研究紹介

素粒子論研究室

教員

研究分野

素粒子論,ゲージ場の理論,素粒子論的宇宙論の研究。

研究テーマ

  1. 超対称理論と高次元理論に基づく素粒子統一理論
  2. 加速器実験や初期宇宙における素粒子現象の理論研究
  3. 格子ゲージ理論に基づく数値シミュレーション

研究概要

 わたしたちの研究室では,教員三人が協力しつつ,独自のアプローチで研究を展開しています。

 素粒子論の重要な研究テーマの一つに,ヒッグス場による「電弱対称性の破れ」がどのようにおこったか,その起源の謎を解き明かそうとする研究があります。わたしたちの研究室でも,「超対称性」と呼ばれる新しい対称性や,高次元時空の幾何学的構造などの理論的なアイデアに基づいて,この謎に迫ろうとする研究を行っています。

 また,加速器実験や初期宇宙での素粒子現象についても研究を行っています。素粒子「標準模型」では説明することができない,ニュートリノの質量獲得機構,宇宙暗黒物質の正体,宇宙物質創成機構,インフレーション宇宙などを説明する新しい素粒子理論を構築すること,さらに新しい理論に基づいて宇宙進化を理解することを目指して研究を進めています。

 一方で,素粒子標準模型(特に「量子色力学」と呼ばれる理論)に基づいて,高温・高密度などの極限状況における素粒子現象の研究も行っています。そのような極限状況では,素粒子間の相互作用が極めて強くなるので,信頼できる計算方法は,今のところ,第一原理計算である「格子ゲージ理論」の大規模計算機シミュレーションだけです。そのシミュレーションの手法により,宇宙初期で実現していたとされる,超高温・高密度状態の解明に挑戦しています。

理学を目指すあなたへ

 研究をすすめる原動力は,人間の「自然を深く知りたい」という強い情熱です。この情熱こそ,20世紀科学の最高峰である相対性理論と量子力学を誕生させた源でもあります。自然を知りたいという意欲をもっている若いみなさんが,私たちの跡を継ぐ者です。(中略)その世界の解明にはまだ多くの困難な問題が立ちはだかっています。この問題を乗り越えていく若い人たちの登場を,私たち新潟大学素粒子論研究室一同は熱望しています。(谷本盛光名誉教授,研究室HPより抜粋)