東京医科歯科大学 S:海洋生物学実習(2024/8/26-28)
2泊3日の日程で海洋生物学実習を実施しました。実質的には1日半で、岸壁での灯火採集、船によるプランクトン採集、ウニの発生観察、シュノーケリングによる磯採集を行うというハードなスケジュールを無事にこなすことができました。灯火採集や磯採集で初めて見る磯の生き物に感激していた学生が多く、その形態や動きを一生懸命にスケッチしていました(写真)。また、ウニの受精と初期発生の観察実験でも、教科書で見ていた発生の写真や図を生で見ることができて感動していました。(文責:安東)

磯生物を観察・スケッチしている様子。
(updated on 2024.10.04)
WaN佐渡臨海実習(2024/8/15-18)
国際ペットワールド専門学校(WaN)の臨海実習を、天候に恵まれた中で実施しました。初日に達者海岸で、また2日目には達者湾対岸のこばまに渡って、シュノーケルによる磯採集を行いました。生徒の皆さんは、普段から新潟市の日和浜海岸でたも網による生物採集を行っていますが、日和浜海岸で採れるものとは違う磯の生き物を見て感激していました。特に、こばまでは絶好のコンデションの中で採集と観察を行うことができ、岩に生息しているカサガイの仲間やフジツボなどをじっくり観察できました(写真1、2)。今回、3日目に新型コロナウイルス陽性者が出たため、ウニの発生の実験・観察ができなかったのは残念ですが、磯採集と灯火採集、プランクトン採集で、海の生き物の多様性の一旦を実感できた3日間になったと思います。(文責:安東)


(左)こばまでのシュノーケリングによる磯採集の様子。(右)こばまでフジツボの蔓脚が動くのを観察している様子。
(updated on 2024.10.04)
慶應義塾大学理工学部「生物学実験集中」(2024/9/4-8)
報告が少し遅くなりましたが、9月に入って2つめの実習として、慶應義塾大学の臨海実習を行いました。今回が初めての佐渡での実習で、実習前半は大学生に加えて慶應義塾普通部の中学生も参加しました。大学生向けの講義は普通部の皆さんには少し難しかったかと思いますが、灯火採集では大学生顔負けの網さばきで様々な生物を採ってきてくれました。また、ウニの人工受精と発生観察やウミホタルの生物発光の観察なども行い、海洋生物の発生や生態の面白さも感じてもらえたのではないでしょうか。大学生のみの実習メニューでは、悪天候で船は出せませんでしたが、シュノーケリングによる磯採集や岸壁からのプランクトン採集、砂や海藻の洗い出しで、大小様々な海洋生物が採集・観察でき、お気に入りの生物の観察結果を発表する発表会でも、単細胞生物から魚まで様々な生物が紹介されました。今回の実習で海洋生物に興味を持ってもらえたなら、ぜひ太平洋側の海でも海洋生物を採集・観察して、佐渡の海との違いを比較してみてください。(文責:大森)


(左)灯火採集の様子。(右)シュノーケリングで生物発見!


(左)ウニに薬剤を注射して採卵します。(写真:川坂健人)(右)砂の中から小さな生物を洗い出して観察しました。
(updated on 2024.09.20)
佐渡市理科教育センター 子どものための科学祭り 海そうの中の生きもの探し(2024/9/16)
理科センター主催のイベントにブースを出展してきました。今年は海藻の中の生きもの探しです。佐渡は豊かな海藻に恵まれ、多くの種類の海藻を日常的に食べるため、大人も子どもも海藻に親しんでいると思います。海藻の中には、意外と多くの小さな生きものたちが隠れています。海藻は美味しいだけでなく、生きものの生活の場でもあるのです。当日の朝に海で採った海藻を持参して、生きもの探しをしてもらいました。一番多かったのはいくつかの種類の巻き貝で、その他にもカニやエビ、ワレカラなどの甲殻類、ゴカイ類など様々な生きものが入っていました。見つけたものは実体顕微鏡で観察です。拡大された姿に夢中になるお子さんたちも。自由研究で海の生物を題材にしたり、生きものに詳しいお子さんたちも沢山来場してくれて、大盛況でした。生きものや海への関心をますますもってもらえたようでした。(文責:飯田)

海藻の中の小さな生きものを探しています。
(updated on 2024.09.19)
公開臨海実習 森里海をつなぐ野外生態学コース/新潟大学個性化科目 森・里・海フィールド実習(2024/9/9-14)
9月に入って涼しくなってきたところで「森里海実習」を行いました。この実習は、臨海実験所だけでなく、佐渡自然共生科学センターの里山領域/朱鷺・自然再生学研究施設と森林領域/演習林もまわる一週間のコースです。今年も全国から、生きもの好きの多くの学生の方が参加してくれました。佐渡は例年9月になると秋雨の日が増えるため天候を気にしていましたが、幸い雨に降られず野外実習ができました。里山パートでは、朱鷺や朱鷺の再導入に関わる講義を聞き、今では野外に500個体以上となったトキを観察することができました。自然再生現場での調査では、ビオトープの環境によって、生息する水生動物種が大きく変わることが実感できたと思います。海パートでは、シュノーケリングや岸壁での採集で採ってきた動物の全種同定をしました。班で協力して、細かな特徴をじっくり観察し、同定の難しい種が分かった時には歓声が上がっていましたね。川パートでは外部講師として龍谷大学から岸本先生をお招きし、「河川の虫たち」について講義してもらい、河川での調査で様々な水生昆虫や底生動物を観察しました。森パートでは、渓畔林で森と川のつながりをみて、人の手が入った草原と入らない草原である風衝地で、植生の違いを観察しました。天然杉林では、霧で幻想的なスギを堪能できたと思います。学生のみなさんは、それぞれ詳しい生きものの情報を交換したり、交流していましたね。盛りだくさんの内容で体力勝負でしたが、生物多様性や生態系間のつながりについて考える機会になっていたら幸いです。(文責:飯田)


(左)新潟大学の管理する棚田跡地を利用した自然再生現場では多くの動物が見られます。(右)トキの餌となる生物を増やす取り組みをしている水田を観察しました。


(左)海で採れた動物を協力して種同定しました。(写真:川坂健人)(右)川で採れた底生動物を観察中。


(左)牛の放牧が行われていた自然草原は、牛の好まない植物が多くみられます。(写真:川坂健人)(右)天然杉林。ちょうど霧で幻想的でした。
(updated on 2024.09.17)
大阪産業大学デザイン工学部環境理工学科「生態学特別演習2」(2024/9/1-3)
9月最初の実習は大阪産業大学の実習です。台風の影響で生憎の天候となり、特にプランクトン採集では、姫津港の岸壁で採集を開始した直後に大雨となってしまいましたが、短時間の採集となったにもかかわらず、普段は見かけない様々なプランクトンが採集できました。シュノーケリングによる磯採集では、陸上は肌寒いくらいの気温でしたが海中は暖かく、ヒモムシやヒトデ、ウミウシなどの生物が採集されました。採集後の観察では計48種の海洋生物が同定され、さらに両津港への移動の途中では20羽を超える野生のトキも観察することができ、佐渡島の特異で多様な生態系が実感できたのではないかと思います。(文責:大森)


(左)灯火採集の様子。フグの群れなども見られました。(右)雨の中でのプランクトン採集。悪天候にもかかわらず様々なプランクトンが採れました。
(updated on 2024.09.07)
新潟大学 理学部 海洋生物学実験(2024/8/29-8/31)
理学部地質科学プログラムの専門科目「海洋生物学実験」を実施しました。栗原先生、椎野先生の引率で、初日は平根崎の波蝕甌穴で化石を見たり、世界遺産に登録された金山を見学して、臨海実験所へ到着。動きの遅い台風を気にしながらの実習となりました。いまいちな天気予報の中、2日目のメイン、シュノーケリングでの磯採集の時間は、予報に反して快晴。いい天気でおだやかな海で、観察、採集をすることができました。雨のため、予定していた灯火採集や、船での実習はできませんでしたが、岸からプランクトンネットを曳いたところ、たくさんのプランクトンが採れました。化石になる生物もならない生物も、興味をもって観察していました。リピーターや生きものに詳しい学生さんも多かったですね。今後の地質科学の学習や研究につながる学びがあったのではと思います。放散虫について、私も新たな知識が増えました。(文責:飯田)


(左)いい天気で磯採集日和でした。(右)協力して全種の同定をしました。
(updated on 2024.08.31)
新潟大学「臨海実習I」「環境生物学野外実習B」「先端臨海実習」、公開臨海実習「佐渡・海洋生物学コース」(2024/8/19-24)
新潟大学の学内対象の「臨海実習I」「環境生物学野外実習B」「先端臨海実習」と、他大学対象の公開臨海実習「佐渡・海洋生物学コース」を合同で開催しました。本年は新大生11名に加えて、全国の9つの大学から13名が参加しました。岸壁での灯火採集や船上でのプランクトン採集、シュノーケリングでの磯採集、沢根海岸でのベントス採集、帯状分布調査といった恒例のメニューのほか、理学部の宮﨑先生の指導のもと、採集した砂泥からメイオベントス(非常に小さい底生生物)を分離する"洗い出し"作業を行いました。線形動物などいつもの採集では出現しない動物門が観察でき、私たちにも良い経験になりました。観察やスケッチを通じて海洋生物の多様性や系統関係についての理解が深まったことと思います。最終日には演習林施設を訪問し、蕪木先生から佐渡島の植生について講義を受けました。その後、大野亀の植生について阿部先生からの解説を受けながら散策しました。10門15綱20種のスケッチやグループ発表など課題が多く大変だったと思いますが、学生さんが楽しんでくれたようでなによりです。(文責:川坂)


(左)磯採集の様子。波もなくとても澄んでいました。佐渡の海の美しさを実感してもらえたと思います。(写真:大森紹仁)(右)メイオベントスの洗い出し。砂泥にいるベントスを篩でこしとります。


(左)方形枠調査の様子。班で協力して水深毎の磯生物の分布を調べました。(右)大野亀での散策。最終日ですが皆さん元気に駆け上っていきました。(写真:飯田碧)
(updated on 2024.08.26)
放送大学面接授業「海洋生物の多様性と適応進化」(2024/7/2-4)
放送大学面接授業「海洋生物の多様性と適応進化」を2泊3日の合宿形式で実施しました。2021年以来3年ぶりの実習で、全国から集まった28名の学生を受け入れて行いました。前の週から天候が不順で実施できるか心配していましたが、なんとか問題なくウニの発生、プランクトン採集、磯採集のすべてのプログラムを行うことができました。今年の実習では、採集した生き物のスケッチをしてもらいました。スケッチをするのは初めての人が多かったですが、皆、真剣に生き物を観察して、その特徴をみごとに表現していました。スケッチをすることによって他の動物種との共通点や違いをよりはっきりと理解できたという感想が聞かれました。また、2日目の夜の打ち上げパーティーを含めて、全国から集まった学生の間で学習センターを超えたさまざまな情報交換が行なわれ、学生間の交流を深めることができた3日間になったと思います。(文責:安東)


(左)採集した生き物のスケッチをしている様子。(右)採集したオトヒメゴカイの仲間。(写真:大森紹仁)
(updated on 2024.08.16)
大妻女子大学 生物環境保全学ゼミ 臨海実習(2024/8/5-8)
全国的に猛暑や荒天が続いていますが、佐渡は海風が涼しい今日このごろです。Covid-19で中断していた大妻女子大の実習を、久々に実施しました。岸壁での灯火採集やシュノーケリングでの磯採集、実習船でのプランクトン採集などを行って、東京ではみられない様々な海洋生物を観察しました。定番のアオウミウシに加えて、クロシタナシウミウシや紫汁を出すアメフラシが人気者になっていました。観察した磯の動物やプランクトンをモチーフにデザイン制作も行って、かわいらしい図案が考案されていました。海は久しぶりの方も多かったようですが、海の豊かさを実感してくれたようで、なによりです。(文責:飯田)


(左)実習船でプランクトン採集に出発です。(右)アオウミウシも海の中で観察できましたね。(写真:川坂健人)
(updated on 2024.08.15)
浦和大学こども学部学校教育学科「自然科学・理科教育ゼミ臨海実習」(2024/8/8-10)
今年で3回目となる浦和大学の臨海実習。昨年は猛暑の中での実習でしたが、今年は比較的過ごしやすい気候の中で行うことができました。岸壁での灯火採集と磯でのシュノーケリング採集で採れた生物の種同定では、初めはどの図鑑を調べたらよいかわからない様子だった学生さんたちも、実習が進むにつれて、徐々に図鑑の見方に慣れてスムーズに同定が行えるようになっていました。最終的には9門47種の海洋生物が同定され、海の生き物の多様性が良くわかる結果になったと思います。実習後半には川の生き物の採集と観察も行い、ハゼの仲間やトンボ類のヤゴなど、佐渡の清流に生きる様々な生き物を見ることができました。また、夜には星の観察も行い、街灯りの少ない佐渡の夜空に浮かぶ星座や流星に歓声が上がっていました。自然豊かな佐渡での学びを今後の教材作りなどに活かしてもらえればと思います。(文責:大森)


(左)灯火採集の様子。灯りの下にはゴカイや魚が集まります。(右)川で採れた生き物を観察。何が採れたかな?
(updated on 2024.08.10)
新潟大学公開講座 「高校生対象公開臨海実習」(2024/7/30-8/2)
本年は新潟県、東京都の5校から高校生17名と教員3名が参加しました。梅雨も明け、灯火採集やプランクトン採集、シュノーケリングによる磯採集、ウニの人工受精と発生の観察などほとんどのプログラムを予定通り実施しました。さまざまな方法で海の生き物を採集・観察することで、海洋生物の形態や生活様式の多様性を実感することができました。さらに、実習の締めくくりとして、観察した生物の発表会を行いました。ほかの参加者の発表や質疑を通して生物への理解がさらに深まったことと思います。加えて外部講師として新潟市水族館マリンピア日本海の元館長の鈴木さんと、飼育スタッフの石澤さん、清水さんにご協力いただき、動物の分類に関する講義や、ウミホタルの生物発光の実演と解説をしていただきました。ありがとうございました。(文責:川坂)


(左)ウニの人工受精実験。薬剤を注入し、放卵・放精を促します。(右)こばまでの採集。人為的な改変がない磯で、実験所前の磯とは異なる生き物が観察できます。


(左)マリンピアの方によるウミホタルの解説。手前の円形水槽にウミホタルが入っています。(右)生物発光の様子。(写真:飯田碧)
(updated on 2024.08.05)
佐渡市理科教育センター 佐渡学研修会④「磯の生物の生態研修会」(2024/7/29)
なかなか梅雨が明けずすっきりしない天気が続く中、佐渡市内の小中学校の先生方を対象とした研修会が行われました。この日は波がやや高く、シュノーケリング採集中も海中で体が波に揺られて安定しない状況でしたが、流されたブイに付着するエボシガイなど普段あまり見かけない動物も見つかり、海況の悪さにもかかわらず6動物門34種の海産動物が採集されました。また、磯の生き物の観察後に室内で行われた海藻の中の生き物探しでは、大量の小さな巻貝をはじめとして、ゴカイやヒモムシなど様々なグループの動物が見つかり、佐渡の海の生物多様性を実感できたのではないかと思います。研修に参加された教員の皆様には、今回の研修の経験を生かして、佐渡の海の豊かさを児童生徒の皆さんに伝えていってもらえると嬉しいです。お疲れさまでした。(文責:大森)


(左)やや波がある中での磯採集。(写真:飯田碧)(右)採集した生物の名前を図鑑で調べます。(写真:飯田碧)
(updated on 2024.08.01)
佐渡市 こども環境学習会 佐渡の海の生きもの調査(2024/7/27)
夏休みに入りましたね。佐渡金銀山が世界遺産に登録されました!その発表の日に、市内の小学生の方を対象に、佐渡市こども環境学習会を臨海実験所で行いました。佐渡の海について学習したあと、臨海実験所裏手の磯でシュノーケリングをしました。磯にでかける時に、ほんの一瞬雨が降りましたが、海はおだやかで、海水温もあたたかく、海の中は快適だったようです。海では、みんなたくさんの生きものを採ってきてくれました。タコも採れました!午後は自分たちでとってきた生きものの絵を描いて、名前を調べました。海藻の中にいる小さな生きもの探しもしました。最後は、描いた絵をつかって発表会です。どの絵や発表も生きものたちの特徴をとらえていて、子どもさんたちの観察力が見事でした。これからも、うつくしい佐渡の海に親しんでもらえたらうれしいです。(文責:飯田)


(左)くもってはいましたが、シュノーケリング日和でした。(写真:大森紹仁)(右)海藻の中の生きものに興味津々。
(updated on 2024.07.30)
新潟大学 理学部 理学基礎演習(フィールド科学人材育成プログラム) 佐渡海洋生物観察実習(2024/7/20-7/21)
1泊2日で1年生向けの実習を行いました。この実習は、海洋生物に関する調査や観察の方法を学ぶことを目的としています。岸からプランクトンネットを曳いて、プランクトンの採集や海洋環境の観測の方法を実際に体験してもらいました。また、岸壁での定性的な採集で色々な生物がいるのを確認し、スケッチや発表を行って生物観察や人に伝える際のポイントを学習しました。どの発表も観察をよく行っていることが分かりました。この実習が、これからの主体的な学びの参考になればうれしいです。(文責:飯田)


(左)雨予報でしたが晴れました。波が高かったので、船は出さずに岸からプランクトン採集を行いました。(右)観察した生物について発表をしました。(写真:川坂健人)
(updated on 2024.07.24)
新潟大学 「系統動物学」(2024/7/8-11)
理学部生物学プログラムと理・農学部フィールド科学人材育成プログラムの専門科目「系統動物学」の集中講義を臨海実験所で行いました。座学が中心で、原生生物からはじまり、旧口・新口と多岐にわたる動物門の系統関係や特徴を学ぶのがねらいです。今年は30名と大人数でした。生物への関心の高さがうかがえました。大雨で野外活動ができないかと思いましたが、なんとかプランクトン採集とシュノーケリングでの磯採集もできました。座学と併せて、自分たちで採集した生物を観察し分類することで、それぞれの門の特徴について、理解が進んだのではないでしょうか。次は実習に参加して、より多くの海洋動物を観察してもらえればと思います。(文責:飯田)


(左)刺胞動物門について説明中。特徴は刺胞ですね。(写真:大森紹仁)(右)大森先生の講義の様子。珍無腸動物門を知っていますか?


(左)あいにくの小雨でしたが、磯採集もしました。(右)みんなで相談しながら磯の動物で系統樹を描きました。(写真:大森紹仁)
(updated on 2024.07.11)
新潟大学理学部「環境生物学野外実習C」/公開臨海実習「動物発生学臨海実習」(2024/3/4-8)
例年3月上旬に開講している、新潟大学生向けの環境生物学野外実習Cと他大学生向けの公開臨海実習の合同実習を行いました。本年度は前年度に引き続きウニの発生実験をメインとした実習です。今年度は東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所の黒川大輔助教をお招きして、海産動物と進化発生学に関する特別講義を行っていただくとともに、この時期に成熟するバフンウニを用いて、人工受精と正常発生の観察、カルシウム除去海水、pH低下海水、各種金属イオン添加海水を用いた処理実験、および、抗体染色による細胞分裂装置の可視化実験を行いました。黒川先生の特別講義では、棘皮動物や脊椎動物を含む新口動物の体制、特に頭部を始めとする体軸に沿った体の構造の進化について、進化発生学の観点からとても分かりやすく解説していただきました。ウニの発生実験では、成熟卵をもつメス個体が少なかったり、抗体染色で目的の物質が検出できなかったりと、生き物を使った実験の難しさを改めて認識させる出来事もありましたが、比較的短時間で形がどんどん変わっていくウニ胚の様子を、受講生の皆さんはとても熱心に観察しており、最後の発表会ではとてもよくまとまった資料を作って発表してくれました。発生実験の後には実験所の目の前の岸壁での生物採集も行い、普段見慣れないであろう様々な海の生き物を採集・観察してもらいました。今回の実習を通じて、海洋生物とその発生の面白さを受講生の皆さんに伝えることができたなら幸いです。(文責:大森)


(左)黒川先生による特別講義。(写真:長部有沙)(右)ウニに薬剤を注射して放精、放卵させます。(写真:川坂健人)


(左)正常に発生したバフンウニの初期原腸胚。(右)発表会の内容について、班で話し合います。(写真:川坂健人)
(updated on 2024.03.10)
新潟大学佐渡自然共生科学センター学生発表会(2024/3/1)
毎年行っている佐渡自然共生科学センターの学生発表会が3月1日に開催されました。昨年と同様にトキ交流会館での対面とZoomによるオンラインのハイブリッド形式での開催で、総勢25名の学生さんが森・里・海に関する各自の最新の研究成果を発表しました。大学での卒研・修論・中間発表とは少し違った質問も出ており、学生の皆さんにも実りのある発表会になったのではないかと思います。お疲れさまでした。(文責:大森)

臨海実験所D2のParvezさんの発表風景。(写真:川坂健人)
(updated on 2024.03.10)
長野大学環境ツーリズム学部 専門ゼミナール 佐渡臨海実習(2023/9/25-9/28)
いつもより暑い佐渡でしたが、先日から急に涼しくなりました。すぐに冬がやってきそうです。そんな中、夏の最後の実習として長野大学のみなさんが来島して実習を行いました。秋雨前線もあり天候に気をもみましたが、河川での採集調査、シュノーケリングでの磯採集、トキや水田の観察など、おおむね、予定していた内容を実施できました。去年に続いてきてくれている方もいましたが、去年とはまた違った生き物も見られたことと思います。河川では、普段上田市で見る河川との違いを実感しているようでした。特に上流は景観も魚も違いますね。今年もイワナやヤマメを観察できました。里山では、トキの講義を聴いて、外では、ちょうどねぐらに帰ってくるたくさんのトキを観察することができました。生き物をじっくり観察してスケッチするといった活動も充実していたようでした。野外での採集や調査、室内での観察、どちらも生物や環境の理解に重要ですね。実習が、今後の研究や学習に役立ってくれたらうれしいです。(文責:飯田)


(左)河口付近でも上流のような景観です。(右)少し上流へ行くと渓流です。


(左)磯採集ではアオウミウシなどが採れました。曇り空でしたが、まだ海水温は高く寒くはなかったようです。(右)夜は雨だったので予定していた灯火採集ではなく、昼間に岸壁で採集をしました。ここでもウニやアメフラシなどたくさんの動物が採れました。

長野県では少ない大規模な近代的な水田の観察。ここでも朱鷺が見られました。
(updated on 2023.10.02)
佐渡市理科教育センター 子どものための科学祭り(2023/9/18)
理科教育センター主催の子どものための科学祭りの科学体験教室に、臨海実験所は今年もブースを出展しました。今年は、海藻のしおり作りです。この夏は例年にない暑さで海の中も色々と様子が違っていて、海藻の減るのも早かったです。普段の年は、この時期でもきれいな緑色をしたアオサ類などが繁茂しているのですが、今年は茶色の褐藻が中心となりました。それでも、参加者のみなさんは、思い思いに紙に海藻を並べて、しおりを作っていました。別室で開催されていた児童・生徒の作品展は、今年もレベルが高く、佐渡の自然について調べたものも多くありました。子どもさんたちが、佐渡の海や理科に関心を持つきっかけになれば幸いです。(文責:飯田)

色々な海藻を並べていきます。
(updated on 2023.10.02)
公開臨海実習 森里海をつなぐ野外生態学コース・新潟大学個性化科目 森・里・海フィールド実習(2023/9/11-9/16)
9月に入っても例年になく暑く晴天も続いている佐渡です。公開臨海実習を学内実習と合同で行いました。今年も元気いっぱいな20名以上の学生さんが全国から参加してくれました。本実習は里からはじまり、海、川、森と多様な自然がつまった佐渡を満喫できる内容となっています。里では今年もたくさんの朱鷺を観察することができました。本学の管理している棚田跡地で生物採集を行って、昆虫など水生生物の巧みなつくりを観察しました。海のパートでは、いい天気のもとシュノーケリングや岸壁での採集を行って、海洋生物の多様性を体感しました。川では、底生生物が少しの環境の違いで変わる様子も観察できたことと思います。森では、渓畔林の特徴や多雪地である佐渡ならではの天然スギ、対照的な人工林もみられました。どのパートも多様な生物が観察できるとあって、参加者のみなさんは、とても熱心にずっと生き物を観察していました。空いた時間に自分たちで観察を行っている方もいましたね。今年は川パートを昨年までより拡充したのですが、生物の多様性や生態系間のつながりについて、より理解が深まったのではないかと思います。学生さんたちはお互いによい刺激を受けていたようでした。佐渡センターの3つの施設を移動しながらで大変な部分もあったと思いますが、楽しんで参加してくれたようで何よりです。私も改めて佐渡の自然の豊かさを実感しました。(文責:飯田)


(左)棚田跡地での生物採集。昆虫やアマカエルなど色々な動物が採れました。(右)トキの餌場として「江」が作られている水田の見学。足下にはたくさんのトキの足跡が見られました。


(左)透明度の高い海で磯採集。(写真:大森紹仁)(右)川では班ごとに採集を行いました。(写真:演習林・古郡先生)


(左)渓畔林を観察して、河川の上流は下流とどう流れや生物が違うかもみました。(写真:東京農業大・綿引先生)(右)天然スギの森。今年は暑さで森もカラカラだったそうですが、9月になり霧が見られるようになりました。
(updated on 2023.09.21)
新潟大学「臨海実習Ⅰ」/公開臨海実習「佐渡・海洋生物学コース」(2023/8/21-26)
新潟大学の理・農学部を対象とした「臨海実習Ⅰ」と、他大学の学生を対象にした公開臨海実習「佐渡・海洋生物学コース」を合同で開催しました。本年は新潟大学と他大学から合計24名の学生が参加しました。天候に恵まれ、岸壁での集魚灯採集や実習船アイビスIIでのプランクトン採集、シュノーケリングでの磯採集、ウミホタルの観察、砂浜海岸でのベントス採集、磯での帯状分布調査など、すべての野外活動を予定通り実施できました。6日間かけて様々な場所、方法で海洋生物を採集・観察し、さらに10門15綱20種のスケッチを描いたことで、生物の多様性や系統についての理解が深まったのではないでしょうか。最終日には演習林施設にて古郡先生から佐渡島の植生に関する講義を受けたあと、大野亀を巡検し、大佐渡海岸をぐるりと回って両津港で解散しました。まだまだ残暑厳しく、そしてハードな実習日程でしたが、皆さん最後まで熱心に取り組んでいました。本当にお疲れさまでした。(文責:川坂)


(左)船上での透明度測定。この日は透明度板が底につくほど水が澄んでいました。(右)シュノーケルでの磯採集。きれいな佐渡の海を満喫していました。


(左)砂浜海岸でのベントス採集。(写真:大森紹仁)(右)帯状分布調査で採集した生物の同定作業。岸から5m先までのわずかな距離でも、水深とともに出現する種が大きく変わりました。
(updated on 2023.09.21)
近畿大学 農学部 「水産生物学実習」(2023/9/6-9)
9月も2週目になり突然涼しくなりました。まだまだ海に入っての実習シーズンは続きます。奈良から、近畿大学の学生さんと先生方が来島して、実習を行いました。初日はあいにくの雨でしたが、2日目は快晴のもと、シュノーケリングでの磯採集ができました。海の中は暖かかったようで、みんなたくさんの動物を採集していました。今年は暑かったせいか、ウミウシ、アメフラシ類が少なめでしたが、アオウミウシも採集できていましたね。台風の余波による強風と波で、残念ながら船でのプランクトン採集ができませんでしたが、岸から網を曳くと、多くの種類のプランクトンが採れました。じっくり観察、スケッチする時間もあり、最後の発表会も質問も出て活発でしたね。普段は水産資源となる魚類などについて学ぶことが多い学生さんたちにも、実は身近にいる珍しい海洋生物たちを観察するよい機会となったのではと思います。(文責:飯田)


(左)よい天気で磯採集日和でした。楽しい!といいながら採集してました。(写真:川坂健人)(右)採れた動物を門ごとに分類しました。(写真:川坂健人)


(左)手でネットを曳いてプランクトンを採集。(右)発表会ではスケッチと観察の結果を発表しました。(写真:川坂健人)
(updated on 2023.09.15)
大阪産業大学デザイン工学部「生態学特別演習2」(2023/8/30-9/1)
まだまだ残暑が厳しい中、大阪産業大学の生態学特別演習2が開催されました。暑さの代わりに天候には恵まれ、岸壁での夜間採集、プランクトン採集、シュノーケリング採集に、採れた生物の全種同定と、盛りだくさんの内容を滞りなく行うことが出来ました。帰路の両津港への移動では田んぼから飛び立つトキの群れを見ることもでき、佐渡を満喫できたのではないかと思います。お疲れさまでした。(文責:大森)


(左)波の穏やかな姫津漁港でのプランクトン採集。(右)採れた生物の同定中。実験所にある様々な図鑑を見比べながら同定していきます。
(updated on 2023.09.05)
新潟大学理学部 「海洋生物学実験」(2023/8/27-8/29)
新潟大学理学部地質科学プログラムの実習科目、海洋生物学実験を対面で実施しました。2日間の短い日程の中で磯採集とプランクトン採集を行いました。磯採集は波もなく穏やかな海の中でゆっくりと採集ができました。今年度は参加学生が5名と少なかったですが、採集した動物、全部で39種を同定することができました。プランクトンは放散虫や珪藻など外洋性のプランクトンを観察することができました。(文責:安東)


(左)採集した動物の同定に取り組んでいる様子。(右)採集したプランクトンを説明する松岡先生。(写真:川坂健人)
(updated on 2023.09.04)
佐渡市理科教育センター 佐渡学研修会 「磯の生物の生態研修会」(2023/7/31)
佐渡市の小中学校の先生方を対象とした海の生物の研修会を行いました。よい天気の中、新しいアイビスIIでのプランクトンの採集と観察、シュノーケリングでの磯の生物の採集と観察を行いました。穏やかな海で、透明度の測定も行いました。透明度20 m以上のうつくしい佐渡の海を実感していただけたのではと思います。何度も参加していただいている方、初参加の方と多くの先生方が参加してくれました。身近な佐渡の海のすばらしさや海洋生物の多様性を、児童・生徒のみなさんに伝えていっていただければうれしいです。また来年もお待ちしています。(文責:飯田)


(左)透明度を計測中。凪で海での調査日和でした。(右)色々なプランクトンを観察できました。(写真:川坂健人)
(updated on 2023.08.30)
WaN佐渡臨海実習(2023/8/17-8/20)
国際ペットワールド専門学校(WaN)の臨海実習を初めて開催しました。3年前から実施を検討していましたが、コロナ禍の中で中止を余儀なくされてきました。前の週に発生した台風7号の影響を心配していましたが、幸いに佐渡をそれて日本海を抜けたため、天候に恵まれた中で実施できました。2日目には、達者湾対岸のこばまに渡って絶好のコンデションの中で磯採集を行いました(写真1)。参加した生徒の皆さんは、WaNの実習として普段から新潟市の日和浜海岸でたも網による生物採集を行っており、磯生物の採集に慣れているため、ウミウシ(6~7種)やヒラムシ、ウミシダなどの様々な磯生物を採集することができました。灯火採集ではアオリイカを捕まえることができ、その行動や体色変化などをじっくり観察できました。(文責:安東)


(左)こばまでの磯採集の様子 (右)灯火採集で捕まえたアオリイカ(写真:大森紹仁)
(updated on 2023.08.21)
高校生対象公開臨海実習(2023/8/1-8/4)
4年ぶりに新潟大学公開講座「高校生対象公開臨海実習」を対面で開催しました。新潟県、東京都、大阪府の11校から高校生28名と理科教諭5名が集まり、外部講師として招いた新潟市水族館マリンピア日本海の元館長の鈴木さんとマリンピア日本海のスタッフ2名と合わせて、久しぶりの大人数での実習でした。天候も良く、2回のシュノーケリングによる磯採集、灯火採集、プランクトン採集、ウニの受精と初期発生の観察を行い、佐渡の海の生き物の多様性を実感することができました。夜にはウミホタルを採集し、マリンピア日本海のスタッフから、そのきれいな発光や生態について解説をしていただきました(写真1、2)。また、これまで30年近くにわたって実施してきた高校生対象公開臨海実習において、今回初めて、観察した磯生物についての発表会を最後に行いました。参加した生徒の皆さんは、それぞれ気に入った動物の観察・同定・スケッチに熱心に取り組み、発表会でも他の人の発表について質問したり補足したりして、海の動物についての理解を深めることができました。(文責:安東)


(左)光っているウミホタル(写真:加藤陽一郎)(右)ウミホタル(体長3mm位)(写真:加藤陽一郎)

観察した海洋動物についての発表会の様子(写真:加藤陽一郎)
(updated on 2023.08.21)
浦和大学こども学部学校教育学科「自然科学・理科教育ゼミ臨海実習」(2023/8/9-11)
お盆前最後の実習は浦和大学の実習です。引き続き35℃を超える暑さが続く中での実習でしたが、埼玉の暑さに慣れた学生さん達は元気に実習に参加してくれました。教育系の普段の学修ではおそらくやることがない、図鑑を引きながらの海洋生物の同定作業にはみなさん苦労しているようでしたが、最終的には1 cm以下の小さな生き物までしっかり同定できるようになりました。2日目の午後には近くの達者川での生物採集も行い、海とはまた違った魚や昆虫などを観察しました。ぜひ今回の実習の経験を今後の教材作りに生かしてください。(文責:大森)


(左)灯火採集。良いもの採れた?(右)快晴の下でのシュノーケリング採集。

達者川での生物採集。足を使って手網に生物を追い込みます。
(updated on 2023.08.12)
東京医科歯科大学「S:海洋生物学実習」(2023/8/6-8)
昨年はコロナ禍でオンライン実習となった東京医科歯科大学の実習ですが、今年は佐渡での対面で行うことが出来ました。台風によるフェーン現象で連日35℃を超える酷暑となった中、実質1日半で岸壁での灯火採集、船によるプランクトン採集、ウニの発生観察、シュノーケリングによる磯採集を行うかなりハードな実習でしたが、短時間で様々な海の生物に触れることで、海の生物多様性を実感できたのではないかと思います。今回の実習で得た海洋生物の知識を今後の医歯学の学修にも役立ててもらえると嬉しいです。(文責:大森)


(左)灯火採集では実験所前の岸壁では滅多に見ないゴンズイ玉が採れました。(写真:安東宏徳)(右)早朝のプランクトン採集。


(左)ウニに薬剤を注射して精子と卵を産ませます。(右)灯火採集と磯採集で採れた生き物の分類作業。
(updated on 2023.08.12)
佐渡市生活環境課「こども環境学習会」(2023/8/5)
今年の佐渡は8月に入ってからとても暑い日が続いていますが、暑さに負けずに市内の小学生がこども環境学習会に参加してくれました。実験所から近くの磯に行くだけでも汗が噴き出るほどでしたが、その分海でのシュノーケリング採集は気持ちよかったのではないでしょうか。みんなで採った生き物を観察してスケッチを描き、観察した生き物をみんなの前で発表することで、佐渡の海の生き物に興味を持ってもらえたのではないかと思います。学習会の最後には海藻押し葉標本の作製のやり方を習い、家でやる作業とできた押し葉標本の保存のためのセットを持ち帰ってもらいました。きれいな押し葉標本が出来ていると良いですね。(文責:大森)


(左)きれいな海でシュノーケリング採集。(右)いろんな海藻を組み合わせて自分だけの海藻標本を作ります。
(updated on 2023.08.12)
新潟大学理学部 理学基礎演習・佐渡海洋生物観察実習(7/15-7/16)
今年度2つめの宿泊をともなう実習を行いました。本実習は、理学部1年生向けにフィールドにおける調査法や学習法を学ぶことを目的として行っています。 数日前から梅雨終わりの大雨に見舞われ、実習が行えるか気をもんでいましたが、当日にはなんとか天候が回復しました。予定していた船でのプランクトンの調査はできませんでしたが、代わりに岸からネットを曳き、海洋環境の観測を行いました。岸壁での灯火採集やスケッチの方法も学んで発表会も行いました。みなさん元気に熱心に取り組んでいましたね。学んだことをこれからの学習に役立ててくれればと思います。(文責:飯田)


(左)環境観測のため、CTDを投入。前日までの大雨で表面はかなり低塩分でした。(写真:川坂健人)(右)プランクトンネットではだいぶ泥が採れてしまいましたが、プランクトンもたくさんいました。
(updated on 2023.07.31)
新潟大学 「系統動物学」(2023/7/10-13)
今年度最初となる泊まりがけの集中講義「系統動物学」を実施しました。理学部生物学プログラム、理・農学部フィールドプログラムの専門科目です。原生生物から始まり、海綿動物門から脊索動物門まで20以上の動物門について座学で学習をします。自分たちでプランクトンや岸壁にいる海洋動物を採集して観察もしました。あいにくの高波で予定していた海に入っての磯採集はできませんでしたが、座学と観察で海洋生物の多様性を理解してもらえたのではと思います。最後には久しぶりにバーベキューもしました。ぜひ次は実習に参加して、実際にもっと多くの生物を観察してもらえたらと思います。(文責:飯田)


(左)大森先生による講義の様子。軟体動物門は形態や機能が多様です。(右)私は脱皮動物などについて講義をしました。(写真:大森紹仁)


(左)波が高かったため、船ではなく岸壁でプランクトンを採集しました。(右)海に入る代わりに岸壁で生き物を採集しました。かなり多くの動物が採れました。(写真:大森紹仁)

採れた動物たちを使ってみんなで系統樹を描きました。(写真:大森紹仁)
(updated on 2023.07.16)
佐渡市立金泉小学校 校外学習(2023/7/7)
臨海実験所近くの佐渡市立金泉小学校の皆さんが、地域の海について学ぶために来所しました。佐渡の海に関する授業を行った後に、達者の海で採集された生き物を観察してもらい、その後、児童の皆さんからの地域の海に関する質問に回答しました。質問コーナーでは海岸の地形や生物多様性など様々な質問があり、児童の皆さんの地域の海への関心の高さが伺えました。アメフラシやヒモムシなどの変わった海の生き物にもふれあい、佐渡の海についてより一層詳しくなれたのではないかと思います。ぜひ、これからも地域の海に関心を持ち続けてくれると嬉しいです。(文責:大森)


(左)いろいろな達者の海の生き物と触れ合いました。(写真:川坂健人)(右)質問コーナーでは、集落ごとの海岸環境の違いについてなど、地元ならではの質問もありました。(写真:川坂健人)
(updated on 2023.07.10)
佐渡市 第5回環境学習ツアー「海洋マイクロプラスチック調査」(2023/6/25)
臨海実験所近くの達者海岸にて、佐渡市生活環境課の主催による海洋マイクロプラスチック調査を行いました。達者集落定例の海岸清掃と日程が重なり、大きな漂着ゴミは集落の方が処分してくださった後での調査となりましたが、そのような海岸でも、砂の中から非常に多くのマイクロプラスチックが採集されました。また、得られたマイクロプラスチックを顕微鏡で拡大観察すると、発泡スチロール片や肥料のカプセルなど、様々な由来のものがあることが確認できました。今回のイベントを通して、海洋プラスチック汚染の脅威を身近に感じてもらい、佐渡の海洋環境の保全について考えるきっかけを作ることができたのではないかと思います。参加してくださった皆様、日差しの強い中での調査、お疲れさまでした。(文責:大森)


(左)海岸の砂を篩ってマイクロプラスチックを探します。(写真:飯田碧)(右)採れたマイクロプラスチックは顕微鏡で観察し、何に由来するのかを考えました。(写真:飯田碧)
(updated on 2023.07.10)
佐渡市立赤泊小学校 校外学習(2023/06/13)
佐渡市立赤泊小学校5年生のみなさんが、校外学習の一環として、海のマイクロプラスチック汚染について学ぶために来所しました。佐渡の海とプラスチックごみについての簡単な説明の後に、近くの達者海岸で砂の中に混じったマイクロプラスチックを篩と手網を使って探し、採れたマイクロプラスチックは実習室に戻ってから実体顕微鏡で観察して、何に由来するプラスチックなのか、マイクロプラスチックが私たちにどのような影響を及ぼすのかについて一緒に考えました。透明度が高くてきれいな佐渡の海も、残念ながらプラスチック汚染が進んでしまっていることが実感できたのではないかと思います。今回の学習成果を今後の生活に役立ててもらえれば幸いです。(文責:大森)

砂浜でのマイクロプラスチック回収の様子。(写真:川坂健人)
(updated on 2023.06.19)