フィールド科学人材育成プログラム
Program of Field Research in the Environmental Sciences
フィールド科学のすすめ
フィールド科学とは?
お勧めポイントは?
五十嵐浜での海浜植物スナビキソウの地下茎の調査
研究の特徴は?
柏崎市上空の気象を観測するラジオゾンデ放球の様子
教育の特徴は?
佐渡・達者における底生生物の調査
授業紹介
生態学
寒冷地形学
環境物理学
海洋化学
気象解析実習、地形解析実習
臨海実習I
ほかにも魅力的な授業科目がたくさんあります!
インド洋における船上での海洋観測
キルギス共和国での温暖化最前線調査(氷河湖災害)
研究の紹介
火星を求めて
水、生命、資源・・・惑星科学研究のホットワードのすべてを持つ天体・太陽系第四惑星火星。近年の研究結果は、人々を地下浅部へ駆り立てた。
「火星の水?欲しけりゃくれてやる。探せ!人類が利用可能な水は地下浅部にあるはずだ!」
研究者たちは火星地下浅部を目指し、夢を追い続ける。世はまさに、大火星探査時代!
…というわけで、近年、火星探査熱が全世界的に高まっています。これまでアメリカや欧州主導で行われることの多かった火星探査に、アラブ首長国連邦と中国が参入し、2021年に火星に到達・探査を開始しました。今後、火星探査活動がますます充実していくことが期待されます。
火星は地球と比べて規模や数が極端な地形のある、おもしろい世界です。火星自体は地球よりも小さいのですが、エベレストより高い山々(例えば、オリンポス山。標高21km)やグランドキャニオンより長く深い峡谷(例えば、マリネリス峡谷。長さ4000km、最深部で深さ7km)があったり、地球では限定的にしか見られない火山地形があったりします。私はこれらの地形・地質の成り立ちに興味を持っています。
さて、火星の地形・地質を研究すると言っても、現時点(2022年時点)で人間は火星に行けていません。なのに、どうやって研究するのでしょうか?私は2つのアプローチをとっています。
手っ取り早いのは、火星探査機によって得られたデータ(リモートセンシングデータ)を解析することです。軌道上からのカメラ撮影で、最高解像度25cm/ピクセルの画像が得られていて、メートルスケールの地形だけでなく地層も調べることができます。ほかにも、高度計や赤外カメラ、地下レーダーなどによって、地形や鉱物、地下構造のデータも取得されています。これらのデータを統合して解析することで、その地形・地質がどのようにしてできたのかに迫ることができます。これまでに、地球では珍しい火山地形「ルートレスコーン(※)」の形成条件を調べたり、火星の大峡谷「マリネリス峡谷」の壁に露出している地層と地下レーダーの関係から地下氷の分布可能性を調査したりしました。
地球上の似たような場所(アナログサイト)での現地調査も私が重視している研究手法です。上述のルートレスコーンの研究をするために、アイスランドやハワイへ調査に行き、詳細な地形の調査や岩石採取を行いました。また、最近では、寒冷かつ乾燥した貧生物環境である南極露岩域での火星模擬研究にも興味を持っています。
将来の火星有人探査に向けた準備も行っています。上述の南極露岩域を火星模擬地とすることで、火星を調査する宇宙飛行士のトレーニングができるのではと考えています。また、実際に人類が火星表層の地質調査をする際、効率よく調査を行うために、画像解析・機械学習・無人航空機(いわゆるドローン)を援用した調査方法の開発をしています。最近では、新潟大学に着任したのがきっかけで、火星模擬土壌を用いた火星米の栽培試験にも取り組んでいます。火星で米を栽培するには水と土壌が必要です。現在、火星の地下氷分布を知るための探査ミッションや火星浅部地下環境探査が提案・検討されており、それらの探査にも将来積極的に関わりたいと考えています。
(※)溶岩と水の接触によって起こる連続爆発で形成される小丘状の火山地形。直径300m以下であることがほとんど。地球上では、アイスランドに多数のルートレスコーンからなるルートレスコーンフィールドがいくつか存在するが、他ではハワイ島沿岸部等に小規模に存在する程度で一般的な地形ではない。一方で、火星には広大なルートレスコーンフィールドが存在する。
研究者リスト
| 分野等 | スタッフ |
|---|---|
| 理学部 |
石崎智美 |
| 佐渡自然共生科学センター臨海実験所 | |
| 農学部 |
ウィタカ アンドリュー 権田 豊 柴田 嶺 関島恒夫 永野博彦 村上拓彦 森口喜成 吉川夏樹 |
| 佐渡自然共生科学センター演習林 |
阿部晴恵 梶本卓也 本間航介 |
| 佐渡自然共生科学センター朱鷺・自然再生学研究施設 |
河口洋一 高津邦夫 豊田光世 |
| 災害・復興科学研究所 |
卜部厚志 河島克久 新屋啓文 西井稜子 安田浩保 渡部直喜 |
進路状況
卒業後は、フィールドで課題を解決できる実践力を生かして、国内外のさまざまな分野で活躍することが期待されています。さらに研究活動を継続したい学生は、新潟大学大学院に進学することにより特色ある最先端のフィールド科学研究に取り組むことができます。
進路先の例(順不同)
公務員:国土地理院、防災科学研究所、国際協力機構(JICA)、環境省、国土交通省、気象庁、水産庁、農林水産省、新潟県、山形県、栃木県、新潟市
大学院:新潟大学、東京大学、京都大学、東京農工大学、九州大学、千葉大学、東北大学 等
(前身の理学部自然環境科学科、農学部生産環境科学科、修士修了者も含む)
