研究紹介

宇宙物理学研究室

教員

研究分野

宇宙物理学

研究テーマ

  1. 数値相対論と重力波天文学
  2. 天体の形成と構造・進化
  3. 重力理論と宇宙論

研究概要

 銀河,恒星,惑星,中性子星,ブラックホールなどの様々な天体,そしてこれらを含む宇宙全体の姿。天体や宇宙の運命の鍵をにぎる重力とその究極理論である一般相対論。新潟大学宇宙物理学研究室では,これらすべてを対象として理論的な研究を行っています。

 近年の観測装置の進歩により,天体や宇宙の理解は大きく進みましたが,まだ多くの謎が残っています。その一方で,新しい観測装置による新しい発見から,新しい謎が次々と生まれています。

 例えば,私たちの太陽系が所属する天の川銀河が,いつ,どのように生まれたのか正確なことはまだ,わかっていません。そもそも,天の川銀河の現在の姿すら明らかではなく,上左図のような想像図が描かれていますが,それが本当かどうかまだ誰も知らないといっても過言ではありません。私たちの天の川銀河の本当の姿とその未来を知るために,究極的には,すべての星の位置と運動を正確に測定することが必要です。それを目指しているのが位置天文衛星です。

 ところで,宇宙の運命を支配する一般相対論は,重力波の存在を予言します。電磁波が電荷をもつ物質を揺り動かすように,重力波は質量をもつ物質,つまり宇宙に存在するものすべてを揺り動かす,いわば宇宙の波です。そして重力波の観測は宇宙観測の次のフロンティアになると期待されています。しかし,一般相対論は用いる数学が難しいため,未解決な問題が多く取り残されています。それを解決するためには紙と鉛筆にたよる手法だけでは限界があり,時には大規模な数値シミュレーションを駆使した研究も行なっています。

 私たちは基本的には宇宙物理学理論の研究室ですが,岐阜県神岡鉱山地下の重力波観測装置KAGRA(上中図)や位置天文衛星JASMINEシリーズ(上右図)など,最新の観測装置と強い連携をもって研究を進めており,これら最新の観測装置にかかわる研究者の育成も目指しています。

理学を目指すあなたへ

 宇宙物理学は物理学を武器として宇宙の謎にいどむ学問分野です。新潟大学の理学部物理学科で物理学の基本を身に着けて,広大で想像を超えた謎に包まれた宇宙を一緒に研究しませんか。