教員の受賞・表彰
酒泉 満 教授(自然環境科学科) ― 日本動物学会賞
2007年9月
受賞者:酒泉 満 教授
賞の発行:日本動物学会
賞の名称:日本動物学会賞
賞の位置づけ:100年を超える歴史を有する日本動物学会が、学術上有益で動
物学の進歩発展に重要な貢献をなす業績を挙げた研究者(個人またはグル-プ)
に贈る賞
受賞の名称:メダカの性決定に関する遺伝子・分子生物学的研究
受賞日時:2007年9月
本学自然科学系(理学部)の酒泉満教授が、「平成19年度日本動物学会賞」を
受賞しました。
この賞は,100年を超える歴史を有する日本動物学会が、学術上有益で動物
学の進歩発展に重要な貢献をなす業績を挙げた研究者(個人またはグループ)
に贈る賞であり、第1回は昭和14年までさかのぼることができるものです。
今回、酒泉教授は宇都宮大学准教授の松田勝氏と共同受賞しましたが、
松田氏は本学大学院自然科学研究科で酒泉満教授の指導で学位を取得した新進研究者であり、
今回の受賞は、文字通り本学を中心として行われた研究に対する賞であると言えます。
酒泉教授は、1980年代に日本各地の野生メダカを集めては、遺伝子解析を行
い「一見同じに見える日本のメダカは北日本集団と南日本集団という2つの遺
伝的に異なるグループからなる」ことを見出しました。その南北メダカの遺伝
的な違いを活用して、Y染色体上の性決定遺伝子の位置を特定、さらに、候補
遺伝子を定めて、それが確かにメダカの性決定遺伝子であることを、野生メダ
カから見いだした突然変異個体と、遺伝子工学的手法により確認しました。
脊椎動物の性決定遺伝子は、これまで哺乳類でしか見いだされておらず、メ
ダカの性決定遺伝子DMYは脊椎動物で2番目に発見されたものです。この研
究から、性という生き物にとって基本的な現象の制御機構の多様性の謎が明ら
かになることが期待されています。
なお,贈呈式は、弘前で開催された本年度の動物学会大会(9月20-22日)の中で、行われました。