研究紹介

神林研究室(動物学系)

教員

研究分野

系統分類学,進化生物学

研究テーマ

  1. ヒル類の系統分類と進化
  2. 脊椎動物間で生じる遺伝子の水平伝播

研究概要

地球上には本当に多様な生物が生息しています。当研究室では、それらが辿ってきた進化の歴史や多様性が創出される仕組みの理解を目指し、野外調査から形態観察、分子実験、データ解析まで様々な手法を取り入れて研究を行っています。現在取り組んでいる主要なテーマは以下の2つです。

テーマ1:ヒル類は吸血動物として有名ですが、実はその食性は一様ではありません。他の無脊椎動物を捕食あるいは吸液するものが、複数の系統で繰り返し出現しています。この食性進化のメカニズムを明らかにするため、ゲノムデータにもとづく解析を進めています。また、ここで主な対象としているヒラタビル科はヒル類の中で最も多様性の高いグループとされていますが、国内での分類学的研究は1930年代以降ほとんど進展がありませんでした。これらヒラタビル類について、既知種の分類学的再検討と種多様性の解明に取り組んでいます。

テーマ2:一般に生物の遺伝情報は親から子へ受け継がれますが、その一方、全く異なる生物間で遺伝子が飛び移る現象も知られています(水平伝播)。最近、アフリカを中心に分布するヘビ類から南アジア原産のブラーミニメクラヘビへの水平伝播現象を発見し、地理的に大きく離れた種間で、どのように伝播が生じたのかを調査しています。また、このブラーミニメクラヘビは異なる種間の交雑によって生じた異質三倍体のヘビとして知られています。本種を誕生させた親種は全く明らかになっていませんが、ゲノム解析によって新規同定したDNA配列をマーカーに、その親種の探索も行っています。

理学を目指すあなたへ

皆さん日頃から自然に対して色々な疑問や興味をお持ちと思います。本学は広く理学を学ぶことのできる環境が整っていますので、自身の好奇心をベースに、きっと楽しく探究できると思います。