理学部コロキウム
理学部の先生方がどのような研究を行い、どのような成果をあげられているかをお互いに知りあい交流するために、2002年度から理学部コロキウムを開催しています。教職員、学部生、院生のみなさん、是非参加くださるようご案内いたします。学外の方も歓迎です。
第147回 理学部コロキウム
おたまじゃくしがカエルになるしくみ
-成体の免疫T細胞に拒絶される幼生のしっぽ-
-成体の免疫T細胞に拒絶される幼生のしっぽ-
- 日時:
- 2025年6月25日(水)16:30 ~ 17:40
- オンラインZoom
- (教職員・学生の皆さんにはミーティングIDとパスコードを別途お知らせします)
講演概要
おたまじゃくしがカエルへ成長するとき、尾(しっぽ)が消失するという劇的な変化(変態)がおこります。この尾の消失のメカニズムについては、古くから、甲状腺ホルモンが血中に増えてきて、それをきっかけに尾の細胞が自ら死んでいき、尾が消失すると考えられてきました。私は、大学院生のときに、遺伝的に均一なアフリカツメガエルの系統をつかって、おたまじゃくしの尾の皮膚を成体のカエルに移植する実験を行いました(偶然にやったの!?とよく聞かれるのですが、考えてから行いました)。すると、免疫的な拒絶反応がおきました。本来はウイルスなどの外来の抗原を攻撃するための生体防御システムである「免疫」から、幼生の尾の皮膚が攻撃されたことになります。ヒトで例えるなら、「子どもの頃に採取しておいた皮膚を、大人になって同じヒトに移植したら、免疫的に非自己として認識され拒絶反応が起きた」ということに相当します。2004年の理学部コロキウムで同タイトルで発表してから、わかったことを、そのつづきをわかりやすくお話しします。
コロキウム問い合わせ先: 長束 俊治
natsuka [at] bio.sc.niigata-u.ac.jp
※上記の [at] を @ に置き換えてください。