フィールド科学人材育成プログラム

Program of Field Research in the Environmental Sciences

フィールド科学のすすめ

フィールドに出て、見て、触れて、調べて、野外の課題に対応できる実践力を身につける!

フィールド科学とは?

本プログラムは、理学部と農学部の教員が協働で授業や実習を担当する学部横断型プログラムで、「生態学」・「環境動態」・「災害科学」の3つの柱からなります。「生態学」は生態・森林再生・保全学、「環境動態」は海洋・気象学、地形・地質学、「災害科学」は自然災害科学・砂防学・防災学などがあり、これらをまたがる多彩なフィールド科学分野の講義および実習科目が用意されています。これらの豊富な科目群の学修やフィールドでの実習体験を通して、野外の様々な場面での問題解決に必要な科学的知識と実践的な技術を身につけます。

お勧めポイントは?

理学分野における基礎科学的な講義・実習と、農学分野における応用科学的な講義・実習を同時に学べます。豊富な科目群の学修やフィールドでの実習体験を通して、野外の様々な場面での問題解決に必要な科学的知識と実践的な技術を身につけます。佐渡自然共生科学センター、災害・復興科学研究所との協働体制をとることで、生物や環境の長期調査・モニタリングを実施できる機会を提供し、より実践的な研究を行います。

五十嵐浜での海浜植物スナビキソウの地下茎の調査

研究の特徴は?

理学分野と農学分野、さらに関連する研究所の研究室で研究活動が可能です。臨海実験所、演習林、朱鷺・自然再生学研究センター、災害・復興科学研究所との協働体制をとることで、生物や環境の長期調査・モニタリングを実施できる機会を提供し、より実践的な研究を行います。

柏崎市上空の気象を観測するラジオゾンデ放球の様子

教育の特徴は?

理学分野における生態学、海洋科学、気象学、地形・地質学等の基礎科学と、農学分野における野生植物・野生動物生態学、森林再生・保全学、砂防学、リモートセンシング等の応用科学、それに災害復興科学研究所における斜面災害、雪氷防災などの防災学に関する講義に加えて、演習林(山岳)、朱鷺・自然再生学研究センター(里地・里山)、臨海実験所(海)で実施されるフィールド実習を通して、基礎から応用にいたる幅広い知識・リテラシーを身につけることができます。

佐渡・達者における底生生物の調査

授業紹介

生態学

自然界で生物は単独では生きておらず、周囲の物理的・化学的環境や他の生物との相互作用を通して、生態系を構成しています。この講義では、生物の進化や分布に周囲の環境が与える影響を学び、それらが時間的・空間的に変化し生物多様性を生み出すことを学びます。

寒冷地形学

ヒマラヤやアルプスなどの世界の山岳地域では、近年の温暖化の影響で雪氷圏が大きく変化し、氷河や永久凍土の融解に起因する氷河災害や斜面災害が生じています。本講義では、氷河や、永久凍土などの周氷河環境などの基礎を学び、寒冷地形や雪氷圏変動を対象とする人工衛星画像とGISを用いた解析手法についても学びます。

環境物理学

我々を取り巻く自然の環境ではエネルギーと物質の輸送・交換が絶えず行われています。地表面付近の大気・陸面・水面・生態系の間のエネルギーや物質の輸送・交換過程を、物理量(温度、湿度、風速、日射量など)を用いて物理の法則に基づいて定量的に評価する方法を学び、生態系を含めた自然環境システムの仕組みの理解をします。

海洋化学

海洋は、生態系や水産資源の保全、海洋汚染、酸性化、気候変動等の人類を取り巻く重要課題と深く関係した地球システムであり、このような海洋の仕組みとそれを化学的なアプローチで紐解く方法を学びます。具体的には、海洋のフィールド観測に不可欠な海洋学的パラメター、生物海洋学及び海洋物理学の基礎を踏まえ、化学物質の分布を支配するメカニズム、生態系・炭素循環に果たす化学成分の役割、および海洋物質循環の解析法を学びます。

気象解析実習、地形解析実習

気象解析実習では、Fortran のプログラミング言語を用いた気象データの解析手法や、天気図の作成法と高層天気図の見方について学びます。地形解析実習では、地理情報システム(GIS)の使い方、GIS と衛星データや地形図を用いた地形変化の解析手法、空中写真の地形判読について学びます。

臨海実習I

海洋にはすべての動物門の生物が生息しており、体制の単純なものから複雑精緻なものまで多種多様である。本実習では、佐渡島の沿岸から河口、河川に至る様々な水圏フィールドで基礎的な生態調査法を学ぶ。そこに生息する多様な海洋生物を採集し、それらの体の構造や発生、生理機能、行動、生態について学ぶことを通して、海洋生物の形態や機能、生態の多様性とその進化を理解する。

ほかにも魅力的な授業科目がたくさんあります!

インド洋における船上での海洋観測

新潟県大白川での積雪断面観測

研究の紹介

顕著な大気現象を捉える

本田明治 教授

研究者リスト

分野等 スタッフ
理学部

石崎智美

研究者データ

佐渡自然共生科学センター臨海実験所
農学部

ウィタカ アンドリュー

研究者データ

権田 豊

研究者データ

柴田 嶺

研究者データ

関島恒夫

研究者データ

永野博彦

研究者データ

箕口秀夫

研究者データ

村上拓彦

研究者データ

森口喜成

研究者データ

吉川夏樹

研究者データ

佐渡自然共生科学センター演習林

阿部晴恵

研究者データ

梶本卓也

研究者データ

本間航介

研究者データ

佐渡自然共生科学センター朱鷺・自然再生学研究施設

高津邦夫

研究者データ

豊田光世

研究者データ

永田尚志

研究者データ

佐渡自然共生科学センターコミュニティデザイン室
災害・復興科学研究所

卜部厚志

研究者データ

河島克久

研究者データ

新屋啓文

研究者データ

西井稜子

研究者データ

安田浩保

研究者データ

渡部直喜

研究者データ

進路状況

卒業後は、フィールドで課題を解決できる実践力を生かして、国内外のさまざまな分野で活躍することが期待されています。さらに研究活動を継続したい学生は、新潟大学大学院に進学することにより特色ある最先端のフィールド科学研究に取り組むことができます。

進路先の例(順不同)

一般企業:環境・建設・水産コンサルタント、環境アセスメント、グリーンインフラ関連技術者、航測関係企業、造園・緑化関係企業、 自然保護NPO、報道機関、エコツアーガイド、山岳ガイド、学芸員(博物館・植物園) 等
公務員:国土地理院、防災科学研究所、国際協力機構(JICA)、環境省、国土交通省、気象庁、水産庁、農林水産省、新潟県、山形県、栃木県、新潟市
大学院:新潟大学、東京大学、京都大学、東京農工大学、九州大学、千葉大学、東北大学 等
(前身の理学部自然環境科学科、農学部生産環境科学科、修士修了者も含む)