研究紹介
核化学研究室(後藤研究室)
教員
研究分野
無機化学,核化学
研究テーマ
- 超重元素の核的,化学的性質に関する研究
- 重・超重元素の核分裂機構に関する研究
研究概要
原子番号が104以上の元素を超重元素と呼びます。これらの元素は天然には存在せず,すべて重イオン核融合反応を利用して人工的に合成されたものです。超重元素を合成する確率は極めて小さく,また,合成できても短い時間で放射線を出して別の元素に変わってしまうため,化学実験をしようとしても一度に1原子しか取り扱うことができません。化学実験と聞いてイメージする試験管やビーカーを用いた実験では1023個オーダーの原子を取り扱うのに対して,原子1個で化学実験をするためには,それに適した化学反応や特別な実験手法を用いなくてはならず,そのための基礎研究が必要です。
核化学研究室では,超重元素である104番元素Rf(ラザホージウム)および105番元素Db(ドブニウム)がハロゲン化水素水溶液中でどのような化学形をとるのか溶媒抽出法により調べたり,Rfの塩化物の揮発性をガスクロマトグラフィにより調べたりしています。大学では超重元素と化学的性質が似ていると考えられる周期表上の同族元素を取り扱って基礎実験を行い,実験条件などが確立できたら学外の実験施設で超重元素を対象とした実験を行います。
このほか,超重元素やそれよりも少し原子番号の小さいアクチノイド元素がどのようなメカニズムで核分裂をするのかといった研究も行っています。
理学を目指すあなたへ
大学の研究であっても「なぜだろう?」という素朴な疑問や「おもしろそうだ!」という興味からスタートします。覚えるだけの勉強ではなく,疑問や興味を掘り下げてみることにも挑戦してみましょう。