研究紹介

生物化学研究室(中馬研究室)

教員

研究分野

生化学、酵素学、生物分子化学、ケミカルバイオロジー

研究テーマ

  1. 発がんタンパク質の阻害剤開発
  2. 疾患関連ホスファターゼの生体内機能解明
  3. 翻訳後修飾解析のためのツール開発

研究概要

 「生命」の最小単位である「細胞」は、外界からの情報を厳密に制御された細胞内情報伝達システムを介して伝達し、最終的に細胞応答としてアウトプットします。この一連の流れにおいて、中心的役割を担っているのが、「リン酸化」を含むタンパク質の翻訳後修飾であり、生体内のタンパク質はこれら翻訳後修飾によりその分子認識や機能発現、細胞内局在などが制御されています。そのため、これら翻訳後修飾に関わるタンパク質(酵素)に異常が生じると、癌を含む様々な疾患が引き起こされることが知られています。

 生命現象を理解するためには、これらタンパク質の機能制御に関わる酵素の「分子認識」と「制御機構」について、分子レベルで理解することが必須です。我々の研究室では、タンパク質のリン酸化を制御する酵素、特に脱リン酸化酵素であるプロテインホスファターゼに着目し、ホスファターゼの制御異常に伴う疾患メカニズムの解明に取り組んでいます。具体的には、
テーマ1)抗癌剤を含む阻害剤開発
テーマ2)生体におけるシグナル伝達機構の解明
テーマ3)新規Methodologyの開発
の3つの柱を中心に、「化学の視点から生命現象を理解すること」を目的として研究を行っています。

理学を目指すあなたへ

 化学を含む理学は、日進月歩の科学技術だけでなく、医療やバイオといった幅広い応用分野において基盤となる学問です。「基礎」を”極める”ことが、新規着想や応用を生み出す原動力になります。