研究紹介

山岳環境研究室(奈良間研究室)

教員

研究分野

地形学,氷河学,山岳環境学,GIS(地理情報システム)・リモートセンシング

研究テーマ

  1. 中央アジア・ヒマラヤにおける氷河・山岳永久凍土の研究
  2. 中央アジア・ヒマラヤにおける氷河災害・地形災害の研究
  3. 国内の山地・丘陵地の地形災害の研究
  4. 新潟平野の地形変化の研究

研究概要

 山研では,天山山脈,ヒマラヤ,日本アルプスなどのアジア山岳地域を対象に,フィールドワーク(現地調査・観測),GIS(地理情報システム),リモートセンシング(衛星画像解析)の手法を用いて,山岳氷河の変動,山岳永久凍土の空間分布と存在環境,氷河湖決壊洪水や地形災害のプロセスとその被害に関する山岳環境変動の実態解明をめざして活動しています.

 IPCCの報告書にもあるように近年のアジア山岳地域の氷河は縮小傾向です.乾燥・半乾燥地域である中央アジアでは,天山山脈の山岳氷河は夏季の重要な水資源であり,近年の氷河縮小は,将来的な夏季の水不足を招くばかりか,氷河湖の出現とその決壊による洪水をも引き起こしています.これまでの研究活動から中央アジアの氷河災害は,巨大な氷河湖が分布するネパールやブータンなどの東ヒマラヤとは大きく異なることがわかってきました.

 フィールドでは,教科書の知識だけでなく,山での生活や現地調査の知識が必要であり,現地政府・研究機関や人々との交流も大切です.山研では総合的な知識と高い経験値を持つ人材育成を目指し,「山岳地域で現在生じている事象」をテーマに,山岳環境の現状解明から現地住民へのワークショップ開催などのアウトリーチまでを視野に入れ,人とのつながりを意識しながら活動しています.

理学を目指すあなたへ

 フィールドでは,教科書に書かれていない事象を目にします.まだまだ明らかになっていないことがたくさんあります.関心のある国内外のフィールドで新しい知見を一緒に探りに行きませんか?