ハタハタ

ハタハタ

ハタハタ
Arctoscopus japonicus (Steindachner, 1881)
Sailfin sandfish

大きさ:20 cm
撮影場所:佐渡市北夷 転石帯砂地混じり 水深 4 m 水温12℃
撮影者:安房田智司(2012年1月)

脊索動物門 Chordata
亜門脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
スズキ目 Perciformes
亜目ワニギス亜目 Trachinoidei
ハタハタ科 Trichodontidae

主に北太平洋に生息する北方性の魚で、日本では北日本でたくさん漁獲されます。普段は水深数百メートルほどの砂泥底に棲んでいますが、繁殖期には産卵のために浅場に上がってきます。佐渡では年末年始にかけて群れで浅い場所に押し寄せ、ホンダワラ類の海藻にボール状の卵塊を産みつけます。美味しい魚で、特に卵はブリコと呼ばれ珍重されます。秋田県の県魚でもあり、ハタハタの身や内蔵を材料として日本三大魚醤の一つ「しょっつる」が作られます。写真はカゴに入ったハタハタを撮影したものです。夜行性で昼間は砂に潜って目や背びれだけを出して隠れているそうです。


ハタハタの卵塊 ハタハタの発眼卵

ボールのような卵塊と大きな卵
ハタハタの卵塊は直径 5 cmぐらいのボール状で、水面までのびるホンダワラ類の根元付近に産みつけられていました。打ち上げられた卵塊をウミネコが食べている映像を見たことがありますが、卵塊を食べる魚はいるのでしょうか?親は卵を産んだ後は保護を行わないので、いくらでも捕食されそうなのですが、卵自体がかなり硬いので食べにくいのかもしれません。
左の写真:ホンダワラ類の根元付近に産みつけられた卵塊。水深約 3 m。右の写真:水槽内で発眼した卵。卵の大きさは 3 mmもあります。(撮影者:安房田智司 2012年1月 佐渡市北夷)