当実験所の安東宏徳教授が「日本比較内分泌学会小林賞」を受賞し、8月31日(月)に第48回日本比較内分泌学会において表彰式と受賞講演が行われました。
「日本比較内分泌学会小林賞」は、比較内分泌学に関する貴重な研究をなし、その業績が特に優れた学会正会員に授与されるもので、日本において比較内分泌学を創設し、学会の設立と発展に尽力された故小林英司先生を記念する賞です。
受賞対象となった安東教授の研究テーマは、「産卵回遊の神経内分泌制御の分子機構に関する研究」です。サケとフグという野生動物を対象にして、回遊をともなう産卵行動の神経内分泌制御に関して、遺伝子から細胞、行動、生態までの統合的な研究を展開し、比較内分泌学の分野で卓越した成果を挙げたことが評価され、今回の受賞となりました。
(左)受賞講演の様子。(右)表彰式。
佐渡自然共生科学センターの教員が指導している新潟大学学生・大学院生の研究発表会を開催します。私たちの日頃の研究についてみなさんにも知っていただければ幸いです。ぜひご参加ください。
プログラムはこちら(pdfファイル)です。どなたでも参加していただけます。途中参加・退出も可能です。また、対面参加の方は事前申し込みは不要です。直接トキ交流会館までお越しください。
オンラインでの参加を希望される方は、以下の申込フォームよりお申し込みください。
2023年度佐渡自然共生科学センター学生発表会 申込フォーム
2023年7月24~30日に国際実習「International Marine Biology Course (IMBC) 2023」を開催しました。今年度は現地とオンラインのハイブリッド形式で開催し、バングラデシュ、ベトナム、インド、香港、日本から、現地26名、オンライン27名が参加しました。詳細は以下の英語レポート、および、JSTさくらサイエンスプログラムホームページの活動レポートをご覧ください。
現地とオンラインでの集合写真
日本生態学会が主催する第70回大会において、当実験所に所属するParvez Chowdhuryさんが、「いいね!」賞 (Online Poster Award) を受賞しました。
海洋における基礎生産の要としてプランクトンの分布や季節変動は生態系の理解に欠かせない要因ですが、特に日本海においてはその研究は極めて乏しい状況です。本研究では、佐渡島の沿岸における毎月の動物プランクトンと海洋環境の観測と解析から、それらに明瞭な季節変動があること、沿岸域においても陸地からの距離によってプランクトン相が変化することを詳細なデータにより初めて示しました。
発表者:○Parvez CHOWDHURY (新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程/佐渡自然共生科学センター臨海実験所)・Midori IIDA (新潟大学佐渡自然共生科学センター臨海実験所)
名称:第70回日本生態学会大会 「いいね!」賞 (ポスター発表)
演題名:Seasonal abundance and distribution of zooplankton in northwestern coast of Sado Island, Sea of Japan
2023年3月25日 (土) に会場 (佐渡市トキ交流会館) とオンラインのハイブリッドで、「新潟大学佐渡自然共生科学センター シンポジウム2023 デジタル時代の自然共生科学」を開催します。情報科学やICTツールによって、近年の自然科学の研究や教育はどのように変化しているでしょうか。佐渡を初めとするさまざまな場における研究や実践から新たな可能性を探ります。
市民のみなさまや大学の方々をはじめ、多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
参加を希望される方は、以下の申込フォームよりお申し込みください。
佐渡自然共生科学センターシンポジウム2023 申込フォーム
※ 申込フォームの設定ミスによりオンラインでの参加をお申し込みいただいた方のメールアドレスが取得できていませんでした。
3/13(月)以前にお申し込みいただいた方は、大変申し訳ありませんが再度申し込みをお願いいたします。
佐渡自然共生科学センター (臨海実験所,演習林,朱鷺・自然再生学研究施設) の学生たちの研究発表会を開催します。私たちの日頃の研究についてみなさんにも知っていただければ幸いです。ぜひご参加ください。
プログラムはこちら(pdfファイル)です。どなたでも参加していただけます。途中参加・退出も可能です。
会場で参加の方は申し込み不要です。
オンラインでご参加の方は以下の申込フォームよりお申し込みください。
2022年度佐渡自然共生科学センター学生発表会 申込フォーム
2000年より当実験所の実習・研究で利用されてきた実習調査船「IBIS2000」が2022年10月に引退し、新たな実習調査船「アイビスII」が進水しました。アイビスIIは前船IBIS2000から定員が1名増えて14名となり、幅の広い後部Aフレームや油圧式巻き上げ機、最新のGPS、ソナー、魚群探知機などを装備しています。本船の進水から間もない10月24日には、新潟大学の牛木辰男学長が臨海実験所の視察に訪れ、本船や2021年に改修された臨海実験所の教育研究施設を見学されました。今後、新船アイビスIIを活用して、より充実した研究・教育活動を進めてまいります。
新船「アイビスII」
牛木学長を交えて新船前で記念撮影
サンゴやウミガメの一斉産卵や、ヒトの月経周期や双極性障害など、動物の様々な営みは月の満ち欠けの影響を受けていますが、その仕組みは謎に包まれていました。名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)及び大学院生命農学研究科の吉村崇教授、トヨタ紡織株式会社、当実験所の安東宏徳教授らの研究グループは、大潮の際に波打ち際で一斉に集団産卵するクサフグにエコゲノミクスのアプローチを適用することで、大潮に産卵活動を促す遺伝子を明らかにしました。さらに、ケミカルバイオロジーのアプローチから、産卵時に海水中に放出されるプロスタグランジンE2がフェロモンとして働き、周囲のクサフグの一斉集団産卵を誘発することを発見しました。
詳細は以下のリンク先をご覧ください。
新潟大学佐渡自然共生科学センター臨海実験所は、学校教育法施行規則第143条の2の規定に基づく教育関係共同利用拠点に再々認定されました。2023年度より5年間、「佐渡島の森里海生態系における多様な生物相を活用した国際海洋生物学教育共同利用拠点」として、より一層教育活動を充実・発展させていく所存です。
新型コロナウイルスの影響で対面開催が実現できずにいるInternational Marine Biological Course (IMBC)ですが、昨年度に引き続き、JSTさくらサイエンスプログラムのサポートを受けてオンラインプログラムを開催しました。今年度は2日間に渡り、バングラデシュ、ベトナム、香港、日本の9大学から総勢40名が参加しました。今回は以前より親交の深いバングラデシュ農科大学(バングラデシュ)、チャットグラム獣医動物科学大学(バングラデシュ)、ハノイ国立教育大学(ベトナム)の3大学から教員や大学院生に最新の研究成果を発表してもらう機会を設けました。また、より広い海洋科学の話題に触れるために、刺胞動物の分類・生態研究のエキスパートである泉貴人先生(福山大学)と、幼生期にクラゲを乗り物/餌として利用するロブスターの生態とその水産増養殖研究進められている若林香織先生(広島大学)のお二方を講師としてお招きしました。お二人の招待講演の後には参加者と自由にディスカッションできる時間を設け、海外の学生も積極的に質問をして交流している姿が印象的でした。当臨海からは実際に佐渡の海で採れた様々な海洋生物を生配信しながら各生物の特徴について解説しました。また、プランクトンや海藻を住処とする葉上動物についても講義と実際の生物の生配信を通して紹介しました。多くの受講生から「来年度は是非、佐渡でIMBCを受講したい!」という声を頂きました。我々もIMBCの対面開催ができることを強く願っています。
生き物の配信風景。ヒモムシが長く伸びることを伝えるために容器から取り出す大森助教とそれを精一杯画面に収めようと奮闘している豊田特任助教の図です。
例年よりもだいぶ早く梅雨明けして夏の陽気が続く佐渡島に、日本各地でマイクロプラスチックの調査を行っているTara-JAMBIOマイクロプラスチック共同調査(科学×アート×教育)グループが来島しました。
まず、7/3(日)に佐渡島内の小中学生と保護者を対象とした啓発イベントを実施しました。イベントの主催であるTara財団の活動がクイズを交えて紹介された後は、参加者全員で近くの達者海岸のビーチクリーニングとマイクロプラスチック採集体験を行いました。ビーチクリーニングでは、10分程度の短時間で用意したザル6個がいっぱいになるほどのプラスチックごみが回収されました。また、マイクロプラスチック採集体験では、目の細かいふるいで砂をふるうことで、一見きれいな砂浜からも5mm以下のマイクロプラスチックが多数発見され、透明度が高くきれいな佐渡の海であってもマイクロプラスチック汚染の影響があることが実感できました。その後、アートを通じて海洋環境保全の啓発活動を行っている喜多直人さんの活動紹介を挟んで、ニューヨークの小学校で実際に行われたプラスチック削減活動を紹介する「マイクロプラスチックストーリー~ぼくらがつくる2050年~」というドキュメンタリー映画の鑑賞と、映画を作製した佐竹敦子監督とのオンライントークセッションが行われました。イベントを通じて、海洋プラスチック汚染の深刻さ、子どもでも課題解決に向けたアクションを起こせること、アクションを起こすためにデータをとることの重要性など、海洋環境保全に向けた様々なメッセージを受け取ることができたのではないかと思います。
(左)Tara-JAMBIOの活動にまつわるクイズ。ちょっと意地悪なひっかけ問題もあり、楽しみながら海洋保全活動について学べたのではないでしょうか。
(右)ビーチクリーニングで回収された大型の漂着ゴミ。このほとんどがプラスチックです。
(左)きれいになったビーチの砂をふるって、マイクロプラスチックを探します。
(右)見つかったマイクロプラスチック(緑や白の小さな欠片)。
(左)佐竹敦子監督とのトークセッション。
つづいて、7/4(月)~5(火)に佐渡島周辺海域におけるマイクロプラスチック汚染状況の調査が行われました。臨海実験所の調査船 IBIS2000を実験所から20 kmほど離れた真野湾まで回航し、真野湾にそそぐ佐渡島最大の河川である国府川の河口から真野湾の湾口までの海底と表層、および、対馬暖流の影響を大きく受ける臨海実験所沖合の海底と表層にマイクロプラスチックがどの程度含まれるのかを調べるため、浮遊物と底質のサンプルを採取しました。計一日半かけての大規模な船上調査でしたが、天気と海況に恵まれてスムーズに進めることができました。残念ながらどの地点でもマイクロプラスチックは確認され、マイクロプラスチック汚染が佐渡島周辺海域にも及んでいることを実感する結果となりました。
(左)船での調査の様子。ロープを使って採集・観測機器を海底に下ろします。
(右)採泥器により採取された海底の砂。ゴカイやクモヒトデなどの動物も入っていました。
(左)大型のネットを使って海面付近を漂うマイクロプラスチックも採集します。
(右)流れ藻に混じって緑の繊維状のプラスチックが採集されました。
イベントと調査を通じて、海洋プラスチック汚染問題の深刻さを改めて考えさせられました。今後の教育研究活動に活用していきたいと思います。今回の活動を主催した筑波大学下田臨海実験センターのSylvain Agostini助教とタラオセアンジャパンのパトゥイエ由美子事務局長、調査地点の選定にご尽力いただいた山田屋釣具店の三井宏志様、そして、イベントと調査にご参加いただいた皆様に御礼申し上げます。
この度、佐渡自然共生科学センターは、金沢大学環日本海域環境研究センターと連携協定を締結しました。昨年8月に締結した島根大学生物資源科学部との連携協定と合わせて、日本海域の3海洋研究機関で、海洋環境と森里海生態系に関する新しい教育・研究連携体制を構築していきます。
2022年3月21日 (月・祝) にオンラインと会場 (佐渡市トキ交流会館) のハイブリッドにて,「新潟大学佐渡自然共生科学センター シンポジウム2022 島の稀少な生きものを記録する」を開催します。
佐渡島にはまだまだ生態や現状がよく知られていない稀少な生きものが数多く生息しています。それらを知ってもらうため,佐渡自然共生科学センターは,佐渡市,市民の方と連携して,佐渡市レッドリストの作成を行ってきました。
今回のシンポジウムでは,環境省佐渡自然保護官事務所の澤栗浩明さんをお呼びして,日本の生物多様性保全とリッドリストについてお話いただきます。また,佐渡の植物,貝類,海洋生物についての講演も行います。
市民のみなさまや大学の方々をはじめ,多くのみなさまのご参加をお待ちしています。
下記,またはポスターのQRコードからお申し込みください。
島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター、新潟大学佐渡自然共生科学センター、および金沢大学環日本海域環境研究センターは、2021年度に相互にセンター間連携協定を締結いたしました。
今回の協定により、日本海域の3海洋研究機関の新しい教育・研究連携体制の構築につながることを期待します。
相互連携による新たな教育・研究体制の強化に向けて、各機関の特徴や研究体制について交流を図ることを目的に、連携キックオフシンポジウムを企画いたしました。
日本海のフィールド生態、海洋、農地、実習船利用など、幅広く興味のある研究者・職員・学生の方にご参加いただければ幸いです。
第1回 3大学連携キックオフシンポジウム
新潟大・金沢大・島根大環境シンポジウム
下記,またはポスターのQRコードからお申し込みください。
佐渡自然共生科学センター (臨海実験所,演習林,朱鷺・自然再生学研究施設) の学生たちの研究発表会を開催します。私たちの日頃の研究についてみなさんにも知っていただければ幸いです。ぜひご参加ください。
プログラムはこちら(pdfファイル)です。どなたでも参加していただけます。途中参加・退出も可能です。
下記のアドレスへ,お名前,ご所属 (ある場合),参加希望の旨を書いて,メールをお送りください。Zoomの情報をお知らせします。
東京大学三崎臨海実験所とドイツ・ゲッティンゲン大学の研究者が主催し、当実験所の大森紹仁助教が共同研究者として参加した国際研究チームにより発見された、佐渡産の新種のゴカイに関する論文が公開されました。このゴカイは佐渡島南部の宿根木における潜水調査でカイメンの内部より見つかり、体が分岐する変わった体制から「キングギドラシリス」と命名されました。
2020年10月より行われていた臨海実験所の建物改修工事が完了し、新しい建物での教育研究活動がスタートしました。改修後の建物は、以前と比べてより教育研究活動を行いやすいように考えられた部屋の配置となっています。充実した教育研究の場を提供できるよう、所員一同努力してまいります。
研究棟は青を基調とした内装になりました。
当実験所の大森紹仁助教、東京大学大学院理学系研究科の入江直樹准教授、および中国昆明動物研究所、アメリカボストン大学などの科学者からなる国際研究グループは、左右対称動物の中でも例外的に五放射の体を進化させた棘皮動物のゲノムを複数(祖先型棘皮動物の一種であるニッポンウミシダ、および、アメリカミドリウニ)解読し、意外にも他の動物群と非常によく似た遺伝子セットを持つ一方で、胚発生過程における遺伝子群の使い方が大きく異なることを発見しました。
2019年8月21日から27日にかけて、国際臨海実習 IMBC 2019を開催しました。昨年に引き続きJSTさくらサイエンスプランによる経費支援を受けて、インド・バングラデシュ・ベトナム・中国・マレーシアなど主にアジア圏の海外9大学から学生教員合わせて24名、加えて公開臨海実習の参加者も含めて日本国内の8大学から13名、合計37名が参加しての国際色豊かな実習となりました。佐渡の美しい海でのシュノーケリング採集や実習船でのプランクトン採集などの活動に合わせて、招へいした海外の生物学研究者にはそれぞれ講義も行ってもらいました。また、今年は東京でも葛西臨海水族園や国立科学博物館の見学も行い、日本の科学技術についての学習も行いました。実体験をともなった知識を得られた上に様々な国や地域からの参加者間の交流を深めることができ、参加者にとっても主催した我々にとっても有意義なプログラムとなりました。今後も、国際交流をより進めるため、この活動を継続していきたいと考えています。
Link:レポート(英文:PDF 2.5MB)
#新聞やTVニュースでも取り上げられました
2019年8月23日 NSTプライムニュース 「佐渡で国際臨海実習 海外の学生 海の多様性学ぶ」
2019年8月23日 新潟テレビ21 Jチャンネル新潟
2019年9月4日 新潟日報 「ウニの生態に熱視線 海外大学生が臨海実習」
来る6月2日(日)、佐渡自然共生科学センターの開所記念シンポジウムを、両津のあいぽーと佐渡にて開催します。
基調講演者として、 森林生態学・生物多様性を専門とする総合地球環境学研究所の中静透特任教授をお呼びして、森・里・海のつながりや人間と自然との共生のあり方についてお話していただきます。また、女優の中嶋朋子さんとFM-NIIGATAパーソナリティーの上村知世さんとの特別対談も企画しております。
広く佐渡の市民の方々においでいただき、新センターの活動について知っていただければと思います。
(シンポジウムチラシPDF:2.5MB)
2019年4月1-2日の日程で、新潟大学と弥彦村を会場に、「International Symposium between BRIMS, University of Toyama, Kitasato University, and Niigata University 2019」を開催しました。4つの大学の教員・学生が最新の研究結果を発表し、共同研究など国際交流のさらなる発展に向けて、知識の共有を行うと同時に親睦を深めました。ブログ記事リンク
(シンポジウムポスターPDF:0.5MB)
臨海実験所は、2019年4月から、佐渡にある他の新潟大学の2施設、研究推進機構朱鷺・自然再生学研究センター、農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション (演習林)、と統合し、新潟大学佐渡自然共生科学センターとして新たなスタートを切ります。その統合に向けて、来る2月22日に、学内向けに「佐渡自然共生科学センター開所目前シンポジウム」を開催します。
基調講演者として、持続発展教育について研究されている立教大学の阿部治教授と島における爬虫類の進化・生態を専門とされている東邦大学の長谷川雅美教授をお招きして、新潟大学の教員や学生に自然共生科学について知ってもらうとともに、佐渡3施設で行っている研究を紹介したいと思います。
教員・学生の皆様、ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。
(シンポジウムチラシPDF:3MB)
2018年7月28日から9月1日にかけて、国際臨海実習 IMBC 2018を開催しました。臨海実験所では3年前から英語による国際臨海実習を行っていますが、今年はJSTさくらサイエンスプランによる経費支援を受けてアメリカとインド・バングラデシュ・ベトナムなどのアジア圏の計10大学から学生20名と教員5名を受け入れ、さらに当実験所のバングラデシュからの留学生ラーマンさんとルーハンさんを始めとする大学院生も参加して、なかなか大規模な開催となりました。実際に海に出ての活動に加えて、受け入れた教員には専門分野の講義も行ってもらいました。海洋生態学などを専門的に学んでいる学生にとっても、美しい佐渡の海に生息する生物の多様性は印象的だったようです。帰国してからも、それぞれの国の海洋環境や生物多様性についてより興味をもって学んでもらえると思います。
Link:ブログ記事、レポート(英文:PDF 1.5MB)
#新聞やTVニュースでも取り上げられました
2018年7月30日 NSTプライムニュース 「佐渡で臨海実習 海外の学生 海の多様性学ぶ」
2018年8月8日 新潟日報 「島の海は学びの宝庫」
2018年9月5日 Mathrubhumy (インドのマラヤーラム語の新聞)
2018年3月14日から18日に札幌コンベンションセンターで開催された第65回日本生態学会大会において、当臨海実験所に所属する伊藤くん(M2)の研究発表がポスター賞・優秀賞を受賞しました。
動物の精子は、種によって非常に多様な大きさや形をしています。その進化要因として、交尾行動や、卵への受精を巡って精子同士が競い合う精子競争などが関わっていると考えられていますが、詳細は分かっていませんでした。海産カジカ科魚類は、一般的な魚のように交尾を行わない種に加え、交尾を行う種が進化した非常に珍しいグループです。本研究では、海産カジカ科魚類の精子を調べることで、交尾行動や精子競争が精子の形質に与える影響の解明に迫りました。日本、北米の37種のカジカ科の精子の形態や運動性を比較したところ、交尾の進化に伴って精子頭部の形態や運動環境が変化したことが分かりました。また、精子競争レベルの増加に伴い、精子全長が長くなるとともに遊泳速度が速くなることが明らかになりました。さらに、これらの精子の形質が北米と日本とで平行進化したことを、世界で初めて示しました。
発表者:○伊藤岳 (新潟大学大学院自然科学研究科博士前期課程)・守田昌哉 (琉球大学)・柴小菊・稲葉一男 (筑波大学)・宗原弘幸・山崎彩 (北海道大学)・ 古屋泰則 (岐阜大学)・武島弘彦 (総合地球環境学研究所)・安房田智司 (大阪市立大学)
名称:第65回日本生態学会大会 ポスター賞優秀賞
演題名:多様な繁殖様式を持つカジカ科魚類における交尾行動と精子競争に関係した精子の平行進化
新潟大学の佐渡3施設(臨海実験所、演習林、朱鷺・自然再生学研究センター)は、合同で学生たちの研究発表会を開催します。一般の方々にも、我々がどんなことをやっているのか知っていただきたいと思いますので、ぜひこの機会に奮ってご参加ください。
以下、演習林ブログより
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平成29年度 新潟大学佐渡3施設合同学生発表会
日時:2月24日(土)13:00〜17:30
場所:トキ交流会館(佐渡市新穂潟上1101-1) 1階 大ホール
森、里、海で研究している13人の学生さんが発表予定です。
詳細なプログラムはこちら(PDFファイル)。
◎事前申し込み不要です。
◎どなたでも参加していただけます。
◎途中参加、退出も可能です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大森紹仁助教の参加する研究グループが、日本近海で初めて珍渦虫を採取することに成功し、それが新種であることを明らかにしました。
珍渦虫は脳や肛門を欠くきわめて単純な体を持ち、その生態も謎に包まれていますが、後生動物の進化を解明する上で重要な動物です。本研究では、日本近海で初めて珍渦虫を採取することに成功し、採取された新種の珍渦虫から新たな器官を発見しました。この種を用いて研究を進めることで、動物の起源や進化の過程を探る上で興味深い新知見が得られることが期待されます。
本研究成果は、2017年12月18日付で、BMC Evolutionary Biology誌にて公開されました。
詳細については、筑波大学および東京大学のホームページをご覧ください。
筑波大学 該当ページ: https://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201712181000.html
東京大学 該当ページ: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/5682/