研究紹介

小島研究室

教員

研究分野

代数幾何学, 可換環論

研究テーマ

  1. 開代数多様体の構造
  2. 多項式環

研究概要

 本研究室では代数幾何学と可換環論とよばれる分野を研究しています.

 高等学校までで学ぶ数学で, 直線, 円, 放物線, 楕円, 双曲線 (これらは平面内の図形), 平面, 球面 (これらは空間内の図形) を扱いましたが, これらはいずれも多項式$=0$ によって定まります。

 代数幾何学とは, いくつかの多項式を零にする点からなる図形 (代数多様体 (だいすうたようたい)といいます) の様々な性質を調べることを目標としています。多項式であることが大事であり, 例えば, $y = \cos x$ のグラフは平面内の曲線を表しますがこれは多項式$=0$ の形で表すことができませんので, 代数多様体ではありません。また, 方程式の解も実数の範囲だけでなく, 複素数の範囲まで広げて考えた方がきれいな性質が成り立つことが分かります。例えば, 方程式 $x^2 + 1 = 0$ は実数の範囲では解を持ちませんが, 複素数まで範囲を広げれば解があります。また, $x^2 + y^2 = -1$ (虚円といいます) は実数の範囲では解を持ちませんが, これも複素数まで範囲を広げると解があることが分かります.

 代数多様体の種類はたくさんあり, 全てを調べることは不可能であるため, 次元等の情報に制限をつけたものを研究することが多いです. 本研究室では主に2次元開代数多様体を研究しています. これは複素数の範囲では2次元の穴が空いた4次元の図形となり, 具体的な形を見ることができませんが, 2次元の穴を上のような図形 (グラフと呼びますが, 関数のグラフとは違います) に表すことにより調べます.

 他に, 代数幾何学に関連する話題として, 多項式全体の集合 (多項式環といいます) の研究もしています. 高校で習う多項式は変数が1個の場合ですが, 変数の個数を増やすと劇的に難しくなります. これを代数学, 幾何学, 解析学の知見を用いながら研究しています.

理学を目指すあなたへ

 大学で学ぶ数学は高校までのものよりかなり難しく思えるかも知れませんが, 高校までと比べてはるかに広い世界をみることができます. 数学には様々な分野がありますので, きっと皆様にとって興味が持てる分野が見つかると思います.