研究紹介

藻類細胞進化学研究室(墨谷研究室)

教員

研究分野

藻類細胞生物学、形態・構造、進化生物学

研究テーマ

  1. 単細胞藻における細胞と葉緑体の分裂の協調機構の解析
  2. 単細胞藻の分子細胞生物学的解析手法の開発

研究概要

 葉緑体は、シアノバクテリアが約10億年前に細胞内共生により誕生したと言われています。もともと別のいきものであったシアノバクテリアを獲得した宿主細胞が10億年ものあいだシアノバクテリアとともに生きることができたメカニズムはなにか、について、細胞と葉緑体の分裂の協調をキーワードに探ることが、大きな研究の目的です。

 葉緑体をもつ生き物としては、藻類から陸上植物まで幅広く存在していますが、陸上植物では、ひとつの細胞に多数の葉緑体が存在するのに対し、藻類のなかでも単細胞の藻類では、葉緑体を1~数個しかもたないものが多いことが知られています。進化の過程を考えると、単細胞藻類は、葉緑体が誕生して比較的間もないころの性質を残したまま現在まで生きてきたことが期待されることから、細胞と葉緑体の分裂の協調機構を調べるためには最適な生き物であるといえます。しかしながら、単細胞藻類では、解析に必要な実験手法が十分に揃っていないのが現状です。そこで、必要に応じて実験手法を開発しつつ、単細胞藻類の細胞分裂のメカニズム、葉緑体分裂のメカニズムを理解したうえで、細胞と葉緑体の分裂の協調機構の解明に挑もうとしています。

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