研究紹介
堆積・古環境学研究室(葉田野研究室)

教員
- 葉田野 希 准教授
研究分野
堆積学,地球化学,古土壌・古風化,古環境変動
研究テーマ
- 気候変動・地殻変動による陸域古環境の応答
- 第四紀における中部山岳域の湖沼環境の変動
- 地質時代における土壌(古土壌)
研究概要
気候や地殻の変動は,私たちが暮らす陸地の環境にさまざまな影響を与えてきました.地震や火山活動のように急激な変化はもちろん,降水量や気温の変化,山脈の形成といった長期的な変動も,土地の姿や生態系に大きな影響を及ぼしてきました.私たちの研究室では,地層に残された記録を手がかりに,気候や地球内部の変動に対して地表環境がどのように応答してきたのかを明らかにしようとしています.
現在,以下の研究テーマに取り組んでいます.
1. 気候変動・地殻変動による陸域古環境の応答
地球史における寒冷化・温暖化や山脈の形成が,土壌や植生,湖・河川環境に与えた影響を調べています.堆積物や堆積岩を対象に,それらの形成環境を堆積学・地球化学・古土壌学の手法で復元し,気候や地殻の動きが陸域古環境に与えたインパクトを明らかにしようとしています.
2. 第四紀における中部山岳域の湖沼環境変動
第四紀は,氷期と間氷期の繰り返しによって特徴づけられる時代です.その気候変動が山岳域に与えた影響について,中部山岳域の湖沼堆積物から探っています.地層の積み重なりやそれを構成する鉱物・有機物を調べることで,過去の湖沼環境や周辺植生,気候の変遷を追跡し,自然環境の変化を解明しようとしています.また,そうした自然環境の変化と人間活動との関わりにも注目しています.
3. 地質時代における土壌(古土壌)
古土壌とは,過去の地表でつくられた土壌がそのまま地層に保存されたもののことです.古土壌には,過去の気候や風化,生物活動が詳細に記録されています.本研究では,野外調査や顕微鏡観察,機器を用いた分析によって,古土壌の形態的特徴や鉱物・化学組成を調べ,数百万年前・数千万年前の地表環境の変動を読み解こうとしています.
理学を目指すあなたへ
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