習でしたので、少し忙しいスケジュールでしたが、磯の生物の採集と観察を行いました。皆生き生きとして、シュノーケリングでの磯採集を楽しんでいました。クロヘリアメフラシやシロウミウシなど、いろいろな種類の動物を採集し、またそれらの写真を撮っていました。また、夜には真野湾でウミホタルを採集したり、姫津でアジ釣りをしたりと、佐渡の豊かな海洋生態系を十分満喫した合宿になったと思います。来年以降も継続して、海洋生物の多様性と佐渡の自然の素晴らしさを学ぶ機会にしてほしいと思います。(文責:安東)

SnorkelingSnorkeling

波もなく絶好のコンデションでじっくり観察、採集できました。

(updated on 2017.10.15)

東京コミュニケーションアート専門学校臨海実習(9/16~19)

今夏の実習シーズンのラストは東京コミュニケーションアート専門学校の臨海実習です。今回は4名のドルフィントレーナーの卵たちが参加してくれました。台風接近で一時は開催が危ぶまれましたが、実習2日目の午前中までは波も穏やかで、磯採集、ウミホタル採集、灯火採集、釣り採集、プランクトン採集と、盛りだくさんに予定されていた野外活動をほぼすべて行うことが出来ました。3日目は台風一過で気持ちの良い晴天。午前中は波が高く外には出られなかったので、ウニの発生観察と前日までに採れた生き物の分類を行い、普段あまり見る機会の無い生き物たちをじっくり観察してもらいました。午後には波もだいぶ治まり、達者漁港内での魚類採集も出来ました。終わってみれば当初の予定以上に様々な野外活動ができ、とても充実した実習になったのではないかと思います。参加してくれた皆さん、ありがとうございました。ぜひこの実習で得た知識と経験を将来に生かしてくださいね。(文責:大森)

Plankton samplingSnorkeling

(左)姫津漁港でのプランクトン採集。港の中ではイカも見られました。(右)流石はドルフィントレーナーの卵!素潜りも難なくこなします。(写真:北橋隆史)

Sea urchin fertilizationFish sampling

(左)ウニ目線でウニの産卵観察。生殖シーズンは終わりに近いですが、しっかり卵を産んでくれました。(写真:北橋隆史)(右)台風一過の晴天の中での魚類採集。大きな網で魚を狙います。(写真:北橋隆史)

(updated on 2017.9.29)

佐渡市 子供のための科学祭り 科学体験教室 (9/17)

臨海実験所は、今年もアミューズメント佐渡にて開催された科学体験教室に参加してきました。例年通り、私達のブースでは海藻の押し葉標本でしおりを作る遊びを行いました。当日は午後から若干の雨が降り出し、浮かない天気となってしまいましたが大勢のお客様にお越し頂きました。臨海実験所のコーナーも大盛況となり、たくさん用意した海藻は体験教室が終わる頃には残り僅かとなっていました。子どもたちの作る海藻のしおりはとてもカラフルで、丁寧かつ大胆で、個性的でした。少なめの海藻でシンプルな模様を作る子や、多様な海藻を全体に散らし綺麗な模様を作る子など、様々な作り方で私達の興味を引き付けました。そして何より、皆さんに楽しそうにしおりを作って頂くことができ、私達にとっても楽しくて刺激のある1日となりました。今日のこの体験教室が、少しでも子どもたちの思い出に残ると良いなと思います。会場に足を運んで頂いた皆さん、主催の佐渡市立理科教育センターの皆さん、アミューズメント佐渡の係員の皆さん、有難うございました!(文責:上村)

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海藻を紙の上に並べる作業。どんな模様を作るのか楽しみです。(写真:飯田碧)

(updated on 2017.9.22)

International Marine Biology Course 2017 (9/11-14)

そろそろ朝夕は秋風を感じる頃になってきて、夏の実習シーズンももう少しですね。9月11日からは、国際臨海実習 International Marine Biology Courseを行いました。今年が初めての開催となる、多国籍の参加者を迎えて英語で行われるこの実習ですが、嬉しいことにベトナム、マレーシア、台湾、そして香港の4カ国から、大学2年生からMBBSをとったお医者さんの卵まで、教員を含め16名がはるばる佐渡を訪れてくれました。生物学の知識はあまりない学生から海洋生態学の研究室に所属する大学院生までいましたが、やはり佐渡のきれいな海で泳いだり採集したりして、実際に生き物に触れる機会は貴重な体験になったようで、休憩時間でも採集した生き物を興味深そうに観察していました。また、ハノイ国立教育大学のTran Duc Hau講師とモナッシュ大学マレーシア校の小川諭および守屋彰悟上級講師の3人には、それぞれ専門分野での特別講義をしていただきました。最後はグループごとに動物門を1つ選んでの個人/グループ発表で、こちらも感心させられる堂々とした発表を全員が見せてくれました。そして、夜はもちろん恒例のバーベキューパーティーです。話題はそれぞれの大学のことから政治のことまで色々と飛びましたが、夜遅くまで盛り上がりました。国もバックグラウンドも異なる学生が参加してくれましたが、実験所での生活や実習活動、グループ討論を一緒に行うなかで、佐渡の海洋生物の多様性を学びつつ仲良くなって楽しんでもらえたようです。なにより、他大学の学生との交流はお互いにいい刺激になったと思います。 来年度も、この実習に多くの外国の学生さんに参加してもらえる事を期待しています。また、せっかくの機会ですので、日本人の学生さんにも次回はぜひもっと参加してもらえたらと思っています。実際に使ってみると、英語でのコミュニケーションのハードルは思っていたよりも高くないし、なにより楽しいですよ! (文責:北橋)

This year, SMBS organized the first International Marine Biology Course (IMBC2017) from 11th September to 14th September. For the event, we had 16 students and invited lecturers from Vietnam, Malaysia, Hong Kong, and Taiwan. Although the participants ranged from sophomore to graduates who had obtained MBBS, swimming in the beautiful sea of Sado, finding a variety of marine animals, and observing them in detail would be new experiences and valuable for all participants. We also had special lectures given by Dr. Tran Duc Hau (Hanoi National University of Education, Vietnam), Dr. Satoshi Ogawa, and Dr. Shogo Moriya (Monash University Malaysia, Malaysia). At the end of the course, each group gave a presentation of specific features of a selected phylum. Each group member further introduced a particular species in the selected phylum using his/her own drawing of the species. We were very much impressed by their excellent presentations. At the final night of the event, we had a BBQ party and enjoyed chatting until late night. It was great fun! We hope we will have as many participants in the IMBC next year. Hopefully, we will also have more Japanese participants, as this is a good opportunity for them to learn marine biology in English and to make foreign friends from different cultural backgrounds. (Takashi KITAHSHI)

Nocturnal animal samplingDrawing competition

(左)灯火採集で採れたのは何でしょうか?(右)Hauさんによる講義での海洋生物お絵かき競争

Group discussionGroup presentation

(左)夜までグループ討論が続きます(右)グループプレゼンテーション(写真:飯田碧)

PartyGold mine

(左)最後の夜は、バーベキュー!(右)一部は追加で一日佐渡に残って、金山に行ったりもしました(写真:飯田碧)

(updated on 2017.9.21)

長野大学環境ツーリズム学部「水環境ゼミナール」・公開臨海実習「森里海をつなぐ野外生態学実習」・新潟大学個性化科目「森・里・海フィールド実習」(9/5-9)

今年は全国的に冷夏だったようですね。佐渡は少し涼しい程度でしたが、例年以上に雨が多いようでした。そのなか、森・里・海のつながりと多様性をみてもらう実習を行いました。この実習は臨海実験所だけでなく、佐渡にある新潟大学の他の2施設、朱鷺・自然再生学研究センターおよび農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)と協同で行っています。今年も全国から19名の学生さんが参加してくれました。まずは長野大学の高橋先生から実習のテーマである森里海のつながりについての講義です。里のパートでは、雨のため予定していた水田での生物採集を変更しましたが、水田そばの水路での観察と採集を行いました。水路の形態によって生物の棲みやすさに違いがあることが分かってもらえたのではと思います。朱鷺センターの永田先生から朱鷺についての講義を受けて、朱鷺のくらしやすい環境に向けた取り組みが行われている田んぼを見学しました。海のパートでは灯火採集と磯採集を行って、班ごとに種同定をし、海洋生物の多様性を見てもらえたと思います。川での採集も行いました。最後は森です。演習林内の巨大な天然杉やそれとは対照的な人工林、佐渡の強い風の影響をみられる風衝地を観察しました。最後は一枚岩である大野亀で植生観察をして、両津港で解散しました。5日間にぎゅっと詰まった行程で実習生のみなさんは大変だったと思うのですが、沢山の質問をしたり、一生懸命に課題に取り組んだりと高いモチベーションでがんばっていました。ぜひこの後も身近な自然の多様性や環境間の相互作用について関心を持ち続けてもらえればと思います。高橋先生、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。また来年もよろしくお願いします。(文責:飯田)

SadogaeruCanals

(左)サドガエル(左)の観察もしました。かわいいですね。ちなみに右はニホンアマガエルです。(写真:大森紹仁)(右) 水路で生物採集をして、満尾先生と岸本先生から生き物の説明を聞きました。同じ水路でも形態によってずいぶんいる種が違います。

Crested ibisSnorkeling

(左)佐渡の野外にはすでに200羽以上の朱鷺がいます。とはいえ、いる場所は限られているので佐渡に住んでいてもなかなか見る機会はありません。実習では今回も見ることができました!(写真:大森紹仁)(右) 磯採集の風景。あいにくの小雨でしたが、海水温は高めで寒くはなかったようです。(写真:北橋隆史)

IdentificationRiver sampling

(左)海で採集した生き物全ての種名を、皆んなで分担して調べました。(右) 臨海実験所そばの川での採集。短時間で色々な魚やカニ、水生昆虫が捕れました。(写真:大森紹仁)

ForestNatural cedar

(左)演習林では、はじめに菅先生から林業の現状と人工林の特徴について説明を受けました。杉がまっすぐですね。(右)大きな天然杉のある演習林内をトレッキング。雪と冬の強風によってここの杉は人工林とは全く違う形になっています。

(updated on 2017.9.17)

シンポジウム 魚・棘皮動物・放散虫のかたち(9/2)

公開臨海実習・海洋生物学コースに引き続き、毎年恒例となった、新潟大学コア・ステーション 形の科学研究センター主催のシンポジウムを臨海実験所にて行いました。海に限ったことではないですが、生物の形は興味深いものが多いですね。まずは、1月に大阪に異動された安房田先生が、佐渡の魚と棘皮動物について紹介しました。研究の少ない日本海ではまだまだ新種となりそうな生物が多いようです。続いて臨海実験所の大森先生から棘皮動物であるウミシダの分類について、地質科学科の椎野先生、東洋大の吉野先生、産総研の伊藤さんからは放散虫の形についての発表がありました。最後は松岡先生から今年新潟で開催される国際放散虫研究集会と最新の研究内容について紹介がありました。個人的には、地質年代を決める方法(最も特徴をよく表す地点を全世界的に検討して決定する)がとても面白かったです。放散虫はプランクトン採集の常連なのですが、まだまだ知らないことだらけだと再認識しました。参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。(文責:飯田)

Shiino

椎野先生の発表の様子。放散虫に表と裏はあるのか?小さい体ながら複雑な構造です!

(updated on 2017.9.17)

公開臨海実習「海洋生物学コース【海洋生物多様性実習】」・新潟大学理学部生物学科「臨海実習I」・新潟大学「先端臨海実習」 (8/28-9/2)

8月最後の実習は、夏のメインイベントの1つ、5泊6日の公開臨海実習「海洋生物学コース」です。北は岩手から南は大阪まで、全国の13大学から18名が参加してくれました。この実習は新潟大学理学部生対象の臨海実習との合同開催なのですが、さらに今年は新潟大学の大学院生対象の「先端臨海実習」も加わり、合計32名の大所帯となりました。また、昨年末をもって大阪市立大学へ転出された安房田智司先生を特別講師としてお呼びし、シクリッドやカジカといった魚類の繁殖戦略についての講義をしていただきました。ノルマのスケッチが多いので大変だったとは思いますが、生き物をじっくり観察して海の生物多様性と環境への適応などを深く学んでもらえたと思います。波が少し荒くて船でのプランクトン採集が港の岸壁からの採集になってしまった以外、真野湾の砂浜でのドレッジ調査や離れた磯での方形枠調査も含めてほぼ予定通りのメニューをこなすことができました。公開臨海実習は、この海洋生物学コース以外にも「森里海の連携学コース」と「生理生態学コース」も開催しています。良ければまたお友達を誘ってそれらのコースにも参加してみてください。お待ちしています。(文責:北橋)

SnorkelingAwata lecture

(左)シュノーケリングで磯採集。でも魚を追いかけてばかりいちゃダメですよ(写真:大森紹仁)(右)安房田先生による特別講義。面白い話でしたね(写真:飯田碧)

Dredgeshioronamako

(左)砂浜でのドレッジ採集。何かいいものが採れましたか?(右)シロナマコだ!!(写真:大森紹仁)

QuadratSampling

(左)方形枠調査。岸からの距離や水深で棲んでいる生き物が変わることを確かめます(右)方形枠の中の生き物を全部回収して種同定します。(写真:大森紹仁)

Kokeginpoblue sky

(左)オオヘビガイの殻からは、かわいいコケギンポが顔を出していました(右)晴れ間も少しのぞいて、ちょっとホッとしました。(写真:安房田智司)

IdentificationSunset

(左)グループで協力して、持ち帰った生き物を全部調べます。(右)最終日は夕日が綺麗でした。(写真:安房田智司)

(updated on 2017.9.16)

自然環境科学科 環境生物学野外実習B(8/21-25)

今年度は何かと実習に悪天候が重なることが多いような気がします。今回の新潟大学自然環境科学科の実習でも、2日目からは雨で3日目以降は海も荒れるとの予報でした。何と言っても臨海実習は自然が相手、天候はどうしようもありません。しかし、幸い2日目までは予報に反していい天気で、気持ちよく灯火採集とシュノーケリングをして、たくさんのフレリトゲアメフラシや小さなかわいいミノウミウシをはじめとして、かなりの生き物を採集できました。シュノーケリングの時には、小アジがたくさん磯に入ってきていましたね。3日目も、波が高くて船は出せなかったものの、予定していたプランクトン採集は近くの港で雨が降る前に無事終了。それにしても、普段の実習では動物ばかり見ていますが、海藻もずいぶんといろんな種類がいて、しかも同定が難しいなあと、引率の上井先生の説明を聞いて実感しました。宮﨑先生も、我々では見逃してしまいそうなごくごく小さな動物を目ざとく見つけて紹介してくれ、色々と勉強になりました。今回の実習では海藻や動物のスケッチや同定ノルマがそれなりにあったので、採集できた生物を観察する時間が長く取れたとポジティブに考えましょう。宮﨑先生、上井先生、TAのみなさん、お疲れ様でした。(文責:北橋)

LectureNocturnal animal sampling

(左)採集前に、まずはどんな生き物が見られるのかお勉強。(右)日が落ちるのがだんだん早くなって来ました。暗いので、足元に気をつけて。(写真:飯田碧)

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(左)目の前を小アジの群れが泳いでいきます。ウミタナゴもいますね。(右)採った生き物を、皆んなでグループ分け。(写真:飯田碧)

SeaweedsPlankton sampling

(左)この実習では、海藻の同定と押し葉標本作りも大きなウェイトを占めます。(右)港内で、竹竿を使って2人一組でのプランクトン採集。(写真:飯田碧)

(updated on 2017.8.27)

大妻大学 生物環境保全学ゼミ 臨海実習(8/9-8/12)

高校生公開臨海実習に引き続き、大妻女子大の学生さんを対象とした実習を行いました。小関先生のゼミ生12名が東京から佐渡まで来てくれました。普段は都心の大学に通うみなさんは、なかなか生物に触れる機会が少ないのではと思います。色々な海洋生物を観察して、生物の多様性を肌で感じてもらうことを一つの目的にしています。おっかなびっくりでカニに触る人から、趣味で釣りをしています、島出身で潜れますという人まで色々でしたね。アメフラシも人気者でした。去年に続き、今年も大妻女子大の学生さんたちのチームワークは抜群でした。ぜひ身近な自然にも今まで以上に目を向けてもらえればと思います。また来年もお待ちしています!(文責:飯田)

Nocturnal animal samplingsnorkeling

(左)日が暮れてきたところで灯火採集から実習開始です。(右)海洋生物の講義のあと、磯採集に行きました。台風後で水は少し冷たかったものの水も澄んで磯採集日和でした。

horse mackerelgrouping

(左)小アジの群れもいました。(写真:大森紹仁)(右)磯で採集してきた生物を動物門ごとに分類しました。(写真:大森紹仁)

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(左)じっくり観察してスケッチ。みなさん上手でした。(右)ウミホタル採集に行きました。星もきれいに見えていますね。(写真:大森紹仁)

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(左)3日目はあいにくのどんよりした天気でしたが、船でプランクトン採集に行きました。(右)夕方には明るくなり釣り大会です。キュウセン、コモンフグなどに加え、カンパチなど大物も釣れました!

(updated on 2017.8.13)

高校生対象公開臨海実習(8/7-8/9)

すっかり夏休みですね。臨海実験所は実習シーズン真っ盛りです。今週は、マリンピア日本海、尖閣湾あげしま水族館のスタッフのみなさんにもご協力いただき、高校生対象公開臨海実習を実施しました。台風が直撃する予報となり前の週から心配していましたが、予定を少し変更して無事に行うことができました。県内の高校生に加えて、引率の先生方や他都県からもたくさんの方が参加してくれました。ありがとうございました。写真を見ていただければ分かる通り、実験所の収容人数一杯の参加者です。最初は緊張気味だった生徒のみなさんも、時間が経つと打ち解けて楽しく過ごしてくれたようでした。2泊3日で、磯採集、灯火採集、ウミホタルの観察、プランクトン採集、ウニの受精と発生観察と盛りだくさんの内容でした。今回は、引率の先生方にも説明でご協力いただきました。とても忙しい日程でしたが、普段教科書でしか触れることのない色々な生物を観察するいい機会になったのではないでしょうか。スタッフのみなさん、引率の先生方お疲れさまでした。(文責:飯田)

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(左)いいもの採れたかな?(写真:北橋隆史)(右)マリンピア日本海の鈴木さんによる生物の分類の説明。(写真:加藤陽一郎)

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(左)斎藤先生による磯生物の説明。(写真:加藤陽一郎)(右)伊藤先生による磯生物の分類。みんな熱心に聞いています。(写真:加藤陽一郎)

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(左)みんなが灯火採集をしている間にウミホタルを採集してきてもらいました。マリンピアスタッフによる紹介です。みなさんウミホタルがどんな生き物か知っていますか?(右)台風の影響で風が強かったので、プランクトン採集は船ではなく岸から行いました。(写真:北橋隆史)

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(左)山崎先生、石澤先生に顕微鏡の使い方を習って、採集してきたプランクトンを観察しました。(右)間島先生にウニの発生の説明を聞いて、一人一つずつウニから卵または精子をとりだし、受精させて、初期発生の様子を観察しました。(写真:北橋隆史)

(updated on 2017.8.12)

佐渡市立理科教育センター「磯の生物の生態研修会」(8/4)

例年夏休みの時期に行われる佐渡市内の小中学校の先生を対象にした研修会が、今年も8月4日に開催されました。穏やかな晴天の中、午前中は船でプランクトン採集へ。透明度約24mの佐渡ブルーの海を堪能しつつ、その中に潜むプランクトンを採集・観察しました。午後のシュノーケル採集はいつもと趣向を変えて船で対岸のこばまに渡って行うことに。陸路が無く、あまり人が入らないこばまは生物の宝庫。普段理科を教えている先生方だけあって、あまり見かけない珍しい生き物も見つけてくれました。参加していただいた先生方、ありがとうございました。ぜひ、今回の研修で得た知識を生かして、佐渡の海の生き物の面白さを児童生徒に伝えていってください。(文責:大森)

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(左)船に乗って沖合いへ。波も穏やかで最高の海日和でした。(右)プランクトン観察の秘密兵器登場!スマホでばっちり写真が撮れていました。

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(左)シロガヤ(真ん中の白い枝状のもの)とチゴケムシ(左上の方にたくさん見える赤い房状のもの)。こんな形ですが、どちらもれっきとした動物です。(右)臨海実験所周辺の海ではとても珍しいハナイロウミウシ。本来はもっと南の方にすむウミウシですが、暖流に乗ってやってきたようです。

(updated on 2017.8.10)

こども環境学習会(7/30)

7月30日に佐渡市環境対策課主催のこども環境学習会が開催されました。雨予報が外れて絶好の磯採集日和。波も穏やかで、シュノーケル初心者の児童のみなさんも安心して磯採集ができ、色々な種類の生き物が採れました。部屋に戻ってからの海藻押し葉標本作りや採れた生き物のグループ分けも楽しそうに参加してくれて、指導する側も嬉しくなりました。参加してくれたみなさんも佐渡の海の生き物のことが好きになってくれたかな?是非また参加してくださいね。(文責:大森)

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(左)今日は絶好の海日和!でも海に入る前の確認は欠かせません。(写真:佐渡市環境対策課)(右)みんなで手分けして採った動物を特徴ごとにグループ分けします。(写真:北橋隆史)

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(左)好きな動物を選んでスケッチ。この後発表会があるので図鑑で特徴も調べます。(右)自分の描いた生き物についてみんなの前で発表します。みなさんとても良く描けていました。(写真:北橋隆史)

(updated on 2017.8.4)

東京コミュニケーションアート専門学校(TCA) 臨海実習(7/25-28)

7月23日から24日朝にかけて佐渡では50年ぶりと言われる大雨が降り、目の前の川は驚くほど増水し海もドロ濁り。そんな状況で、予定している内容が行えるのか、不安いっぱいの開始でした。ところが、さすが佐渡。初日の岸壁採集はさすがにまだ少し濁っていましたが、2日目の午前のプランクトン採集を終える頃には、磯採集地点はきれいに澄んだ潮に戻り、予定していたシュノーケリングを気持ちいい晴天のもとで行うことができました。しかも、かなり絶望していたウミホタルまで、ダメ元で採集に行ったらちゃんと採れ、きれいに光るところを観察できました!やはり諦めないことが肝心ですね。きっと皆さんの日頃の行いが良かったのでしょう。なかなか得難い体験をしてもらえたのではないでしょうか。夜は夜で、佐渡の星空を眺めたり皆んなでゲームをやったりと、楽しんでもらえたようです。また、他の機会にも佐渡にあそびにきてくださいね!(文責:北橋)

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(左)港の外で、透明度測定。さすがにいつものように20m以上という訳にはいきませんが、それでも15mありました。(右)夜は星空がきれいでした。流れ星も。(写真:大森紹仁)

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(左)行くぜシュノーケリング!!(写真:大森紹仁)(右)佐渡の海は本当にきれいです。

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(左)ちょっと冷えたので、岩の上で日向ぼっこ。(右)青白く光るウミホタル。幻想的です。(写真:大森紹仁)

(updated on 2017.8.4)

新潟大学 理学部 理学科 総合力アクティブラーニング(フィールド系)佐渡海洋生物観察実習(7/22-7/23)

新潟大学理学部は、今年度の入学生から、これまでの学科単位ではなく理学科1つになりました。入学後は2年生の前期までで基礎的な学習をし、2年生の後期からそれぞれのプログラムに配属されます。1年生は、大学での学習方法を学んだり、自ら学ぶことを身につけるアクティブラーニング(AL)を履修します。それぞれの興味に応じて色々なALがある中、フィールドでの勉強・研究に関心のある学生さん対象のフィールド系ALの一環で、9名の学生が佐渡での実習に参加しました。ALということで、ただ採集して観察ではなく、その生物の生態や形態を、採集された環境や方法からも考察してもらうことをねらいとしました。2日しかない実習の中、雲行きが怪しく、外に出られるのか心配しましたが、予定していたプランクトン採集と岸壁での生物採集を実施できました。翌日からは記録的豪雨となったので、ラッキーでしたね。短い時間の中、生物を観察して本で調べてまとめて、発表もしてもらいました。みなさんなかなかよく観察していましたよ。自分で調べるという高校までとは少し違う大学での学習を身につける助けになっているといいなと思っています。外に出る時間がもっとほしかったと思った方は、ぜひ臨海実習でまた佐渡に来てくださいね。(文責:飯田)

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(左)波がありましたが、船での調査は好評でした。(右)プランクトンを採集しています。参加したみなさんはプランクトンの生態的特徴はもう分かりますね。(写真:大森紹仁)

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(左)夜には雨になることが予想されたので、灯火ではなく昼間の採集です。夜とはまた違った生き物が採れました。(写真:大森紹仁)(右)調べてスケッチして発表もしました。どうやって生物を調べるかも学んでもらえたと思います。

(updated on 2017.8.4)

臨海実験所歓迎会(7/18)

佐渡もすっかり夏になりました。実習の合間に、7月に着任された大森先生、技能補佐員の本間さん、サンフランシスコ州立大からウミタナゴの研究のため1ヵ月の予定で滞在中のMichael Izumiyamaくんの歓迎会をしました。美味しいお刺身に舌鼓を打ちつつ、佐渡での生活や食べ物など色々な話題で盛り上がりました。(文責:飯田)

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食事の前にパチリ。

(updated on 2017.7.20)

新潟大学理学部生物学科 系統動物学(7/10-7/13)

7月早々の豪雨から一週間、海の濁りもようやく落ち着いた佐渡島に、新潟大学理学部生物学科2年の学生さんが系統動物学の集中講義のため来島しました。飯田先生による講義では、動画や実際の生き物の観察も交えつつ、滅多に見られない珍しい動物から皆さんおなじみの貝や魚まで様々な動物が進化の道筋に沿って紹介されました。講義の合間には船に乗ってのプランクトン採集やシュノーケリングによる磯採集も行い、講義で習った動物がどのような生き物なのかを実感できるよう工夫されていました。新米の私も学生さんと一緒に参加。久々の講義と佐渡島の多様な生き物を楽しみました。学生のみなさん、長時間の聴講お疲れさまでした。来年の臨海実習でまた会いましょう!(文責:大森)

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(左)飯田先生による講義風景。皆さん熱心に聞いています。(右)プランクトン採集。採れた生き物を瓶に移して持ち帰ります。

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(左)シュノーケリングによる磯採集。いいもの採れたかな?(写真:安東宏徳)(右)持ち帰った生き物はケースに入れて観察・スケッチします。講義を思い出しながら特徴を描いていきます。(写真:飯田碧)

(updated on 2017.7.20)

東邦大学 理学部 生物学科 野外生態学実習Ⅰ(7/3-7/7)

今年度の磯採集を伴う実習のトップを飾るのは東邦大学。長谷川雅美先生に率いられて総勢28人の2年生が臨海実習にやってきました。佐渡には珍しく、梅雨前線が停滞して台風まで来るかもというなかなか不安な状況でしたが、なんとか初日雨がひどくなる前に岸壁でのタモ網採集を行うことができました。2日目は雨のせいで当初予定していた磯採集を後半に延期して、代わりに岸壁採集で集まったいろいろな魚を一匹ずつ丁寧に観察しながらスケッチし、それぞれ図鑑を参考に同定するという作業を行いました。いつもはなかなかそこまで詳しく観察する時間がとれないのですが、どのような形態的特徴が種同定のキーポイントになるのかのいい勉強になったと思います。3日目は隣の姫津港でのプランクトン採集/海藻の付着生物採集、そして午後にはそれに磯採集を行いました。幸い時折晴れ間ものぞくお天気となり、大きなアメフラシやかわいらしいウミウシを筆頭にいろいろな生物を捕まえることができました。四日目は自由研究。カサガイの種類ごとの分布と環境条件との関係など、班ごとにテーマを決めて調査を行い、最終日に班ごとに発表しました。なかなか想定していたようなデータを出すことは難しかったようですが、調査方法も自分たちで考えたので、研究の難しさ、楽しさを少し味わえたと思います。3年生でもまた佐渡での実習に参加してください。待ってます。(文責:北橋)

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(左)まだ明るいですが、雨がひどくなる前に岸壁でのタモ網採集(右)図鑑と首っ引きで自分たちのスケッチした魚を同定します(写真:飯田碧)

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(左)船が出せないので、漁港内でのプランクトン採集(右)こちらは、海藻にくっついたり隠れたりしている生き物探し(写真:大森紹仁)

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(左)アメフラシ版ウロボロス(実際は4匹で交尾しています。雌雄同体のアメフラシによるこのような交尾形態は、連鎖交尾といいます)(右)自由研究の様子。貝類の分布調査でしょうか?(写真:大森紹仁)

(updated on 2017.7.20)

東邦大学 理学部 野外生態学実習II(2017 5/29-6/2)

佐渡は藤の花が終わり、トビシマカンゾウが美しい季節です。今年度一つ目の実習として、東邦大の野外生態学実習IIを行いました。主催は農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)です。私たち臨海実験所の教員は外部講師およびオブザーバーとして参加してきました。調査の方法を学ぶため、臨海実験所と演習林の学生さんも参加しました。この実習は、演習林内を流れる河川での野外調査を通して、水生昆虫の分布に関わる環境要因を考え、仮説検証してもらうことを目的としています。今回の東邦大の実習生5名は珍しく全員女子学生でした。初日に、朱鷺・自然再生学研究センターの岸本先生による水生昆虫の同定の講義を聞き、実際に見本のサンプルを分類しました。まだこの時点では検索表や図鑑とにらめっこです。その後、演習林の「佐渡ゼミ」として、東邦大の長谷川雅美先生による「伊豆諸島はおもしろい―火山島の生物たち」という講演もありました。島々の成り立ちや生物の変異についての興味深いお話でした。市民の方もたくさんいらしていましたね。翌日から演習林内を流れる川で調査をしました。上・中・下流で環境データの測定と水生生物の採集をします。調査日和のいい天気で暑いくらいでした。帰ってから演習林の阿部先生による佐渡島の自然環境についての講義を聴き、夜はさっそく採ってきた昆虫たちの同定です。たくさんのサンプルを見ているとだんだんと目が慣れてきますね。翌日も野外調査をして、仮説を何度も考えて、結果をまとめて統計解析し、4日目にはみんなの前で発表しました。毎年この実習は内容が濃く、学生さんは大変だったと思いますが、きっとみなさんの今後に役立つと思います。スタッフのみなさん、TAさん、お疲れさまでした。(文責:飯田)

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(左)岸本先生による水生昆虫の講義。(右)長谷川先生の特別講義。伊豆諸島は琉球列島などに比べて研究例が多くはないようですが、とても面白いところだということがよく分かりました。(右写真:演習林・阿部先生)

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(左)上流での調査風景。北橋先生がイワナも捕まえました。(右)佐渡の川だとこれでも中流です。まだまだ上流っぽい景色です。

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(左)がんばってたくさんの水生昆虫を同定中。(右)ある種のカゲロウ幼虫を上下逆さまに見ると…なんとパンダに見える!学生さんの発見です。(右写真:北橋隆史)

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(左)下流にくると開けています。(写真:北橋隆史)(右)演習林の菅先生による統計とRの講義。統計ってなんだっけ?というところからみんながんばっていましたね。

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長谷川先生からの課題と自分たちで立てた仮説を検証して発表しました。

(updated on 2017.6.5)

新人歓迎会(2017 5/16)

少し前になりますが、今年度、臨海実験所へやってきた4年生2人の歓迎会をしました。持田屋さんの魚はおいしく、話も大いに盛り上がりました。ぜひ佐渡での生活と研究を楽しんでくださいね。とりまとめのM2の二人、ありがとう。(文責:飯田)

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食べてしまったあとですが。はいチーズ。

(updated on 2017.6.5)

五十嵐くん送別会(2017 3/17)

2016年度も終わりが近づいてきましたが、先日、この春に修士課程を終了して就職で実験所を離れる五十嵐くんの送別会を行いました。所内でいろいろな手料理を準備し、実験所のメンバーだけでなく研究などでお世話になった方々もお呼びしての盛大な会となりました。もちろん、今年から大阪市立大学へ異動された安房田先生もサンプル採集などを兼ねて駆けつけてくれました。楽しい会の中では、皆んなからのメッセージ色紙の贈呈に続いて、学生たちからも、料理好きの五十嵐くんがこれからもいろんな料理にチャレンジできるように、立派な包丁がプレゼントされました。五十嵐くん、東京でも活躍されることを祈っています!またいつでも遊びに来てくださいね。(文責:北橋)

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(左)実験所の食堂に一同集合です。(写真:安房田智司)(右)スペイン料理をメインに、いろいろな手料理がテーブルに並びました。

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(左)学生からのプレゼント贈呈(右)大事に使ってくださいね(写真:安房田智司)

(updated on 2017.3.27)

公開臨海実習 生理生態学コース(2017 3/6-10)

冬もそろそろ終わりが見え夏が恋しくなってくる3月初頭、臨海実験所では春の公開臨海実習を開催しました。近畿地方や東北地方も含めた4大学から6人が応募し、海を渡って佐渡まではるばるやってきてくれました。夏の実習とは違い、この実習のメインテーマは魚類の環境適応メカニズムを調べる実験です。1つは、光環境に適応するための体色調節。周りの光環境に合わせて皮膚の色素胞細胞が変化して実際に体色変化が起こる様子を確かめ、さらに神経伝達物質やホルモンによるその調節を調べました。色素胞の種類やホルモンの種類・濃度による反応の違いから、実際に体色が変化する際に体の中で起こる複雑な色素胞調節メカニズムの一端を見てもらいました。2つ目は、キンギョを用いたストレス応答反応。キンギョにグループごとに思い思いのストレスをかけ、血液を採取して、血漿中のコルチゾル濃度の変化を抗体を使ったELISA法を用いて定量しました。この定量実験では、マイクロピペットでのサンプル操作のちょっとした違いがいかに定量結果のばらつきとなって現れるかに驚いた人もいたようです。また、東京海洋大学の神尾道也先生をお招きして特別講義を行っていただいたのですが、アメフラシのインクによる化学防御についてのお話は非常に興味深く、我々にとってもとても勉強になりました。実習でのアメフラシ説明ネタがたくさん増えました。そして、最後にはグループごとの研究発表。限られた時間の中で、皆んな頑張ってデータをまとめて発表資料を作り、なかなかしっかりとしたプレゼンを行ってくれました。参加人数は多くありませんでしたが、その分お互いに仲良くなれたのではないでしょうか。実習後には全員でそろって金鉱山の見学にも行ったようです。また夏の公開臨海実習にも、ぜひお友達を誘って参加してください!(文責:北橋)

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(左)海藻の押し葉標本作り。すわ新種発見!かと思ったのですが…。(写真:下谷豊和)(右)神尾先生によるアメフラシの化学防御についての特別講義(写真:飯田碧)

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(左)メダカのウロコ。3種類の色素胞細胞があるのが分かりますか?(右)キンギョが入ったバケツの水をかき回す。ちゃんと魚はストレスを感じているでしょうか?(写真:飯田碧)

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(左)真剣なピペット操作。正確な操作が良いデータを得る必須条件です。(右)実験結果の発表会。ちょっと緊張気味?(写真:下谷豊和)

(updated on 2017.3.13)

2017.3.3 新潟大学 佐渡3施設合同学生発表会(2/28)

修論や卒論が一段落した2月末、佐渡に3つある新潟大学の施設(農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション 演習林、朱鷺・自然再生学研究センター、臨海実験所)は合同で学生の研究発表会を開催しました。計10名の学生さんたちが、森林の生態から里地の動物、そして魚の繁殖まで、様々な内容の発表をしてくれました。普段聞く機会の少ない分類群や研究対象の話でもあり、理解するのに1テンポかかることもありましたが、新鮮で面白い内容ばかりでした。質疑にも熱が入っていましたね。これからも3施設で協力し、佐渡での研究を盛り上げていきたいと思います。(文責:飯田)

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(左)演習林の学生さんによるユキツバキの研究発表。(右)五十嵐くんによるカジカ科魚類の研究発表。(写真:下谷豊和)

2016.9.23 佐渡市子どものための科学祭り(9/18)

先日、アミューズメント佐渡で行われた「子どものための科学祭り」において、臨海実験所は例年通りパネルの展示と海藻押し葉標本の作製を実施しました。私は、展示の準備や子どもたちの海藻押し葉標本の作りの手伝いとして参加することになったのですが、実際のところこれまでに海藻押し葉標本を作製した経験がなく、子どもたちにしっかりと標本の作り方を教えることができるか不安でした。しかしながら、私が標本の作り方を教えた子も他の子と同じように楽しんで標本作製を行なっており、自分の役割を果たせているようだったので安心しました。私が想像していたよりも多くの子どもがこのイベントに参加しており、海藻で絵を描こうとする子やほとんど1種類の海藻で標本を作成する子、じっくりと時間をかけて几帳面に海藻を並べる子など、子どもたちごとに個性が出ていてとても面白かったです。また、パネルの展示や海の生き物の映像の公開も行っていたのですが、こちらは主に保護者の方々に人気だったように感じます。普段なかなか見ることのできないような海の生き物の映像や、コブダイについての説明などが記載されているパネルに多くの方が関心を持っていました。1時間半という非常に短い時間ではありましたが、今回のイベントが子どもたちの心に残り、これから少しでも海の生き物のことを考えるきっかけになったら良いなと思います。(文責:佐藤)

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(左)開場前の様子。海藻押し葉標本を作成するテーブルとパネルが準備されています。(右)開場待ちの子どもたち。多くの子どもたちが今回のイベントに参加していました。(写真:安房田先生)

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(左)標本にする海藻を選ぶ様子。(写真:飯田先生)(右)海藻を自由に並べる子どもたち。(写真:安房田先生)

2016.9.23 佐渡高校 海洋実習(9/12)

佐渡高校の生徒12名、保護者1名、校長先生を始めとした教員6名の皆さんが参加して、海洋実習を行いました。半日の実習でしたので、少し忙しいスケジュールでしたが、磯の生物の採集と観察を行いました。生徒の皆さんは、始めは少し緊張気味でしたが、磯に行くと皆生き生きとして、シュノーケリングや箱メガネでの採集を楽しんでいました。カニを20匹位捕まえていましたよ。また、先生方もこれまで見たことのないへんな磯の生き物を目にして、興味深々という様子でした。海洋生物の多様性を十分実感してもらえた半日だったと思います。(文責:安東)

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波もなくじっくり観察、採集できました。(写真:飯田碧)

2016.9.15 長野大学環境ツーリズム学部「水環境ゼミナール」・公開臨海実習「森里海をつなぐ野外生態学実習」・新潟大学個性化科目「森・里・海フィールド実習」(9/6-9/10)

 いつの間にかすっかり秋ですね。先日、森里海実習を行いました。この3つを合同した実習は、新潟大学の佐渡3施設を活用し、森・里・川・海のつながりを学んでもらおうというプログラムです。台風や秋雨前線を心配しながらの実習となりましたが、無事に予定通り進めることができました。今年も北は北海道から南は鹿児島まで、全国から総勢30名が参加してくれました。まずは長野大学環境ツーリズム学部の高橋大輔先生による森里海のつながりに関する講義です。実習の背景となる内容について、オイカワやマダラヤンマ、サケの研究データを交えて、とても面白く話してくださいました。個人的にはトンボが水以外の場所にも産卵することに驚きました。里から始まるこの実習、初日の夕方には朱鷺・自然再生学研究センターの永田先生の解説つきでトキが見られ、幸先のよいスタートです。
 2日目は、キセン城にあるビオトープに行き、水生生物の採集をしました。たった2分間でたくさんの昆虫やその他の生物が採集され、ビオトープの生物量の豊かさを実感しました。午後は永田先生からトキについての講義を聴き、トキの棲める水田作りの現場を見学して、田んぼの持ち主の方のご厚意で、佐渡の固有種サドガエルを採集・観察しました。観察後は元の場所に返すのですが、かわいいサドガエルに学生さんたちは夢中でした。
 夕方には臨海実験所へ移動して海のパートです。定番の灯火採集と、3日目には磯採集をしました。この実習では採集された生物の種名を班ごとに調べる課題がありました。苦労しながらも体の構造をじっくり確認して同定していましたね。
 4日目には農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーションへ移動して、演習林内へ入りました。あいにくの雨でしたが、演習林の阿部先生によると、演習林の目玉である天然スギは晴れよりも霧雨の時が美しいとのこと。雨具を着て幻想的なスギの天然林をトレッキングしました。この雨や霧が樹木の生長に欠かせないことが体感できたのではと思います。風が非常に強く、植物にとって厳しい環境である風衝地を見学して、佐渡の自然についての講義を聴き、最終日は巨大な一枚岩の大野亀を散策して両津港で解散しました。5日間で佐渡島の北半分を周るこの実習はかなりハードですが、実習生のみなさんは、常に好奇心旺盛で、熱心に取り組んでいました。これからも身近な自然に興味を持ち、勉強を続けてもらえればと思います。高橋先生、3施設の先生方、スタッフの方々、お疲れさまでした。また来年もよろしくお願いします。(文責:飯田)

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(左)長野大学の高橋先生による講義の様子。トンボの保全にため池などの水環境だけでなく樹木が重要という興味深い内容でした。(右)朱鷺・自然再生学研究センターの岸本先生の説明を聞いて、ビオトープで生物を採集しました。その場で分類もしました。(写真:安房田智司)

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(左)広々とした田んぼの横で永田先生から魚道の説明を受けます。魚道をのぞき込む一同。(写真:下谷豊和)(右)左はヤマアカガエル、右はかわいいサドガエル。

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(左)磯採集もしました。(写真:安房田智司)(右)海の中も秋になってきているようです。磯採集では変わり種のアメフラシたちが採れました。(写真:下谷豊和)

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(左)臨海実験所そばの達者川での採集。今回は雨の直後のせいか、ずいぶん沢山の生物が採れました。(右)演習林内で佐渡ステーションの菅先生から人工林と日本の林業の現状の説明を受けました。(写真:安房田智司)

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(左)阿部先生、菅先生の解説を聞きながら針広混合林のトレッキングをしました。人工林とは全く様相が違いますね。(右)風衝地です。冬は風速計が壊れるほどの強風だとか。そのため植物は垂直にのびることができず、地を這うように生長します。(写真:安房田智司)

2016.9.26 新潟大学理学部地質科学科 海洋生物学実験(9/4-6)

夏の実習も残すところあと少しになりましたが、今回は新潟大学の松岡先生の率いる地質科学科の2年生達が臨海実験所にやってきました。初日は大佐渡をぐるりと回って野外での地質観察などを行って夕方に到着したため、臨海での活動はガイダンスのみでしたが、2日目は朝の講義後にさっそく海に入っての磯生物の採集です。波も穏やかで、晴れ渡った空の下、気持ちよくシュノーケリングを行うことができました。磯から上がると、今度は採集した動物の分類作業です。捕まえた動物たちを用意されたバットに一匹づつグループに分けていきます。意外といろいろな動物門の生き物が磯採集で捕まえられることが分かってもらえたでしょうか。3日目はプランクトン採集が予定されていましたが、外に出た途端にわかに強風と横殴りの雨が…。それでも濡れて滑る足元に気をつけながら代わる代わる岸からネットを投げ、なんとかプランクトン採集を終えると、その途端に雨はピタリと止んで…。まあ、こんな天気の日もあるでしょう。しかしながら、雨にも負けず一生懸命採ってきたプランクトンを、学生さんたちはしっかりと観察していました。お昼ご飯の後はさらに佐渡島内で地層観察などを行ってから新潟に戻った地質科学科の皆さんですが、卒業研究などでもぜひ佐渡にいらしてください。(文責:北橋)

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(左)初日夕方のガイダンス。非常に暑い一日だったので、みんな野外活動で疲れ気味?(右)磯採集前には安全チェックを完璧に。(写真:安房田智司)

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気持ち良い青空が広がります。(写真:安房田智司)

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翌日、打って変わって土砂降りの中でのプランクトン採集。雨具を持たずにビショビショになる人も。

2016.9.15 新潟大学コア・ステーション 形の科学研究センター シンポジウム「放散虫・魚・樹木のかたち」(9/3)

毎年恒例となりました形の科学研究センターのシンポジウムを臨海実験所で開催しました。当初は両津にあるあいぽーと佐渡で開催しようと計画していたのですが、よくよく調べてみるとその日は佐渡国際トライアスロン大会の日程と丸かぶりです。おとなしく実験所で開催しました。松岡篤先生の開会の挨拶から始まり、前半は常連となった伊藤剛さん、吉野隆先生、岸本直子先生、松岡篤先生の化石、数学、物理、海、宇宙まで壮大なお話でした。毎年毎年アップデートされた研究内容を聞くことができるのでとても興味深く、自分の分野外の話でもすんなり頭に入ってきます。後半は今年初めて参加される3名の先生方、そして臨海からは飯田先生が発表しました。理学部自然環境科学科の藤村衡至先生はポリプテルスという魚を材料に肺/鰾についての進化発生学的研究を、総合研究大学院の寺井洋平先生は最新の遺伝子技術を用いたシクリッドとマカクの種分化についての研究を、農学部演習林の本間航介先生は樹木のクローナル成長様式についてお話してくださいました。飯田先生は川と海を回遊するハゼの仔魚の形態と生態について発表しました。私は今回は発表がなかったので気楽に聞いていたのですが、どの研究内容も興味深いもので、初めて聞く話にワクワクしました。予定していた時間を全て消化し、尽きない質問は懇親会に持ち越されました。次回のシンポジウムも楽しみです。(文責:安房田)

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寺井先生によるシクリッドの視覚と種分化のお話。私自身久しぶりにお会いできて感激しました。

2016.9.15 東京医科歯科大学臨海実習"Marine Biology in English"(8/31-9/3)

8/31~9/1に東京医科歯科大学の実習”Marine Biology in English”を開催しました。台風が接近しており当初は中止になるのではと不安に思いましたが、多少の予定の変更はあったものの磯採集や灯下採集を無事に行うことができました。灯下採集では普段取れないようなウミケムシやウミウシ、ガザミの仲間など珍しい生き物が採れました。ボートに乗船してのプランクトン採集はできませんでしたが、岸壁からのプランクトン採集ができ、いつもとは異なる生物が採れました。はじめて磯の生き物を触る人も多く、海の不思議さ、面白さを存分に味わえたことと思います。本実習の特徴は、外国人の教員を講師として招き、実習を全て英語で行うことです。今年はベトナムからHau先生が学生を連れて来てくれました。生物の勉強とともに、英語でどのように物事を伝えるか、ということも勉強できる実習でした。英語が不慣れな人も得意な人も一緒になってコミュニケーションをとっていました。ベトナムの学生も海の生き物に興味津々で、初めて見る生き物を手に乗せたり、丁寧にスケッチをしたりしていました。最後は各々が調べた海の生きものをスケッチとともに英語で発表しました。実習を通して、海の生き物を学ぶだけでなく、国境を越えての異文化交流やコミュニケーションを行えた素晴らしい実習だったと思います。(文責:伊藤)

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初めて見る生き物にみんな興味津々です。(写真:安東先生)

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(左)磯採集の様子。(右)Hau先生の講義。(写真:飯田先生)

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(左)発表の様子。みんな真剣に聞いています。(写真:飯田先生)(右)初めて見るクモヒトデとアメフラシを手にのせるベトナム人実習生。

2016.8.31 新潟大学理学部生物学科臨海実習I・公開臨海実習 海洋生物学コース(8/22-8/27)

この実習は、数ある実習の中でも最も日数の多いハードで中身の濃い実習です。今年は中身同様に「濃い」メンバーが参加してくれました。例年では、新潟大学理学部生物学科の3年生を中心に公開臨海実習生が混ざる場合が多いのですが、今年は北海道大学、東洋大学、法政大学、早稲田大学、横浜市立大学、学習院大学、富山大学、東海大学、静岡大学とたくさんの大学から学生が訪れ、1、2年生が半数以上となりました。また、外部講師として、水産研究・教育機構増養殖研究所の須藤竜介先生に特別講義を行っていただきました。近年絶滅が危惧され、生態や養殖の研究が著しいウナギに関しての講義でした。熱帯ウナギと温帯ウナギの掛けあわせの話や、雄性ホルモンが回遊に影響していること、給餌方法の工夫など、実際に飼育研究をしている方でないと分からないような内容をお話ししてくれました。須藤先生、お忙しい中、興味深い講義をしていただき本当にありがとうございました。実習では、灯火採集やシュノーケリング、ドレッジ採集、プランクトンネットなど様々な方法で多様な動物門の生物が採集できました。普段目にすることのない珍しい動物も見つかり、1、2年生も3年生に負けないくらいの熱意で、夜遅くまで観察やスケッチをしていました。大学間の交流も随所で見受けられ、自然だけでなく他大学の学生と接することで多様な考えが醸成されていったように感じられました。台風の接近による天気の不安がありましたが、「これまでで一番きれいな星空を見ることができた」、「本当に海が綺麗で癒やされた」、といった声も聞くことができ、佐渡の美しい自然を体感できたようでした。他大学の皆さん、別のコースの公開臨海実習への参加もお待ちしています。生物学科の皆さん、研究や旅行でまた佐渡の自然に触れに来てくださいね。また違う体験がありますよ!!(文責:五十嵐)

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(左)外部講師の須藤先生の海とウナギへの愛を感じる講義の様子。(写真:安房田先生)(右)真野湾にある砂浜海岸でのドレッジ採集の様子。(写真:北橋先生)

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ドレッジ採集で採れたバイ、ツメタガイ、サナダユムシ(の吻)。(写真:北橋先生)

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晴れた日の美しい佐渡の海での生物の帯状分布調査の様子。(写真:北橋先生)

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(左)初対面の他大学の学生同士で、協力して調査結果をまとめていました。(写真:北橋先生)(右)皆さん熱心に、生き物を観察、スケッチしていました。(写真:飯田先生)

2016.8.29 新潟大学理学部自然環境科学科「環境生物学野外実習B」(8/16-8/20)

8月16日~20日は自然環境科学科の臨海実習でした。今回は海藻を専門とされている上井先生に加え、海産無脊椎動物を専門とされている宮崎先生も実習に参加されました。宮崎先生の授業では海の動物の多様性についてのお話があり、海は「へんな動物」の宝庫であることを学びました。そして、授業で習った珍無腸動物をプラクトンネットで実際に採集し、観察することができました。実際の珍渦虫は、プニプニしていて、授業で聞くのと実際見るのはまた違うと感じました。シュノーケリングでは、青く澄んだ海を気持ちよさそうに泳ぐ魚たち、波に揺られる色とりどりの海藻など、目の前に広がる景色に感動を覚えました。動物では、魚やウニ、ヒトデなどに加えて、アメフラシやウミウシなど多くの軟体動物が採集されました。海藻では、ノコギリモク、オオバモクなどのどでかいホンダワラの仲間やツルアラメなど約50種の海藻を見つけることができました。今まで知らなかった海藻について一つずつ学び、ゆっくりマイペースに水槽内を這う軟体動物に癒されながら、佐渡での実習を堪能しました。今回の参加者は、私以外は全員男の子で、生物に馴染みのない人もいたようですが、実際に生き物を採集したり、タツノオトシゴを観察したり、海藻の名前当てをしたりと、普段目にすることのない生き物と触れ合えたことが、貴重な経験になったのではないかと思います。(文責:自然環境科学科 本間由莉)

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上井先生による海藻の同定についての説明。

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採集した海藻。いろんな形や色をした海藻がありました。

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方形枠調査中。波もなく、調査しやすい日でした。

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軟体動物集めてみました!(一部)かわいいです。

2016.8.17 新潟大学オープンキャンパス(8/9-8/10)

新潟大学のオープンキャンパスに参加し、臨海実験所について高校生に紹介してきました。来年度の平成29年4月から新潟大学理学部のプログラム及び入試制度が変更となり、臨海実験所はこれまでの「生物学科」に加えて、新設される「フィールド科学人材育成プログラム」の講義も担当することになります。この「フィールド科学人材育成プログラム」とは、理学部と農学部の教員が協働で授業や実習を担当する新しい学部横断型プログラムで、海洋・気象学、地形・地質学、生態・森林再生・保全学および防災学にまたがる多彩なフィールド科学分野の講義および実習を行います。この新たなプログラム発足の第一回目のオープンキャンパスということで、暑い中県内外から興味をもった多くの高校生が会場に来てくれました。参加してくれた高校生は主に1、2年生で、まだ大学に入ってどのような分野に進むか決めていない生徒もいましたが、自然や生き物が好きだ、フィールド(野外)調査をやってみたい、という生徒が多く、ポスター展示や私たちの説明に真剣に耳を傾けてくれました。また、魚や海洋生物にとても興味があり、臨海実験所目当てで来てくれる生徒もいて、ビデオから流れるクサフグやアヤアナハゼの産卵シーンに釘付けでした。2日間を通して、たくさんの生徒に佐渡島や臨海実験所の魅力を感じていただけたのではないでしょうか。将来、臨海実験所に何人来てくれるか楽しみです。スタッフ・学生一同、心よりお待ちしております!(文責:小黒)

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来年度から新設される「フィールド科学人材育成プログラム」の会場。理学部棟だけでなく、農学部棟にも同プログラムの会場を設けたので、多くの生徒に見ていただけたと思います。

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ポスター展示&説明の様子。生徒だけでなく、親御さんも熱心です。(左の写真:伊藤岳)

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佐渡の生物の紹介やクサフグ・アヤアナハゼの産卵、実習の様子などを映像で見ていただきました。卒業生の西山さんのぬいぐるみも大人気。

2016.8.17 新潟大学公開講座 高校生対象公開臨海実習(8/8-8/10)

毎年恒例の新潟県内高校生対象公開臨海実習を開催しました。昨年度から新潟大学の公開講座となり参加人数もぐっと増えたのですが、今年は講義室に溢れんばかりの人数となりました。高校の先生も加えると50名に迫る参加者。いつも盛りだくさんの実習内容について、教える側と生徒の振り分け、スケジュール組には臨海教員も大変頭を悩ましました。幸い天気は良く、予定通りに実習を進めることができました。全国的に暑いですが、朝晩の気温が少し下がったでしょうか。新潟の秋は確実に近づいてきています。一方で海はまだまだ暖かく、スズメダイの雄が熱心に子育てしていますし、トビヌメリの雄も雌にちょっかいを出している様子です。脱線しましたが、大人数の中実習を無事に終えることができました。引率の先生方のそれぞれの興味によって、生徒への課題も異なり、夜遅くまで課題をこなしている生徒もいました。また、三年生は受験勉強もしていました。おそらく、臨海実験所で受験勉強した生徒は初めてではないでしょうか。志望校合格お祈りしています。マリンピア日本海、揚島遊園のスタッフ、引率の先生がたお疲れ様でした。またお会いできるのを楽しみにしております。(文責:安房田)

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(左)マリンピア日本海の鈴木さんによるマスクとシュノーケルの使い方講習。(右)赤いマジックと黒いマジック。アカメバルとクロメバルといったところでしょうか。

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(左)姫津での灯火採集。少し◯◯写真的です。。。(写真:加藤陽一郎先生)(右)北橋先生による動物の説明。(写真:飯田碧)

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(左)安東先生による顕微鏡の説明。(右)新潟明訓高校の間島先生によるウニの発生観察の説明。

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(左)みんなの人気者、タツノオトシゴ。(右)珍しいハクセンミノウミウシ。(写真:加藤陽一郎先生)

2016.8.17 大妻女子大学 家政学部 ライフデザイン学科 生物環境保全学ゼミ(8/4-8/7)

夏真っ盛り。これ以上は無いというぐらいの晴天の中、大妻女子大学3年生の臨海実習を行いました。ここ数年間で色々な大学から臨海実習に来ていただきましたが、女子大は初です。東京では海洋動物に触れ合う機会はなかなか無いでしょう。初日は動物に触ることはおろか、見るだけでもおっかなびっくりでした。しかし、灯火採集、磯採集、ウミホタル採集、プランクトン採集とメニューをこなした最後は動物を触ることに抵抗も無くなったようです。今回驚いたのが女子大生のチームワークです。朝昼晩の食事の準備と片付けが今までに無いくらい速かったです。実習の最後は釣りとバーベキュー。釣りでは一人一匹以上釣れて、教える側としてもホッとしました。教育関係共同利用拠点となってからたくさんの大学生が臨海実験所を訪れますが、毎回毎回、学生さんのカラーが違って面白いです。来年の大妻女子大はどんな学生さんが来るのでしょう?小関先生、来年もお待ちしております。(文責:安房田)

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(左)まだ少し明るいですが、灯火採集スタートです。メリベウミウシがたくさん採れました。(写真:小関右介先生)(右)海はべた凪。水も生ぬるい。磯採集には最高の条件でした。

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(左)3種ともよく似ていますが、1種だけ全く違う分類群の動物がいます。大妻女子大の皆さんはもうお分かりですよね。(写真:小関右介先生)(右)ウミホタルの光はいつ見ても美しいです。(写真:飯田碧)

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(左)プランクトン採集の前に海の透明度を測定しました。晴天が続いて透明度は20 m越え。佐渡の海の透明度は抜群です。(右)釣りの最後には夕焼けに向かってジャンプ。先生が最も跳んでいるのは気のせいでしょうか。

2016.8.22 佐渡市立理科教育センター 佐渡学研修会「磯の生物の生態研修会」(8/3)

理科教育センターの行う研修会は天候に恵まれ、今年もプランクトン採集と磯採集を行うことができました。今回のプランクトン採集では放散虫がずいぶんとたくさん網に入ったようです。顕微鏡で確認すると、様々な形の放散虫が確認できました。プランクトンの種類や数は毎回の実習で異なり、時期、気温、潮の流れ、降雨、いろいろな条件がこれらに影響すると考えられます。しかし、何回もプランクトン採集をしていますが、どういう条件でどんな種類のプランクトンが多いのかは、いまだに予測不可能です。磯採集では、鏡のような水面が広がるなか、ゆったりと泳ぐことができました。経験者が多かったこともあり、皆さん慣れた様子で自由にシュノーケリングを堪能していました。リピーターの多いこの研修会ですが、毎年同じことをしていても毎回違う生き物が採れてくるので、何回参加していただいても楽しんでいただけます。是非もっといろいろな方々に来ていただいて、海の生物の多様性と不思議を感じていただければと思います。(文責:北橋)

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(左)船に乗るのも手慣れたものです。堂に入ってますね。(右)見たことのないプランクトンを見つけられたでしょうか。

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(左)穏やかな海でシュノーケリング。気温がこれだけ高いと、泳ぐのがほんとうに気持ちいいですね。(右)さっそく採集した磯の生物を分類してから観察します。(写真4枚とも:飯田碧)

2016.8.9 神奈川県生物教員研修(8/4)

世の中はすっかり夏休みですね。佐渡の海岸にも泳ぎに来ている人の姿が見られます。臨海実験所は実習シーズンまっさかりです。先日は、神奈川県から生物の先生方が研修で来てくださいました。前の日は一日トキについて学習したそうです。佐渡ならではですね。臨海実験所では、定番のプランクトン採集と磯採集、生物の観察を行いました。みなさんさすがに海の生物にも詳しく、あっという間に分類していました。最後に、先生方のご提案で、一人数種ずつ種同定して、その種と判断した理由と共に発表してくれました。種同定は、体のどういう構造をもとに行うかがポイントなので、この発表の仕方はこちらも参考になりました。太平洋側とはまた違う日本海の生物について、ぜひ教育の現場で活用していただければと思います。(文責:飯田)

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穏やかで磯採集日和でした。(写真:下谷豊和)

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発表の様子です。このヤドカリの特徴は?で…。(写真:下谷豊和)

2016.8.24 新潟大学朱鷺・自然再生学研究センター ジオサイト総合ガイドコース生物実習(8/2)

朱鷺・自然再生学研究センターが主催するジオサイト実習が行われました。この実習は地域の自然再生を担うリーダーを養成することを目的として、佐渡市民の方を対象としています。当日は快晴で海も真っ平らのまさに実習日和でした。1日だけの実習でしたが、内容は佐渡の海の特徴と海に棲む生き物を解説した講義とウニの発生実験、磯採集と盛りだくさんでした。ウニの発生実験では、参加者一人一人がムラサキウニから卵または精子を取り出し、受精の瞬間を観察することができました。さらに卵割した受精卵や孵化後の泳ぎ回るプルテウス幼生を観察することで発生が進む様子を理解していただけたようです。お昼を食べた後はマスクとシュノーケルを着けて磯採集です。クモヒトデや巻貝等たくさん採集できました。さすがに海に親しんでいる人たちです、これはうまい、これはまずいと図鑑に載っていない方法で巻貝を分類してくれて勉強になりました。短い時間ではありましたがこの経験がジオサイトのガイドに少しでも役立ってくれればと思います。(文責:下谷)

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左)まずは安房田先生の講義です。(右)皆さん上手にムラサキウニから卵と精子を取り出すことができました。

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(左)道具を身につけて採集開始。(写真:飯田碧)(右)採集した生き物は参加者の皆さんで分類し、安房田先生が解説してくれました。

2016.8.9 こども環境学習会(7/31)

7月最後の日曜日、佐渡市主催のこども環境学習会「第1回 磯の生き物調査」を臨海実験所で行いました。いいお天気の中、海のお話を聞いて、さっそく磯へ生き物を探しに出かけました。シュノーケルは初めてという子も、巻き貝やウミウシなど色々な生き物を採集しました。午後は室内で、佐渡の海藻を使った海藻押し葉をしました。海藻も色々な色や形があって面白いですね。海で採った生き物たちをスケッチして、最後はみんなの前で発表しました。みなさん生き物の特徴が上手に描けていました。ぜひ来年もお友だちを誘って来てくださいね。(文責:飯田)

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マスク、シュノーケルの使い方、生き物の採り方を習いました。(写真:佐渡市役所環境対策課)

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好きな海藻を選んで押し葉標本を作りました。(写真:佐渡市役所環境対策課)

2016.8.1 東京コミュニケーションアート専門学校 臨海実習(7/26-7/29)

関東甲信越。新潟はもちろん「越」なのですが、梅雨入りや梅雨明けはたいてい関東甲信と別の日になります。北陸地方にも東北地方にも入らず、区分が難しい新潟県。うーん、悩ましい。おっと、何が言いたかったと言いますと、佐渡も梅雨があけました。ただ、梅雨明け宣言されたにも関わらずすっきりしない天気。今回の実習も二日目まではすっきりしませんでした。昨年度から始まった東京コミュニケーションアート専門学校(通称TCA)実習。マリンピアの元館長鈴木さんが引率。今はTCAで教鞭をとられています。佐渡臨海にやってくる学生の中には水中眼鏡をつけたことが無い人もたくさんいるのですが、TCAの学生はみんなスキューバダイビングのライセンスを持っている強者ばかりです。ウミホタル採集、シュノーケリングでの磯採集、プランクトン採集、灯火採集、ウニの発生実験と一通りの実習をこなしました。普段はスケッチなどの課題があり、自由時間もほとんど無いのですが、今回はゆったりとしたスケジュールで自由時間には釣りや昆虫採集も楽しみました。普段から海や川の生物について勉強している学生達ですが、実際に野外で採集して、観察するのは初めての人も多かったようです。4日間の実習に満足した様子が実習生の顔から読み取れました。TCAの実習は9月にもう一回あります。お友達をたくさん誘って再度お越しください。7月と9月では海の中もガラッと変わり、今回の実習で見たことの無いものが見られるはずです。お待ちしております。(文責:安房田)

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(左)磯採集ではなかなか見つけられないタツノオトシゴ。よく見つけましたね。(右)久しぶりに見つけたマダコ。ウニを割ってやると足を伸ばして岩から出てきました。

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(左)ウミホタルを手につけるとこの通り。(右)メジナ、ヘビギンポ、ヨロイメバル、アヤアナハゼ、キヌカジカ。TCAのみなさん覚えていますか?

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(左)船でこばまに行って磯採集を行いました。(右)鈴木さんによる生物の帯状分布の説明。(写真:安東宏徳)

2016.8.22 マリンピア日本海 親子観察会(7/25-7/26)

本年度初の開催となるマリンピア日本海主催の親子観察会。一泊二日のイベントに14人の小学校高学年の子どもたちが参加してくれました。ちょっと心配された天気もなんとか大丈夫でした。マリンピアのお姉さんたちの頑張りでずいぶんとたくさん海の生き物が採れたので、いろいろ観察するのに十分な材料が集まりました。生き物を触ったりして観察したあとは、ウミウシやヒトデなど好きな動物を選んでスケッチ。さらに、みんなの前で一人ずつ発表会を行いました。晩ごはんのカレーライスを食べてエネルギーを補給した後は、真野湾まで車ででかけてのウミホタル採集です。真っ暗な中で、浜辺でポワンポワンと次々光る姿を見せるウミホタルにみんな大興奮でした。枕投げが予定に入っていたようですが、お泊り会も十分楽しめたでしょうか?来年もぜひお友達を誘って来てくださいね。(文責:北橋)

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(左)網で採れた生き物を手分けして捕まえます。(右)きれいな色をしたウミウシを色鉛筆でスケッチ。

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(左)星空のように海中で光るウミホタルに見とれる一同。(右)ウミホタルを餌で捕まえてみると、思った以上にたくさんいるのにビックリ。

2016.7.19 大阪産業大学 人間環境学部 生活環境学科 生活環境学1(7/15-7/17)

昨年は大阪を出発する直前に台風に見舞われ、泣く泣く中止となった大阪産業大の実習。リベンジです。実習当日の朝は大雨。どうなることかと思いましたが、両津に迎えに行くと青空が出てきました。今年は晴れ男か晴れ女かが実習生の中にいたようです。臨海実験所に着いてガイダンスや実験所案内の後、すぐに磯にシュノーケリングに行きました。波は高いものの日が差しており、無事に磯採集ができました。翌日もなんとか天気はもってくれて、船でプランクトンの採集ができました。顕微鏡を使っての海のプランクトンの観察はみんな初めてということで、形や大きさも様々なプランクトンに驚いていたようです。最後は磯生物の種名と種数のリストアップです。短い時間の採集でしたが、磯採集と灯火採集のどちらも25種ほどの動物が採集できていました。実際に種数を数えると、海の動物の多様性が数字になってイメージしやすいですね。その後は演習林に移動してバーベキューです。大阪産業大の学生はほぼ関西人。関西弁が飛び交う中、バーベキューを楽しみました。鶴田先生、前迫先生、佐藤先生、学生の引率お疲れ様でした。また来年も来てくださいね!(文責:安房田)

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(左)午前中の雨が嘘のようです。ナイフを持ってさあ出陣!(右)灯火採集の成果。鉛筆よりも細いサヨリが獲れました。

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(左)この日は午前のみ晴れ。グッドタイミングでした。(写真:北橋隆史)(右)プランクトンのスケッチも行いました。(写真:飯田碧)

2016.7.19 新潟大学理学部生物学科「系統動物学」(7/4-7/7)

梅雨ですねー。毎日のように曇り空です。そんな中、系統動物学の授業を行いました。他の講義とは違って、朝から晩まで系統分類学の講義です。学生も大変ですが、教える教員も大変です。一方で、メリットもたくさんあって、集中して系統分類学を聞くことで、情報が断片化せずに理解が一気に深まります。また、臨海実験所ならではの土地の利を活かして、授業の中で実際の生物を見せることができるのも大きなメリットです。百聞は一見にしかずと言いますが、生物を実際に見て観察するのと、講義を聞くだけでは記憶への残り具合も変わってきます。系統動物学はここ数年天気が悪く、海に入れなかったり、船に乗ってのプランクトン採集ができなかったり散々でしたが、今年は天気が悪いながらもどちらもできて、学生も満足そうでした。系統動物学はほぼ授業ということで、野外に出る時間は短いですが、3年生の臨海実習はほぼ野外ですので、系統動物学の知識を野外調査で存分に活かしてもらいたいと思います。また来年お待ちしております。(文責:安房田)

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今年度から飯田先生の講義も加わりました。(左)飯田先生による新口動物の講義。(右)私は単細胞動物から旧口動物までの講義を行いました。(写真:飯田碧)

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(左)プランクトン採集で獲れたヤムシ。(右)短い時間ですが磯採集も行いました。

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磯で獲れた動物を分類し、系統樹を描きました。(写真:飯田碧)

2016.7.9 東邦大学理学部野外生態学実習I(6/27-7/1)

今年も東邦大学理学部から生物学科2年生が佐渡へ臨海実習に来てくれました。梅雨時期だけに天気予報は曇りや雨が続きますが、幸い海が荒れることはなさそうです。5日間の実習メニューは、灯火採集、船でのプランクトン採集、港内での海藻付着生物採集、潮間帯から潮上帯の生物採集、シュノーケリングによる磯採集に、実験所前を流れる達者川のアユ生息数調査。さらに、1日は班ごとにそれぞれ興味を持ったトピックで自由研究を行い、最終日に結果発表をしてもらいました。本年度第一回目となるシュノーケリングでの採集は、あいにくの曇り空でかなり寒かったようですが、それでもみんな頑張って様々な生き物を捕まえてきました。なかでも、今年は当たり年なのか、ずいぶんとジボガウミウシがたくさん見つかりました。また、今回、自由研究を行ったのですが、それぞれの班が趣向をこらした実験を行い、きちんと結果をまとめて発表までおこなうことで、より深く海の生き物について学ぶことができたのではないかと思います。(文責:北橋)

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実験所の目の前にある船着場での灯火採集。夜行性動物や岸壁の海藻などにひそむ生き物が採集できます。たくさん採れましたか?

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(左)班交代での実習船を使った透明度測定とプランクトン採集。(右)同時に他の班は海藻などに付着する生物の採集を行います。

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磯採集。あいにくの曇り空でしたが、まったく波はありませんでした。(左)シュノーケリングでは、観察物にぐっと近づけるので、小さな生き物も見つけやすくなります。(右)海藻にひっついているジボガウミウシ。白くて小さな、かわいらしいやつです。

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例年行っている達者川のアユ生息数調査。(左)河口から川を小区画に区切り、全員で手分けして、泳いでいるアユを全数カウントします。(右)達者川のアユ。今年は昨年よりも多めでした。

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班ごとにテーマを決めての自由研究。(左)いろいろと新鮮な視点から、面白い実験を考えてくれました。(右)それぞれ結果をまとめて、最終日に発表会を行いました。

2016.6.16 東邦大学理学部野外生態学実習II(5/30-6/3)

今年も実習シーズンがスタートしました。新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション(演習林)主催の東邦大学理学部3年の学生さん対象の野外生態学実習IIに、外部講師、オブザーバーとして参加してきました。この実習は、演習林内を流れる川を対象に、水生昆虫の流程分布調査から、佐渡島の生物相とその成り立ち、生物分布、生態系の特徴について理解してもらうことを目的としています。3班に分かれて、川の上・中・下流で水生昆虫を採集し、その地点で流速や濁度など、環境についての測定も行います。夜は水生昆虫のお話と同定の方法を学んで、実際に同定していきます。最初は何が何だか分かりませんが、顕微鏡と検索表をにらめっこし、だんだんと分かる様になっていっていましたね。この実習のポイントは、調査中や同定を行いながら、自分たちで水生昆虫の分布に影響する環境要因について仮説を立てて検証してもらうことです。種同定が終わると、次は仮説を検証するために解析を行いました。がんばって仮説をひねり出し、苦労して解析して結果が出るとうれしいものですよね。実習生のみなさんにもそれを感じてもらえたのではないでしょうか。長谷川先生、演習林のみなさん、TAさん、お疲れさまでした。(文責:飯田)

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(左)上流での調査の様子。流速を測定中。(写真:安房田智司)(右)環境を測定したら、水生昆虫を採集します。(写真:佐渡ステーション 菅尚子先生)

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(左)一つの場所からも色々な水生昆虫が採集できます。(写真:安房田智司)(右)林道で“落とし文”を発見。精巧なつくりです。

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(左)中流での調査。川幅を測定しています。(右)朱鷺・自然再生学研究センターの岸本先生による水生昆虫についての講義。(写真:安房田智司)

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下流での調査風景。夏のような空でした。(写真:安房田智司)

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(左)がんばって種同定中。(写真:佐渡ステーション 菅尚子先生)(右)最後は仮説検証の結果を発表しました。(写真:安房田智司)

2016.5.27 理学部生物学科 佐渡・臨海実験所新入生研修(5/21-5/22)

今年度の最初のイベント、理学部生物学科 佐渡・臨海実験所新入生研修を行いました。新潟大学に入学して2ヶ月弱。高校生の時の生活とはガラッと変わり、始めは戸惑いもあったことでしょう。大学生活にもようやく慣れてきた頃だと思います。新入生研修も今年で4年目。同じ生物学科なのに、毎年学生のカラーが異なるのは面白いですね。研修では、臨海実験所紹介、海洋生物との触れ合い体験、そしてイブニングセミナーを行いました。臨海実験所のM1と4年生からは大学での勉強の仕方、先生方からは研究者になったいきさつなどをプレゼンしていただきました。大学生は自由な時間が多いのはみなさん共通の認識のようです。いかにこの時間を有効に使えるか、今後の人生に大きく影響しそうですね。イブニングセミナーで学んだことを糧に、生物学科のみなさん、充実した学生生活を送っていただければと思います。授業や実習でまたお会いしましょう!(文責:安房田)

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(左)まずは安東先生の臨海実験所紹介。(写真:北橋隆史)(右)磯生物との触れ合いタイム。

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(左)イブニングセミナー。佐藤くんは学生生活についてお話してくれました。スライドに書かれているメッセージはとっても大事です。(右)伊藤くんは講義や就職についてお話してくれました。

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(左)私は自己紹介と魚の研究者を目指した経緯を話しました。(写真:北橋隆史)(右)藤間先生は8年間もの長い間アメリカで研究していたのですが、なぜアメリカに行くことになったのか、そして、免疫学を専攻することになった経緯など大変興味深いお話をしていただきました。

2016.4.4 佐渡高校臨海実習「海洋動物の分類と観察」(3/19)

8月には新潟県内高校生向けに公開臨海実習を行っているのですが、それとは別に佐渡高校が実習に来てくれました。佐渡高校では、27年度10月~28年度まで、「首長部局との協働による新たな学校モデルの構築事業」という文部科学省の事業が採択され、佐渡島内5つの高校等が佐渡市と連携して、ふるさと佐渡の魅力を世界へ発信するため、海外研修を行ったり、英語スピーチコンテストを小中高で開催したり、英語ガイド、観光ボランティアを育成したりという取組みを行うそうです。海の魅力を高校生が世界に発信するために、臨海実験所に勉強に来てくれたわけです。当日はあいにくの曇り空の上に3時間という短時間でしたが、臨海実験所の活動紹介とプランクトン採集と観察、そして磯生物の観察を行いました。雨で路面が滑ることもあり、プランクトン採集は急遽堤防からに切り替えたのですが、透明度がとても良く「スプリングブルーム」の前だったせいか、いつも見つかるようなプランクトンが採集できませんでした。それでもカイアシ類など普段は見られないような大型のものが見つかったり楽しめていたようでした。また、ウニやヒトデなど普段は触る機会がないものを触るのは楽しかったようです。次回は是非、夏に来て海で実際に磯採集をして下さい。お待ちしております。(文責:安房田)

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飯田先生によるプランクトンネットの解説

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磯生物の観察と解説(写真:飯田碧)

2016.4.4 公開臨海実習「生理生態学臨海実習」・新潟大学理学部自然環境科学科「環境生物学野外実習C」(3/14-3/18)

3月になり、佐渡でも春の雰囲気が感じられるようになってきました、と思っていたら今日は雪ですが。先日、今年度最後の大学生向けの実習を行いました。公開臨海実習と新潟大の実習をあわせて行う生理生態学に関する実習です。公開臨海に参加の学生さんは、東北から沖縄まで全国から集まってくれました。まずは定番のバフンウニの発生です。ウニは私たち脊索動物と同じ新口動物のため、ウニの発生を観察することで、私たちの発生過程も学ぶことができます。この実習では外部講師としてご参加いただいた東京大学大気海洋研究所の兵藤晋先生に「生物の海への適応機構」と題して講義をしていただきました。ご専門の浸透圧調節の概論から、最近のサメの研究まで、幅広く紹介していただきました。分野や手法にとらわれず研究を展開されていて、大変興味深い内容でした。兵藤先生、ありがとうございました。その後は、金魚を使ったストレス応答についての実験とメダカなどを材料に色素胞から光環境への適応について考えるための実験を行いました。ストレス実験では、班ごとにどんなストレスを与えるか考えてもらいました。氷水に入れる、高密度にするといった方法の他、屋台の金魚のストレスを再現する、といったものも。ピペットの使い方からホルモンの応答まで色々と学んでくれたのではないかと思います。色素胞の実験では、メインの鱗の観察に加えて、実は色々な魚が発光するというのも観察してもらいました。まだまだ水に棲む生き物には分からないことがたくさんありますね。最終日の発表会では、班ごとに結果をまとめて考察もしてくれました。各地から集まってくれた学生さんたちは数日ですっかり打ち解けて実験を楽しんでくれていたようでした。ぜひまた佐渡へ来てくださいね。(文責:飯田)

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兵藤先生の講義。体の仕組みを理解するためには、その生物自体をよく知らなければいけないというお話、とても勉強になりました。(写真:安房田智司)

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金魚にストレスを与えてコルチゾルの変化をみる実験です。この班では、たたくことでストレスを与えています。

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コルチゾル定量のための実験です。ピペットの扱いにも大分慣れてきたようですね。

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メダカの鱗の色素胞が背景の色によって収縮したり伸張したりする様子を観察します。背景に合わせて魚がうまく色を変えているのがよくわかります。

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実験結果を班ごとに発表しました。(写真:安房田智司)

2016.4.4 第2回新潟大学佐渡3施設による森里海公開シンポジウム(2/20)

少し時間が経ってしまいましたが、第2回新潟大学佐渡3施設による森里海公開シンポジウムを開催しましたので、その様子を報告します。佐渡には森(演習林)、里(朱鷺・自然再生学研究センター)、海(臨海実験所)の3つの新潟大学の施設があるのですが、昨年に引き続き合同でシンポジウムを開催しました。昨年度は臨海実験所が中心となり開催したのですが、今回は演習林のスタッフや学生が中心となってトキ交流会間で開催しました。昨年度との違いは、学生の卒論、修論発表をシンポジウムの前に行ったことです。学生さんも卒論、修論のためにしっかりがんばったのがうかがえました。発表内容も「森里海」を網羅しており、佐渡での研究の面白さや重要性が分かる発表でした。楽しかったです。シンポジウムではまず崎尾先生、永田先生、安東先生から3施設の紹介があり、その後に3人の先生方の発表がありました。阿部先生はホタルブクロの花の色に注目し、新しく佐渡で展開している研究を中心にお話してくれました。岸本先生と飯田先生は佐渡に来てまだ1年ということでこれまでの研究を中心にお話してくれました。どの研究もとても興味深く、今後の研究の展開が楽しみなものばかりでした。今後もますます佐渡、そして新潟大学を盛り上げていきたいと思います。第3回も楽しみにしていて下さい。(文責:安房田)

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崎尾先生による演習林の紹介(写真:飯田碧)

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阿部先生による研究発表(写真:飯田碧)

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シンポジウム後の懇親会(写真:佐渡ステーション 菅直子先生)