研究紹介

地域環境計画学室(新田研究室)

教員

研究分野

農村計画学、都市計画学、地域環境工学

研究テーマ

  1. 地域環境資源の利用と管理に関するシステムデザイン研究
  2. 住民主導の計画づくりに関する研究
  3. 生き物と人の視点を統合した親水環境評価手法の開発

研究概要

 近年、里地里山に代表される農村地域は、持続可能性の危機にさらされています。過疎・高齢化や食料問題、コミュニティの崩壊、産業衰退、災害の激甚化、生物多様性の喪失・・・挙げれば多くの困難があることに気づくでしょう。しかし、一方で農村は多様な地域環境(水辺や緑地など)を有し、これらの自然的環境は、多面的機能や生態系サービスといった形で私たちの暮らし・社会を力強く支え潤しています。私は、こうした自然的環境を地域資源として捉え、この地域環境資源を持続的に利用管理するためのシステムデザインに関心があります。

 『地域環境計画学研究室』では、持続的な地域環境資源利用の仕組みをどのようにつくっていくかという問題意識のもと、「水辺環境利用」「地域計画マネジメント」という個別テーマを設けて、人や水、水辺の生き物を対象とした実証的研究に取り組んでいます。具体的なアプローチとしては、環境行動・心理学的手法や環境評価手法などを用いて、生き物のデータと人々の行動・意識に係るデータを収集・分析し、人と自然環境とのより良い関係構築に向けて、システムとしてのあるべき姿(システムデザイン)や、そのシステムに到達するための手順(計画論)を明らかにすることを目的とした研究を行っています。

理学を目指すあなたへ

 私たちは今、人新世と呼ばれる時代を生きています。人新世とは、人間社会の営みが地質にまで影響してしまう程の力を持っているということです。そのなかでも、私たちはかつて誰も経験したことのない世界(異常気象や人口減少など)を前向きに生き、より良い世界・地域へと改変していかなければいけません。そのための力として、多様な主体と協働して順序だてて課題を解決する力、すなわちデザイン力と計画力とが益々重要になってきています。理学部において、地域の自然―社会環境の複雑系を学び、その課題解決に一緒に取り組みませんか。