研究紹介
大森研究室
教員
研究分野
進化発生学、系統分類学
研究テーマ
- ウミユリ類の神経発生と形態進化
- ウミシダの系統分類学
- 佐渡島の海産無脊椎動物を用いた発生学および自然史学的研究
研究概要
ウミユリ類はウニやヒトデと同じ棘皮(きょくひ)動物というグループの無脊椎動物です。成体に茎がある有柄(ゆうへい)ウミユリと成体には茎がないウミシダに大きく分けられ、どちらも体の形はウニやヒトデよりも複雑に見えますが、ウニやヒトデよりも古い体のつくりを残しています。たとえば、神経系がウニやヒトデよりも複雑なため、たくさんある腕をうまく動かして移動や食事をしたり、すべての腕にある生殖巣から一斉に卵を産んだりすることができると考えられています。神経系などの組織構造を始めとするウミユリ類の「形」が発生過程でどのように形成されていくのか、ウミユリ類が進化の過程でどのようにしてその「形」を獲得したのかを、組織構造の詳細な観察やゲノムなどの分子情報の解析により明らかにしようとしています。
また、日本の海には100種以上のウミシダが生息するとされていますが、同じような色や模様でも別の種だったり、色や模様が違っても同じ種だったりと、一見しただけでは分類するのが難しいことがあります。形や色だけでは分類が難しいウミシダについて、遺伝子解析などの手法を用いて分類をやり直す研究を進めています。
佐渡島周辺の海には、最近新種記載されたサドナデシコナマコを始め、興味深い無脊椎動物がたくさん生息しています。これらの無脊椎動物の形の進化に関する発生学的研究と生態調査や分類といった自然史学的研究を通じて、佐渡島の生物多様性の理解を目指します。
理学を目指すあなたへ
日本の海には世界でも稀に見るほどの多種多様な生物が生息しています。海に棲む生物の多様な形の謎を探求してみませんか?