研究紹介

沈み込み帯研究室(植田研究室)

教員

研究分野

地質学(付加体,高圧変成岩,テクトニクス)

研究テーマ

  1. 付加体の発達のし方
  2. 沈み込み帯の深部のつくりと変動
  3. 中生代における北西太平洋の海洋プレートの復元

研究概要

 日本海溝や伊豆小笠原海溝のような「沈み込み帯」では,地球表層にあった海洋プレートが地球内部へ潜っていきます.その際,海底の堆積物が陸側に押し付けられて「付加体」という地層ができたり,逆に沈み込まれる側のプレートの一部が削り取られて一緒に沈み込む「構造侵食」などの変動がおこります.また,沈み込んだ地層や岩石は地下深くで「高圧変成岩」になり,その一部は突発的に,あるいはじわじわと,地表まで戻ってきます.日本列島をはじめとする環太平洋地域では,これらの変動で形成あるいは練り返された地層や岩石が生地となって,大地が成長していきます.私たちの研究室では,過去の地層や岩石を調査して,これらの変動がなぜ,どのようにしておこったか,その結果日本の大地がどう成長していったか,また,当時どのようなプレートが沈み込んだのか,などについて研究しています.

 雪が解けて春が来ると,私たちは研究室という巣穴から出て野山にでかけます.そして夏の間野山でたくさんの収穫物を集めて,初雪が降る頃までに巣に戻ってきます.冬の間は集めた収穫物を調理しながら「これ,どうやってできたんだろう」などと考えます.そしてまた春が来ると,そのアイデアを確かめたり,さらに新しい収穫を得るために,また野山にでかけます.

理学を目指すあなたへ

 地質学は探偵のように,断片的に残された証拠を注意深く探しながら,遠い昔に何がおこったか,人が近づけない海の底や地面の下で何がおこっているかを探る学問です.自分で自然の中から集めた証拠を組み合わせて,「ああ,こうなっているんだ」「こんなことがおこったんだ」と突き止めた時の喜びは格別です.