研究紹介

加藤研究室(植物学系)

教員

研究分野

植物細胞生物学,植物生理学

研究テーマ

  1. 植物におけるペルオキシソームの形成および機能発現の制御機構の解析
  2. ペルオキシソームに存在する酵素の機能
  3. 環境ストレス応答におけるペルオキシソームの役割
  4. ペルオキシソームはどのように作られるのか

研究概要

 真核生物である植物の細胞には,核や葉緑体,ミトコンドリアや小胞体といったさまざまな細胞小器官が存在します。これらの細胞小器官は,それぞれが固有の機能を有しているだけでなく,互いに関連,協調しながら植物の生命活動を維持しています。ペルオキシソームは,直径わずか1μm前後の小さな細胞小器官ですが,植物の脂肪代謝や光合成,アミノ酸や植物ホルモンの代謝などの多様な機能を担っています。植物のペルオキシソームには,生育環境や生長段階,組織や細胞の違いによって機能が大きく変化するという特徴があります(図参照)。一生を固着生活で過ごす植物は,温度や光条件,水分条件などの変化(環境ストレス)に強い生物ですが,ペルオキシソームを研究することによって,植物が環境の変化に応答し順応してゆくしくみの一端が明らかになると考えられます。

 私たちは,シロイヌナズナやカボチャを利用して,①ペルオキシソームの内部に存在する代謝酵素やタンパク質分解酵素はどのような機能を担っているのか,②環境ストレスに対抗するため,植物はペルオキシソームどのように利用しているのか,そして,③植物細胞では,ペルオキシソームはどのように作られてどのように増えるのか,どのように機能が変わるのか,に焦点をあてて研究を行っています。

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