研究紹介

凝縮系化学研究室(丸山研究室)

教員

研究分野

物理化学、粒子線散乱

研究テーマ

  1. 中性子散乱測定データの解析法の開発
  2. 液体の相転移に伴う構造変化の解明
  3. 液体の動的構造の解析

研究概要

 水などの液体は、地球環境あるいは生体において重要な役割を果たしています。また。化学反応の多くは水や他の溶媒などの液体状態で進みます。このように、液体の研究は自然科学のなかで重要な位置を占めています。ところが一方、液体には決まった形が無いことから分かるように、その中の原子・分子は不規則な分布をしています。そのために液体中の構造を調べることは、固体(結晶)に比べて非常に難しいテーマとなっています。

 そこで、私たちはまず液体の構造を調べるための実験法・データ解析法の開発を行っています。いろいろな物質の構造を調べるのにはX線などの回折・散乱が使われますが、液体の構造を精密に調べるにはさらに強力な装置が必要となります。そのため、以前から高エネルギー加速器研究機構と協力して中性子散乱装置を開発してきました。現在ではJ-PARCに新しい装置を作製しました。

 私たちが扱っているのは、液体セレンなどのカルコゲンと呼ばれる物質です。この液体は温度や組成を変えると電気的性質が変化し半導体から金属へ転移する興味深いものです。このような物質に対して、中性子散乱測定を行って構造解析を行うことで性質の変化の原因を探っています。このために、液体中の原子配置を3次元で表す方法なども研究しています。

理学を目指すあなたへ

 上に書いた研究は、物理や化学の基本的なことから始めて数学も使って積み重ね、これまでに分からなかったことに挑戦しています。いろいろ分からないことを解明したいと思った人は理学の世界を目指してはどうでしょう。