地質科学プログラム
Geology Program
地質科学のすすめ
野外に行ってみましょう。森の中でみつけた岩石には何が秘められているでしょうか?
地質学とは?
お勧めポイントは?
研究の特徴は?
教育の特徴は?
野外実習を重視し、少人数教育できめの細かい指導のもと、地質調査能力の高い人材の育成を特色とします。専門力プログラムでは、高度な段階まで野外実習を行い、研究者・技術者としての基礎力を高めます。総合力プログラムでは、他学位プログラム科目を積極的に学び、学際的な視点からの課題解決能力を伸ばしていきます。
↑岩石を薄く切断して透き通るまで研磨したものを顕微鏡で観察すると、岩石を構成する鉱物の美しい配列が見えてきます。これはやはり日本海形成時に起こった火山活動を記録する安山岩の様子です(写真の横幅約1㎜)。
授業紹介
岩石学実験Ⅰ
野外実習A
ほかにも魅力的な授業科目がたくさんあります!
2つの学習方法(専門力プログラムと総合力プログラム)があります
専門力プログラムと技術士資格
地質科学専門力プログラムでは、高度な野外調査の方法を習得するとともに、地質科学の各分野を総合的かつ体系的に学びます。また、所定の単位を修得すれば、下の表に示す「育成する技術者像」および「学習教育・到達目標」を掲げてJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けた修了生となり、卒業時に「技術士補」の国家資格が得られます。
育成しようとする技術者像
綿密な踏査や観察に基づいて、地層・岩石の歴史性の認識や地下構造の三次元的な把握ができ、地圏の土木開発・資源開発・防災・環境保全等の分野で、計画性・協調性・実行力・倫理観をもって活躍する地質技術者。
学習・教育到達目標
- 良識ある技術者に必要な人文社会科学などの基礎および語学・コミュニケーション能力を身につける。
- 岩石・鉱物・地層の物質的性質について理解し、説明できる。
- 岩石・鉱物・地層の歴史的性質について理解し、説明できる。
- デザイン能力の一環をなす、社会の要請への地質科学の対応について理解し、説明できるとともに、技術者倫理を身につける。
- 野外の地質に関するデータ取得とまとめができる。
- 野外の産状に密着した地質学的課題を解決する計画を立案し、複数の解決策や与えられた制約を考慮したうえで計画的・自主的に情報を取得し、チームでの議論を経て、総合的に解析できる。これらを通じ、デザイン能力を身につける。
- 収集した情報を整理・再構成して自ら表現できる。
- 広範な問題解決のために、自然科学の多様な分野の基礎を身につけるとともに、地質科学の先端のトピックを理解し、説明できる。
総合力プログラム
研究の紹介
古生物の生態・進化・多様性に迫る
地層に保存された生物の痕跡「化石」から、古生物の体づくり、適応、ふるまい、生活様式の解明に取り組んでいます。特に、古生代(約5.4~2.5億年前の期間)と呼ばれる時代に生きていた奇妙な生物たちを題材とし、生物大進化の原動力や大量絶滅の全容を明らかにすることが目標です。
化石の中でも、腕足動物と呼ばれる二枚貝のような動物や、ダンゴムシのような姿をした三葉虫などの無脊椎動物を中心に研究しています。どちらの生物も、現存する生物にはない不思議な形をしているので、きっとユニークな生存戦略が秘められているのだろうと想像できます。研究室では、化石に残らない軟体部の復元や摂食方法の推定などをテーマに、形態解析や機能解析を進めています。化石といっても元々は生物だったので、今いる生物を使った比較研究も行います。
もの言わぬ化石となった生物は、どこで生きていたのでしょうか?古生物の生息環境を理解するためには、当時の地層をしっかり調査しないといけません。そこで、地質科学に基づく野外調査を通して地層の形成史を解読し、古生物の住んでいた環境復元にも取り組んでいます。特に、地球生命史上、最大の絶滅イベントが起きたペルム紀(約2.5億年前)と、最初の絶滅イベントがあったオルドビス紀(約4.3億年前)の地層を題材に、いつ、どこで、どんな生物が存在していたのか、を明らかにする野外調査研究を行っています。
就職状況
進路として、大学院進学、地質コンサルタント業、地質調査業、建設コンサルタント業、資源・素材系企業(石油・セメント・金属等)、土木建設業、環境アセスメント業、ジオパークなどに関わる公共機関・博物館などの専門技術職のほか、幅広い分野の民間企業や公務員・教員・研究者などに実績があります。
就職先の例(順不同)
【ゼネコン】日特建設㈱
【建設コンサルタント】応用地質㈱、川崎地質㈱、㈱日さく、八千代エンジニアリング㈱、㈱キタック、㈱興和、基礎地盤コンサルタンツ㈱、サンコーコンサルタント㈱