研究紹介

動物進化発生学研究室(藤村研究室)

教員

研究分野

動物進化発生学、ゲノム進化学

研究テーマ

  1. 魚類の形態進化に関する進化発生学的研究
  2. 魚類のゲノム進化と遺伝子発現に関する発生遺伝学的研究

研究概要

 動物は多様な形をしています。動物の形態は、それぞれの発生過程において、設計図であるゲノム情報に従って遺伝子発現が時間的・空間的に複雑に制御され、細胞が移動し分化し、形成されています。そして、種によってゲノム情報が異なり、個々の要素の形やサイズあるいは空間的配置の違いが生じ、多様な形態が形成されています。

 脊椎動物は約5万種いるとされ、そのうちの半分を魚類が占めます。魚類は、あらゆる水圏に適応放散し、形態学的に多様化しています。進化の歴史を考えると、まず顎をもたない「無顎類(円口類)」から顎をもつ「顎口類」へと進化し、顎口類は、軟骨性の骨格をもつ「軟骨魚類」と骨性の骨格をもつ「硬骨魚類」とに分かれました。硬骨魚類はさらに、肉質の鰭をもつ「肉鰭類」と鰭条の鰭をもつ「条鰭類」に分かれました。肉鰭類から「四足類」が誕生し、脊椎動物は陸上進出を遂げた一方、条鰭類は遊泳機構を発達させ、一般的に魚として認識する「真骨類」へと進化しました。

 当研究室では、条鰭類の最も祖先的な系統である「ポリプテルス」、真骨魚の中で古い系統である「ゼブラフィッシュ」、真骨類の中で派生的な系統である「シクリッド」を繁殖飼育しています。これらの熱帯魚の発生やゲノムを比較解析し、分子生物学的に検証実験をおこなうことによって、脊椎動物の進化の分子メカニズムを解明する基礎研究をおこなっています。

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