研究紹介

マントル岩石学研究室(高澤研究室)

教員

研究分野

マントル岩石学,地質学,地球化学

研究テーマ

  1. 海洋リソスフェリックマントルの形成と進化
  2. 大陸性マントルの進化と変遷に関する研究
  3. 深海底かんらん岩から見た中央海嶺の火成活動
  4. 上越・足尾帯の蛇紋岩類:至仏山蛇紋岩体

研究概要

 ひと口で言うと,火成岩・変成岩を通して地球内部で起こっている現象をひも解くことです。これまで地球深部のマントルから地表に上昇してきたかんらん岩を調べ,上部マントルの物質的な多様性と分化のプロセスを研究してきました。その手段として,岩石や鉱物に含まれる微量元素を分析し,その量比からそれらをもたらした地球内部の現象を具体的に検証してきました。かんらん岩に含まれる微量元素の量は大変低いので,誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)という分析機器を用いて,マントルかんらん岩に含まれる超微量元素の分析法を開発しました。最近ではレーザーを用いて直径0.1mm以下の局所領域の組成も分析しています。微量元素はかんらん岩1gに10億~100億分の1gしか含まれていませんが, ICP-MSを用いればそれらの元素も非常に精度良く分析することができます。岩石を強酸に溶かして5千分の1以下に希釈するので,実際に分析するときは1兆分の1g程度に薄まっています。当然環境からの汚染を防がないといけないので,分析はすべてクリーンルームで行っています。これらの実験室は総合研究棟(生命・環境系)にあります。興味のある方,見学を希望される方はぜひ高澤にご連絡下さい。

理学を目指すあなたへ

 自然科学には未解決なことがたくさん残されています。教科書に書いてあることももしかしたら間違っていて答えはもっと他にもあるのかもしれません。研究をしていくとそういうことが見えてきます。研究は大海原を航海しているのと似ていて,最初はどちらに進めばよいのか迷ったり,躊躇したりすることもあります。しかし研究を進めて行くと色々なことが分かってきて,とてもワクワクした気分になります。自然科学の歴史は長いですが,新しい発見に出会う可能性が皆さんにも十分にあります。皆さんも自然科学に挑戦してみましょう。